みなさん、こんばんは。hkです。
先々週と先週の月曜日は休日と休暇のお話をしました。今日は労働時間について書かせていただきます。
労基法では休憩時間をのぞき、1週間の労働時間を40時間以内、1日は8時間以内にするよう求めています。法律で決まった時間なので、法定労働時間といいます。
一方、会社は法定労働時間以内であれば、働くべき時間を自由に設定できます。例えば、Aという会社は始業が9時、終業が17時、1時間の休憩をのぞいて1日7時間、といった具合です。この、会社が決めた労働時間を所定労働時間といいます。
一定の手続きをとれば、会社は法定労働時間を上回って働かすことができます。労使協定で上回る労働時間を定め(上限があります)、監督署にその旨を届け出て、就業規則などに働かすことができる旨を定めればよいのです。
法定労働時間を上回る労働、いわゆる時間外労働ですね。これをさせたときには2割5分の割増賃金を支払う必要がります。さらに大企業では、法定労働時間を60時間を超えて働かせる場合、60時間超の労働に対しては割増が5割となっています。
では、A社で19時まで働かせた場合はどうなるのか。17時から19時までの賃金を支払わなければなりませんが、18時までは8時間以内の労働時間ですので割増賃金は不要です。通常の1時間分の賃金を支払えば違反にはなりません。この8時間以内の残業を法内残業と、また、17時以降の残業を所定時間外労働といったりします。もちろん、17時以降をすべて割り増しても構いません。
ところで、10月25日のブログでは振替休日の話をさせていただきました。休日と労働日を入れ替えるものですね。
例えば、A社では1週40時間の起点となる曜日と法定休日が日曜だったとします。今月の11月14日にシステム変更があるから出社させる代わりに、翌週の月曜日である22日に振休を取得させる予定です。また、14日から金曜日の19日まではすべて7時間、つまり1日単位でみれば所定時間外労働はなしだったとします。
しかし、1週間をとおすとどうなるでしょう。7時間×6日=42時間となり、週の上限である40時間を2時間超えてしまいます。このときは、2時間分について割増賃金を支払う必要が生じるのです。これはよく忘れていることですので、ご注意ください。
基本的に、労働法では時間外労働といったら1週40時間、1日8時間を超す労働のことです。会社で時間外労働というときに、労働法上のことをいっているのか、それとも所定労働時間外のことをいっているのか、注意が必要です。