北海道言友会 公式ブログ

吃音者(どもる人)でつくるセルフ・ヘルプ・グループ 北海道言友会

マンデーナイト吃音カフェ 2月2日の報告 理解と信じることの差

2015-02-06 16:22:59 | 活動報告
 今回もSさんと二人で色々とお話をする時間になりました。そして色々と考えさせられました。
誕生日プレゼントが食べられない・・・
 なんとSさんから私(とど)の誕生日プレゼントにカステラを頂きました。ところが良く見るとそのカステラは北海道内の、ある酒造会社が出しているもの。申し訳ないのですが、食べることができませんでした。お心だけ頂きました。私、漬物でもプンとお酒の香りがするとだめ。ケーキでも洋酒の香りが残っているものはだめ。下手をすると梅のぜリーにも梅酒の成分が入ったものでも酔います。知らずに一口食べてしまい、具合が悪くなったことがあります。良くお酒強いでしょうと言われてしまいますが、全くの下戸(げこ)です。

線維筋痛症という病気
 Sさんは繊維筋痛症という病気と闘っていらっしゃいます。とっても人から理解されにくい病気だとおっしゃいます。ブックレット「原因不明の痛みが続いていませんか? 線維筋痛症」(監修:東京医科大学八王子医療センター リウマチ性疾患治療センター教授 岡寛先生)というブックレットでは検査を行ってもなかなか発見されない病気として紹介されています。症状は「痛み」、「疲労感・倦怠感」、「こわばり感」。そこからくる「睡眠障害」、そして「うつ状態」があるとされています。関節の変形や皮膚組織の著しい変色があるとまだわかってもらいやすいのかもしれませんが、そういうことはないようです。若いころからこの病気で苦しんでいらしたSさんの話を伺っていて、大変な病気だと思いました。

吃音も理解されにくい
 同時に、吃音にも似たような面があるなと思いました。他の人と外見上は全く変わらない。話し始めるまでは問題はないように思われる。しかし、一旦話し出すと声が出てこないで口元は歪み、体がバタバタする。あるいは妙な間があったり、同じ音やことばを繰り返して話が前に進まない。自分の名前さえもまともに言えないことがある。そういう時に、途端に私達は不審者扱いされかねません。何年も前ですが、ある若者が「理解してくれなくてもいいから、信じてほしかった」と言ったことがあります。自分が学業や仕事上の壁にぶつかった時に、その理由が単なる「やる気のなさ」や「逃げ」としてしか捉えられなかった。本当に吃音のために仕事を辞めたんだと信じてほしかったと言っていました。仕事を辞めたことが良かったとかどうということではなく、それほどその時は吃音で悩んでいたんだということを信じて欲しかった。

理解することと信じることとの差
 目に見えること、自分が納得できる範囲のことは「理解する」ということになるのだと思います。でも、自分が目に見ることが出来ない、勿論手で触れることもできない、目の前にいるその人の話す事(吃音があると随分時間がかかるかも知れませんが)を信じることは全く別次元のことなのでしょうか。私達は吃音とそれにまつわる様々な苦労を理解して欲しいと訴えています。本当はその前に、人間同士の信じあえる関係の方が先だなと思う場面もあります。

 次回のマンデーナイト吃音カフェは、2月9日(月)の午後7時~9時です。
 私はこれから利尻島に向かいます。4人の仲間と一緒に吃音の話をしてきます。
 帰るのが9日ですので、もしかしたら遅れることもあるかも知れません。でも北海道言友会の方がお一人早く行っていて下さいます。安心してお集まりください。お土産話を持って帰ります。 (とど)
コメント
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