◎ギリシャ神話 25 オリュンポス12神 12
★オリュンポス12神
・ゼウス
・ヘラ
・ヘパイストス(ゼウスとヘラとの子)
・アレス(ゼウスとヘラとの子)
・ポセイドン
・デメテル
・ヘスティア
・アプロディテ
・アテナ(ゼウスとメティスとの子)
・アポロン(ゼウスとレトとの子)
・アルテミス(ゼウスとレトとの子)
・ヘルメス(ゼウスとマイアとの子)
・ディオニュソス(ゼウスと人間セメレとの子)
◎アルテミス(ローマ神話ではディアナ 英語名ダイアナ)
○アポロンの双子の妹
・誕生、多産および子供(人間や野生の動物の)の守護神
エイレイテュイア(出産の女神)と同一視されている
・狩りと森林の女神
アルテミスの象徴は雌熊であったが、かつてはアルテミス自身が雌熊とみなされていた あるいは雌ライオン思われていたのかも知れない(「ギリシャの神話―神々の時代」カール・ケレーニイ著 中公文庫より)
○若くて美しい処女神として描かれ、狩人でニンフたちをひきつれて、山野をかけめぐる
かたくなに処女と純潔を守る女神
○月の女神セレネと同一視される
光(月光)の神
○アルテミス・ヒュムニア(歌う女神)
・アルテミスは歌や踊りが楽しみで、狩りが終わったとき、アポロンの住居へ入り、優雅な衣裳をつけ、ムサたちの合唱隊に加わり、また指揮をした(「ギリシャ神話」フェリックス・ギラン著 青土社 より)
★カリストの物語(おもに「変身物語(上)」 岩波文庫より)
・カリストはニンフまたはアルカディア王リュカオンの娘
○彼女の名前はカリステ(「最も美しい」の意)という語が固有名詞になったもの
○アルテミス自身もこの名前を称した(アルテミス・カリステ)
○カリストの物語はもとはアルテミス自身の物語だったのかもしれない
(ゼウスは)ひとりのアルカディア乙女に目をつけたが、心に抱いた恋の火は、はげしく燃えて骨身を焦がした
この乙女は、ブローチで着物を、白いリボンで乱れた髪をとめるだけで、手に投げ槍を、あるいは弓をとって、アルテミス(ディアナ)女神につき従っていた
ある日のこと、乙女はとある森へとはいっていった
疲れて、肩から矢筒をはずし、弓の弦(つる)をゆるめると、草におおわれた地面に横たわって、矢筒に頭を乗せた
妻の目もとどかないだろうと、ゼウスは顔と服装を変えてアルテミス女神になりすまし、「娘さん、わたしのお供のひとりのようね。どの峰で狩りをしていたの?」といった
乙女は、「女神さま、ようこそ! あなたはゼウスさまよりも偉大でいらっしゃいます」などという
ゼウスは喜んで、彼女に口づけした
もっとも、それは控えめではなく、処女神(おとめ)が与えるような口づけでもなく、はげしいものだった
乙女は必死になって拒んだが、ゼウスには抵抗できなかった
以来、月は9度も満ちたある日、アルテミスはとある涼しい森にたどりついた
そこからは小川がさらさらと流れていて、彼女は「あたりには、誰も見ている者はいません。さあ、裸になって、流れる水に浸りましょう」
アルカディアの乙女は赤くなり、ひとりだけぐずぐずしていた
着物を剥ぎとると、裸身が彼女の罪を明るみに出した
うろたえている乙女に
「ここから出てお行き! 清浄な泉をけがしてはなりません!」と女神の声が飛んだ
ゼウスの后ヘラは、ずっと前からこのことを知っていた
今では、カリストにアルカスという男の子が生まれていた
ヘラは
「ただではすますものですか。ご本人とわたしの夫とを嬉しがらせていたその器量を、きっと取りあげてみせますから!」
こういうと、カリストの髪をひっつかんで、前のめりに地面へはわせた
その腕に、黒い毛がもじゃもじゃと生え始め、手は曲がって先端が爪となり、口は見るも無残に大きく裂けた
人間の言葉は発することはできず、恐ろしいうなり声が出るだけとなった
しかし彼女が完全に雌熊に変わってしまったあとも、もとの心だけは残っていた
年月は流れて、息子のアルカスは、母親のことは何も知らないまま、15歳になろうとしていた
ある日のこと、狩りの最中にたまたま母親に出くわした
彼女も若者を見て、立派に成長したわが子であることに気がついた
アルカスはいつまでもじっと自分を見つめている目が怖かった
熊がそばへ近よっていこうとすると、彼は熊の胸を鋭い槍で突き刺そうと身構えた
その時、ゼウスがこれを見てこれを制止した
突風によって二人を空中にさらい、天上に住まわせて、隣りどうしの星に変えたのである
母は大熊座に、息子は小熊座になった
ヘラは二人が天空に祭りあげられていることに怒り、オケアノスのもとを訪れ、二人が海へ下りてくるのを禁じてくれるよう頼んだ
そのため、大熊座と小熊座は、けして海の下に沈むことはなく永久に北極星のまわりを回り続けている
★大熊座のなかに北斗七星がある
★小熊座の先端のα星が現在の北極星(ポラリス(ラテン名ステラ・ポラリスの略))である
北極星は3重連星(主星ポラリスA、伴星ポラリスB、伴星ポラリスP(Ab))で、地球から約431光年の距離にある
今のところポラリスAは正しい天の北極から0.9度ほどしか離れていない
○北極星はまた「アルカディアの星」とも呼ばれる
★オリュンポス12神
・ゼウス
・ヘラ
・ヘパイストス(ゼウスとヘラとの子)
・アレス(ゼウスとヘラとの子)
・ポセイドン
・デメテル
・ヘスティア
・アプロディテ
・アテナ(ゼウスとメティスとの子)
・アポロン(ゼウスとレトとの子)
・アルテミス(ゼウスとレトとの子)
・ヘルメス(ゼウスとマイアとの子)
・ディオニュソス(ゼウスと人間セメレとの子)
◎アルテミス(ローマ神話ではディアナ 英語名ダイアナ)
○アポロンの双子の妹
・誕生、多産および子供(人間や野生の動物の)の守護神
エイレイテュイア(出産の女神)と同一視されている
・狩りと森林の女神
アルテミスの象徴は雌熊であったが、かつてはアルテミス自身が雌熊とみなされていた あるいは雌ライオン思われていたのかも知れない(「ギリシャの神話―神々の時代」カール・ケレーニイ著 中公文庫より)
○若くて美しい処女神として描かれ、狩人でニンフたちをひきつれて、山野をかけめぐる
かたくなに処女と純潔を守る女神
○月の女神セレネと同一視される
光(月光)の神
○アルテミス・ヒュムニア(歌う女神)
・アルテミスは歌や踊りが楽しみで、狩りが終わったとき、アポロンの住居へ入り、優雅な衣裳をつけ、ムサたちの合唱隊に加わり、また指揮をした(「ギリシャ神話」フェリックス・ギラン著 青土社 より)
★カリストの物語(おもに「変身物語(上)」 岩波文庫より)
・カリストはニンフまたはアルカディア王リュカオンの娘
○彼女の名前はカリステ(「最も美しい」の意)という語が固有名詞になったもの
○アルテミス自身もこの名前を称した(アルテミス・カリステ)
○カリストの物語はもとはアルテミス自身の物語だったのかもしれない
(ゼウスは)ひとりのアルカディア乙女に目をつけたが、心に抱いた恋の火は、はげしく燃えて骨身を焦がした
この乙女は、ブローチで着物を、白いリボンで乱れた髪をとめるだけで、手に投げ槍を、あるいは弓をとって、アルテミス(ディアナ)女神につき従っていた
ある日のこと、乙女はとある森へとはいっていった
疲れて、肩から矢筒をはずし、弓の弦(つる)をゆるめると、草におおわれた地面に横たわって、矢筒に頭を乗せた
妻の目もとどかないだろうと、ゼウスは顔と服装を変えてアルテミス女神になりすまし、「娘さん、わたしのお供のひとりのようね。どの峰で狩りをしていたの?」といった
乙女は、「女神さま、ようこそ! あなたはゼウスさまよりも偉大でいらっしゃいます」などという
ゼウスは喜んで、彼女に口づけした
もっとも、それは控えめではなく、処女神(おとめ)が与えるような口づけでもなく、はげしいものだった
乙女は必死になって拒んだが、ゼウスには抵抗できなかった
以来、月は9度も満ちたある日、アルテミスはとある涼しい森にたどりついた
そこからは小川がさらさらと流れていて、彼女は「あたりには、誰も見ている者はいません。さあ、裸になって、流れる水に浸りましょう」
アルカディアの乙女は赤くなり、ひとりだけぐずぐずしていた
着物を剥ぎとると、裸身が彼女の罪を明るみに出した
うろたえている乙女に
「ここから出てお行き! 清浄な泉をけがしてはなりません!」と女神の声が飛んだ
ゼウスの后ヘラは、ずっと前からこのことを知っていた
今では、カリストにアルカスという男の子が生まれていた
ヘラは
「ただではすますものですか。ご本人とわたしの夫とを嬉しがらせていたその器量を、きっと取りあげてみせますから!」
こういうと、カリストの髪をひっつかんで、前のめりに地面へはわせた
その腕に、黒い毛がもじゃもじゃと生え始め、手は曲がって先端が爪となり、口は見るも無残に大きく裂けた
人間の言葉は発することはできず、恐ろしいうなり声が出るだけとなった
しかし彼女が完全に雌熊に変わってしまったあとも、もとの心だけは残っていた
年月は流れて、息子のアルカスは、母親のことは何も知らないまま、15歳になろうとしていた
ある日のこと、狩りの最中にたまたま母親に出くわした
彼女も若者を見て、立派に成長したわが子であることに気がついた
アルカスはいつまでもじっと自分を見つめている目が怖かった
熊がそばへ近よっていこうとすると、彼は熊の胸を鋭い槍で突き刺そうと身構えた
その時、ゼウスがこれを見てこれを制止した
突風によって二人を空中にさらい、天上に住まわせて、隣りどうしの星に変えたのである
母は大熊座に、息子は小熊座になった
ヘラは二人が天空に祭りあげられていることに怒り、オケアノスのもとを訪れ、二人が海へ下りてくるのを禁じてくれるよう頼んだ
そのため、大熊座と小熊座は、けして海の下に沈むことはなく永久に北極星のまわりを回り続けている
★大熊座のなかに北斗七星がある
★小熊座の先端のα星が現在の北極星(ポラリス(ラテン名ステラ・ポラリスの略))である
北極星は3重連星(主星ポラリスA、伴星ポラリスB、伴星ポラリスP(Ab))で、地球から約431光年の距離にある
今のところポラリスAは正しい天の北極から0.9度ほどしか離れていない
○北極星はまた「アルカディアの星」とも呼ばれる