(2)古代ギリシア世界 5 ギリシア文化
〈イオニア学派(ミレトス学派)〉
・前600年ごろより、イオニア諸市、特にミレトスに輩出した自然哲学者たちをいう。
・タレス、アナクシマンドロス、アナクシメネス、ヘラクレイトスなど
★タレス
・「世界の根源は何か」という問いを考え出し、万物の根源は水であるという説をとなえた。
・超自然的な神々ではなく、実在の物質である「水」によって世界を統一的に説明しようとした。
・西洋哲学の始祖とされている。
・前585年5月28日の皆既日食を予言した。
・ピラミッドの高さを測定したとされる。
★アナクシマンドロス
・タレスの弟子で、量も質も限定されない「無限定なもの」が万物の根源だとした。
・日時計や地図などを考案したとされる。
・人間は魚から変化したという一種の進化論の考え方をした。
★アナクシメネス
・アナクシマンドロスの弟子で、万物の根源は「(空)気」だとした。
・気が希薄になると火になり、濃くなると風になり、以下濃くなるにつれて雲、水、土、石となり、他のあらゆるものがこれらのものから成ると考えたという。
★ヘラクレイトス
・万物の根源は「永遠に生きている火」であり、一切は火に発して火に還り、万物は生成・流転するとした。
・万物の根源を火としたというのは、アリストテレスの解釈である。
・「万物は流転する」との言葉は「同じ川に二度と足を踏み入れることはできないであろう」という断片を「すべては去りつつあり、何ものもとどまらない」ことの喩えとしたプラトンによる引用から始まり、これを一言で言い換えたものだという。
・ディオゲネス・ラエルティオスの「哲学者列伝」によれば、宇宙、政治、神学を主題とした「自然について」という著書があったという。(断片が残るのみ)
〈ピタゴラス学派〉
★ピタゴラス
・「万物の始原は数である」とする。
・ミレトス学派の人々が「世界は何から作られているか」を問題としたのに対し、ピタゴラス学派の人々は「世界はどのように存在しているか」を問題とし、その解答が「万物の始原は数である」だった。
・世界は数学的秩序を内在しているという自然観である。
★ピタゴラス学派の四科
・ピタゴラス学派の人々は数学的学問を「数論」「音階論」「幾何学」「天文学」の4つに分けた。
・ピタゴラス学派の伝統は、中世に至って、「修辞学」「文法」「論理学」の「三科」が付け加えられ、中世の大学における必修科目の「自由七学科」へと発展していく。
★ピタゴラス音階
・ピタゴラスは史上初の音階を作り上げた。
★ピタゴラスの定理(三平方の定理)
・ピタゴラスの定理は、ピタゴラスが発見したものではなく、ピタゴラスの定理に相当する内容は古代メソポタミアのシュメール人にすでに知られていた。(ただし、三平方の定理が正しいことの証明を示した記録は残されていない)
・円周率の値も古代エジプト人よりも前にシュメール人が計算していた。
・バビロニアの図書館の粘土板には、九九、分数、平方根、立方根の表が残されており、2次方程式やユークリッド幾何学も発達していた。
★無理量の発見
・1辺が1の正方形の対角線の長さは無理数でしか表現できない量であり、そのような量が存在することを知り得たが、それは「万物の始原は数である」というピタゴラス学派の教義に反することなので、この事実は門外不出とされたという。
〈アテネ3大哲学者〉
★ソクラテス
・対話や問答を通じて人々に無知を悟らせ、そこから真の知へ開眼させる活動を行った。
・民主派によって「青年を害し、国家の神々を信じないで、新しい精霊を持ちこむ」という容疑で告発された。
・法廷で弁護に務めたが死刑の判決を受け、1か月間の入獄中に友人から脱走をすすめられたが「悪法といえども国家の法に従うべし」といって毒杯を仰いで死んだ。
・自身の著書は残さなかったが、弟子のプラトンの「対話篇」のなかの「ソクラテスの弁明」「クリトン」「饗宴」などにソクラテスの教説・行動が記されている。
★プラトン
・ソクラテスに師事し、ソクラテスの死後、エジプト、シチリアなどを遍歴。40歳のころアカデメイアを創設し、研究・教育と執筆に専念し80歳で没した。
・著作は、魂の不死を説き、イデア論を展開した「ファイドン」、理想国家を論じた「国家」など。
★アリストテレス
・アカデメイアに20年間学びかつ教えた。
・アレクサンドロス大王の若き日の教育係となった。
・アテネに学園「リュケイオン」を開設し、逍遥学派を形成した。
・哲学・政治・倫理・歴史・経済・心理・論理・美学・生物の諸学におよぶ「万学の祖」であり、古代の学問の集大成者であった。
・著作は、「政治学」「ニコマコス倫理学」「形而上学」「アテナイ人の国制」など。
〈ギリシア建築〉
★ドーリア式(ドーリス式)
・飾りのない柱頭とエンタシスを特徴とする先細りの円柱
・代表例はパルテノン神殿
★イオニア式
・丸い台座と渦巻き形の柱頭を持つ円柱
・ドーリア式より細身で優美
・代表例はアテネのエレクテイオン
★コリント式
・実際にあるのは、ドーリア式とイオニア式の2つのオーダー(柱式)のみで、コリント式はイオニア式の変形である。
・柱頭にアカンサスの葉がデザインされる
〈イオニア学派(ミレトス学派)〉
・前600年ごろより、イオニア諸市、特にミレトスに輩出した自然哲学者たちをいう。
・タレス、アナクシマンドロス、アナクシメネス、ヘラクレイトスなど
★タレス
・「世界の根源は何か」という問いを考え出し、万物の根源は水であるという説をとなえた。
・超自然的な神々ではなく、実在の物質である「水」によって世界を統一的に説明しようとした。
・西洋哲学の始祖とされている。
・前585年5月28日の皆既日食を予言した。
・ピラミッドの高さを測定したとされる。
★アナクシマンドロス
・タレスの弟子で、量も質も限定されない「無限定なもの」が万物の根源だとした。
・日時計や地図などを考案したとされる。
・人間は魚から変化したという一種の進化論の考え方をした。
★アナクシメネス
・アナクシマンドロスの弟子で、万物の根源は「(空)気」だとした。
・気が希薄になると火になり、濃くなると風になり、以下濃くなるにつれて雲、水、土、石となり、他のあらゆるものがこれらのものから成ると考えたという。
★ヘラクレイトス
・万物の根源は「永遠に生きている火」であり、一切は火に発して火に還り、万物は生成・流転するとした。
・万物の根源を火としたというのは、アリストテレスの解釈である。
・「万物は流転する」との言葉は「同じ川に二度と足を踏み入れることはできないであろう」という断片を「すべては去りつつあり、何ものもとどまらない」ことの喩えとしたプラトンによる引用から始まり、これを一言で言い換えたものだという。
・ディオゲネス・ラエルティオスの「哲学者列伝」によれば、宇宙、政治、神学を主題とした「自然について」という著書があったという。(断片が残るのみ)
〈ピタゴラス学派〉
★ピタゴラス
・「万物の始原は数である」とする。
・ミレトス学派の人々が「世界は何から作られているか」を問題としたのに対し、ピタゴラス学派の人々は「世界はどのように存在しているか」を問題とし、その解答が「万物の始原は数である」だった。
・世界は数学的秩序を内在しているという自然観である。
★ピタゴラス学派の四科
・ピタゴラス学派の人々は数学的学問を「数論」「音階論」「幾何学」「天文学」の4つに分けた。
・ピタゴラス学派の伝統は、中世に至って、「修辞学」「文法」「論理学」の「三科」が付け加えられ、中世の大学における必修科目の「自由七学科」へと発展していく。
★ピタゴラス音階
・ピタゴラスは史上初の音階を作り上げた。
★ピタゴラスの定理(三平方の定理)
・ピタゴラスの定理は、ピタゴラスが発見したものではなく、ピタゴラスの定理に相当する内容は古代メソポタミアのシュメール人にすでに知られていた。(ただし、三平方の定理が正しいことの証明を示した記録は残されていない)
・円周率の値も古代エジプト人よりも前にシュメール人が計算していた。
・バビロニアの図書館の粘土板には、九九、分数、平方根、立方根の表が残されており、2次方程式やユークリッド幾何学も発達していた。
★無理量の発見
・1辺が1の正方形の対角線の長さは無理数でしか表現できない量であり、そのような量が存在することを知り得たが、それは「万物の始原は数である」というピタゴラス学派の教義に反することなので、この事実は門外不出とされたという。
〈アテネ3大哲学者〉
★ソクラテス
・対話や問答を通じて人々に無知を悟らせ、そこから真の知へ開眼させる活動を行った。
・民主派によって「青年を害し、国家の神々を信じないで、新しい精霊を持ちこむ」という容疑で告発された。
・法廷で弁護に務めたが死刑の判決を受け、1か月間の入獄中に友人から脱走をすすめられたが「悪法といえども国家の法に従うべし」といって毒杯を仰いで死んだ。
・自身の著書は残さなかったが、弟子のプラトンの「対話篇」のなかの「ソクラテスの弁明」「クリトン」「饗宴」などにソクラテスの教説・行動が記されている。
★プラトン
・ソクラテスに師事し、ソクラテスの死後、エジプト、シチリアなどを遍歴。40歳のころアカデメイアを創設し、研究・教育と執筆に専念し80歳で没した。
・著作は、魂の不死を説き、イデア論を展開した「ファイドン」、理想国家を論じた「国家」など。
★アリストテレス
・アカデメイアに20年間学びかつ教えた。
・アレクサンドロス大王の若き日の教育係となった。
・アテネに学園「リュケイオン」を開設し、逍遥学派を形成した。
・哲学・政治・倫理・歴史・経済・心理・論理・美学・生物の諸学におよぶ「万学の祖」であり、古代の学問の集大成者であった。
・著作は、「政治学」「ニコマコス倫理学」「形而上学」「アテナイ人の国制」など。
〈ギリシア建築〉
★ドーリア式(ドーリス式)
・飾りのない柱頭とエンタシスを特徴とする先細りの円柱
・代表例はパルテノン神殿
★イオニア式
・丸い台座と渦巻き形の柱頭を持つ円柱
・ドーリア式より細身で優美
・代表例はアテネのエレクテイオン
★コリント式
・実際にあるのは、ドーリア式とイオニア式の2つのオーダー(柱式)のみで、コリント式はイオニア式の変形である。
・柱頭にアカンサスの葉がデザインされる