誰がために網棚はある

昨年の夏ごろから、通勤時のかばんはビジネスバックからビジネスリュックへ変えました。在宅勤務のためA4サイズのノートパソコンや電源アダプターをビジネスバックへつめると、本やノートなどが入らなくなってしまうからです。

リュックは大きめなので、ノートパソコンなどを入れても余裕があります。ただ、電車に座って膝の上に乗せてるとあごの高さになり、本が読みずらくなりました。

立っているときは網棚に上げます。リュックを前にかかえている方が多くいるのは、上げるのが面倒なのでしょうか。それとも、とても貴重なものが入っているのでしょうか。私は楽な姿勢で本を読みたいので、かかえることはありません。

ところが昨夜のことです。発車間際に電車に乗ったら、座席の前に立つことができるスペースが一人分だけありました。そこへ移動してリュックを網棚に上げようとしたら、かばんと何かが入っている紙袋が置いてあります。視線を下にずらすと、股をやや大きく広げ、腕を組み、目をつぶっている中年の男性が座っていました。

座っている人が網棚に荷物を置いてはいけない、と決めた法律はないでしょう。鉄道会社が決めた規則にもないと思います。しかし、どのような状況にある人が使うかを考えたら答えは決まってくる、と考える私は堅物なのでしょうか。

「駅員さん、不審物が網棚の上に置いてあります」と訴えることができたらどんなにスッキリするか！　そんな勇気はまったくないので、想像することでストレスを発散しました。