ビタミンおっちゃんの歴史さくらブログ

STU48 音楽、歴史 などいろいろ

◎ギリシャ神話 8

2013-03-10 19:12:48 | HKT48 AKB48
◎ギリシャ神話 8

パンドラ…人類最初の女性

プロメテウスは、ゼウスが人間から火を取り上げて人間が困っているときに、天上から火を盗み出して人間に与えた
 さらに、さまざまな技術や文明を人類に授けた

・ゼウスは人間に対しても、禍いを与えようとした

・ゼウスはヘパイストス(鍛冶の神)に命じて土を水でこねて、美しい娘の身体を造らせた
 人間の声を与え、女神のように美しい容姿とした

 それから、アプロディテは、悩ましい憧れ、物思いなどを与えた
 アテナは銀白の衣をまとわせ、機織りの技術を授けた
 ヘルメスは、恥知らずな心とずる賢い気質、嘘つきで不誠実な性質を吹き込んだ

○こうして、最初の女性はパンドラ(「すべての贈物を与えられた女」)と名づけられた

・人間は女を迎え入れ、女にだまされて、不幸の運命をたどるのだ

・パンドラはプロメテウスの弟エピメテウスのもとに贈られた

 プロメテウスは「さきに考える男」で、エピメテウスは「あとで考える男」
 エピメテウスはあらかじめ知恵が働かない

 先を見通すことのできるプロメテウスは、あらかじめ弟のエピメテウスに「ゼウスからの贈り物は決して受け取ってはならない」と忠告していたが、エピメテウスはパンドラを見ると彼女の美しさに心をうばわれて、プロメテウスの忠告はすっかり忘れてしまってパンドラを妻として迎え入れた

パンドラの壺

・エピメテウスの家に1つの壺(または甕(かめ))があった

 パンドラはこの壺の中には何が入っているのだろうかと好奇心にかられて、ある日ふたをとって中をのぞいてしまった

 この壺の中には「病気」「憎悪」「怨恨」「苦痛」などありとあらゆる災いが入っていたのである
 これらの災いは、一気に外に飛び出し世界中に飛び散った
 これ以降、人間はこうした災いに苦しめられるようになった

○しかし、壺の中にたった1つだけ残っていたものがあった

 それは「希望」であった

・どんな災難にあったとしても、希望だけは失われることはない

○また後代の別伝では、パンドラは人間を祝福するために、ゼウスから誠意をもって贈られてきた

 壺の中には逆に、あらゆる善なるものが入っていた

 こちらの方がギリシャ神話の本来の話形であったとする研究者もいるとのことである
 私もこちらの方をとりたい

 「希望」は「災い」ではなく、「希望」が「災い」の中に含まれているのはおかしい

パンドラの匣(箱)

・ギリシャ語の壺(ピトス)が15世紀末にラテン語の大瓶(dolium)に翻訳された

・それをエラスムスが「三千の格言」(1508)で匣(pyxis)に変えてしまった(「ギリシア神話」西村賀子著 中公新書)

・それで、いつの間にか「パンドラの壺」が「パンドラの箱」と言われるようになった
 しかし、「箱」というのは近代的なイメージがあり、そぐわないように思う

○現代では、「パンドラの箱」は比喩的に「禍いの元凶」とか、災いが生じないように封印しておくべきものという意味で使われる

★「待て、しかして希望せよ!」(「モンテ・クリスト伯(7)」 アレクサンドル・デュマ作 岩波文庫)

・小説「モンテ・クリスト伯」のラストの言葉

・原著のフランス語では Attendre et espérer とのこと
 「待つこと そして 希望すること

★「きわめて大きな不幸を経験したもののみ、きわめて大きな幸福を感じることができるのです」(「モンテ・クリスト伯(7)」)

・モンテ・クリスト伯爵の言葉


◎ギリシャ神話 7

2013-03-10 19:07:48 | HKT48 AKB48
◎ギリシャ神話 7

ギガントマキア

○ガイアは、我が子のティタン神族がタルタロスに閉じ込められたことに怒り、かつてウラノスが陰部を傷つけられた際、流れでた血が大地にしみこんでそこから生まれたギガス(巨人)たちをけしかけて、オリュンポスに侵攻させた
 こうして、ギガントマキア(オリュンポスの神々とギガス族の戦い)が始まった

・ゼウスは楯アイギスを手に、雷霆をたずさえて戦った
・ゼウスの娘アテナ(知恵と戦いの女神)はパラースを倒し、エンケラドスにエトナ火山を投げつけて下敷きにした

○巨人たちは神々のみによっては滅ぼされないが、人間が味方になれば退治されるという予言があった

・この予言を知っていたガイアは、敵から守る特別な薬草を生じさせた
・ゼウスは太陽、月、曙に命じて光を隠させ、薬草が生えている場所をわからないようにし、みずから薬草を摘み取ってしまった

・ゼウスは英雄ヘラクレスを招き寄せ、激闘のすえ、ヘラクレスが矢を射てとどめをさし、ギガスたちを打ち倒した

怪物テュポンとの戦い

・ゼウスがギガスたちとの戦いで勝利したことで、ガイアの怒りはおさまらず、タルタロスと交わって、怪物テュポンを生んだ

・テュポンは体の大きさも力もとびぬけていて、肩から百の蛇の形をした頭が生えていた
 腿までは人間で、腿から下は毒蛇がとぐろを巻いた形をしていた

・ゼウスは鎌でテュポンを傷つけ、テュポンはシリアのカシオス山へ逃げていった
 ゼウスはその後を追い、カシオス山で組み合った
 テュポンは下半身でゼウスを締め付け、ゼウスから鎌をうばうとゼウスの手と足の腱を切り取った
 テュポンはゼウスを両肩にかついでキリキアに運び、コキュリオンの洞窟に閉じ込めた
 ゼウスの腱も熊の皮にかくしてしまいこんだ

・ゼウスを救いにきたのは、ヘルメス(商業、盗み、賭博の神 富と幸運の神など)とパン(牧人と家畜の神)
 ヘルメスとパンはゼウスの腱を盗み出して、ゼウスにつけた
 力を取り戻したゼウスは翼の生えた馬にひかれた戦車にのって、雷をうちながらテュポンをニューサの山まで追った
 テュポンは運命の女神モイラを脅して、戦いに勝利できるという「勝利の果実」を手に入れたが、それは実は、すべての願いが決して叶うことはないという「無常の果実」だった

 最後にゼウスはエトナ山を投げつけてテュポンをその下敷きにした
 とどめを刺すまでには至らず、ゼウスはテュポンをエトナ山の下に封印することにした
 それ以来、エトナ山はテュポンが身を揺り動かすたびに噴火を起こしているとされる

★こうしてゼウスは永遠に神々の頂点に立つこととなった

○ゼウスはもはや、自分の敵ではなくなったティタンの神々たちをタルタロスの牢獄から解放した

○ギリシャ人の古い世界観では、大地(ガイア)は円盤状で、その周囲をオケアノスという大河が流れているとされた
 世界の西の果て、オケアノスの流れの近くに「至福者たちの島」と呼ばれる楽園のような場所があるという
 ゼウスは気に入った人間の英雄たちを、死後ここに住まわせ幸福な生活をさせた

ゼウスは、和解した父クロノスをこの島に住まわせ、英雄たちの王とさせたという