北海道言友会 公式ブログ

吃音者(どもる人)でつくるセルフ・ヘルプ・グループ 北海道言友会

2月23日 「あなたはなにをするためにここにきたの?」って失礼な質問でしょうか。

2015-02-28 17:39:52 | 活動報告
 2月23日のマンデーナイト吃音カフェは、お二人のお客様がいらっしゃいました。お一人はご常連のSさん。刺激のない飲み物をご用意しています。そして前回楽しんでいただいたワン・ピースto シックス・ピースィーズをすることに。初めて1回目が終わった頃にいらしたのは高校生のNさん。一緒にゲームに加わってもらいました。人が増えるとゲームは難しくなります。少ない文字チップを奪い合うのですから。できるだけ「2文字+2文字+2文字」をしないで3文字以上の組み合わせを作りましょうと誘いました。このゲーム、ぜひ体験して頂きたいので、カフェにおいでください。小樽にはゲームを置いてある喫茶店があるそうですが、ここでも少しおいてみたい気がしますね。でも話すことが必要なゲームを置くように考えてみますね。
 Nさんのお話しはとっても興味深い、そして考えさせられるお話しでした。小学生のころにことばの教室に通った経験があるそうです。「ここはあなたがストレスを解消してリラックスできる場なのよ」というような説明を親御さんから受けていたそうです。ですから吃音についてまともに話したことはあまりなかったそうです。また、Nさんはスポーツをしているそうです。スポーツをしている吃音のある人が困ることの第1は「瞬時のコミュニケーションをとることが出来ない」ということ。話し方がおかしいということでチームの人が病院を紹介。そこで吃音症があるということを診断されたそうです。しかし、トレーニングはなかったそうです。
 成人吃音臨床では吃音を治すこと即ち消失ではなく「新しい発話スタイル(技術)を身につける」ことが目標になります。これって小学校の高学年になった子ども達にも同じことが言えるのではないでしょうか。そして残念なのは身近な家族と吃音の悩みを話し合うことをはばんできたのが古い助言だったということです。「吃音は治らないのだから、吃音のことには触れない。吃っていてもその話をうんうんと聞いてあげてください。やがて吃音に負けないで生きて行けるように励ましましょう」というだけではあまりにも残念な気がします。それだけで十分な人もいると思います。しかし、多くの吃音のある人達は「言えない悩み」「人とは分かち合えない痛みを」を抱えたまま成長しなければならないのです。
私は違うのではないかと思っています。
 子どもに「あなたはなにをするためにここにきたの?」って聴くのは失礼なことでしょうか?聴くと、それまで以上にこちらの存在が問われるように思います。でも、聴いてから始まるのではないかなあと思うのですが、いかがでしょうか?

 次回のマンデーナイト吃音カフェは、3月2日(月)の午後7時~9時です。会場は札幌エルプラザ2階の市民活動サポートセンターにある打合せコーナー。椅子とテーブルがあるだけのところです。吃音にまつわる色々なことをお話しませんか?(とど)
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アットホーム・イン・帯広

2015-02-28 17:29:13 | 活動報告
 天候の心配をしながら札幌を発って帯広に向かいました。何時間か遅かったら事故に巻き込まれていたかもしれないと後から知りました。帯広はいつもアットホームな雰囲気の集まりです。お子さん方が走り回っていたり、おやつを食べたりしているからだけではないと思います。皆さんの一緒に話そう、一緒に学ぼうという気持ちがそうさせているのだと思います。
 午後1時からの吃音相談は、R君。いつも元気な小学生。「困っていること」ではなく、<話す時にどんなふうになるの?>、<話しにくいのはどんな時?>と聞くといろんなことをR君なりに話してくれます。私達は「吃音がある=困っているはずだ」という構図で吃音のある子ども達のことを捉えがちですが、子ども達はそうは答えない場合もあります。それが「困った」以前に当たり前になっていて、「悩み」や「困りごと」として認識していない場合があるようです。でも「話しにくい」、「言葉が出てこないことがある」、「あっあっあっ・・・ってなる」ということは認識しています。聴き方を子どもの視線に合わせる必要があるのですね。
 午後2時からの交流会は新しい方はいらっしゃいませんが、勉強会も含めて中身の濃い時間でした。あ、お菓子もおいしかったですよ。その時に話題になったことは辛い話でした。「お子さんが吃音になったのは、お母さんの育て方が厳しかったからですよ。」とかつて言われたことがあるという話でした。まだまだこういう誤解から来る助言があるのですね。吃音になるのは決して子育ての厳しさのせいではありません。もともと、発話に関わる言語機能の弱さとともに生まれてきたお子さんなんですと理解して頂きたいのです。誰のせいでもありません。そのご家族に神様が「あなた方夫婦を信頼して、この子を預けよう」ということだったのです。
 誰かの責任にすることは一つも吃音のある人とそのご家族のためにはなりません。全く必要のない責任のなすり合いを起こさせるだけです。メリットがあるとしたら助言する側が、全くの外側から批判できるということです。自分は子どもの吃音が少しでも楽になるためには何もせずに、子育ての責任を負っている家族を責めているという構図になるのです。専門家と呼ばれる方々はこういうことに気づいて助言していらっしゃるのでしょうか。そのうえ、保護者には「子どもの吃音については触れないで」という助言もします。そのため、専門家によって作り上げられた溝はいつまでも埋められることがないままに時間だけが経過するのです。いえ、実は溝は時と共に深まるばかりなのです。一度専門家の方々と話したいなあと思わされました。
 午後3時半からの勉強会ではテキスト(吃音の基礎と臨床)第2章生物学的背景のp-37~ p-45「脳の構造と機能」を読みました。次回は「反応行動」というところに入ります。その他、利尻島での研修会でも話させていただいた、「吃音のあるお子さんを孤独から救い出しましょう。~身近な人だからこそ、良き支援者に~」というテーマのお話も予定しています。保護者の皆さん、専門家の方々にも共有して頂きたい話題です。
 次回は4月4日(日)を予定しています。詳しいお時間については再度お知らせいたします。
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2月16日のカフェは「ワン・ピースto シックス・ピースィーズ」でトレーニング

2015-02-28 17:26:19 | 活動報告
 今日のお客様はSさんお一人でした。Sさんは吃音と線維筋痛症のある方。お友達と吃音の悩みをシェアしようとしたころ「そんなに悩むことはない」というようなことを言われて、自分の悩みをうまく受け止めてもらえなかったというようなお話をされていました。その悩みは吃音のある人達のなかでも比較的話せる人達に共通の悩みかなと思いました。自分としては本当はもっとうまく話したいなあと思っていてもそうできない。仕事上話さなければならにことはたくさんある。話したいことを、ジャストのことばで言えないから言い換えている。見かけ上はスムーズに聞こえるかもしれないけど心の中は波立っている。そういうのって外からはわからないことが多いですね。
 さて、今回は「吃音のある人は話を組み立てるのが苦手かどうか」という話もしました。そこである会社で出している文字チップを使ってトレーニングをしてみました。私は「ワン・ピースtoシックス・ピースィズ」略称「ワンピース」と呼んでいます。
 このゲームのルール
 「面白い!」というのがSさんの感想。このゲーム、自分の脳内辞書をペラペラめくって、46文字の中から拾った6文字を使って1・2・3・4・5・6文字の単語や文を作るゲームです。この6文字を使い切ることが大事。丁度いいのが集まらなければ1文字拾って1文字捨てる。苦労してが偶然かで出来た単語や文。これをどういう意味か説明する。そしてお互いに質問をしたり、褒めたりしています。「それどういう意味ですか?」「ちょっと分かりにくいなあ」「ああ、いい説明ですね。」という具合に。このゲームの狙いは脳の中にためてあることばを駆使して話すためのトレーニングです。そしてもう一つの狙いは吃音のある人の弱いところに負けないように。
 吃音のある人が弱いところ、それは「聞き返し」、「反対」、「否定」、「無理解」等々。このゲームで疑似体験できます。それに対して怒ってもいいのですが、冷静に反論したり、相手の言うことを受け容れたり、自分の言いたいことを丁寧に説明したりという疑似体験もできます。文字チップはひらがな積木でも、自作のものでもOK。楽しむことを優先した方がいいですね。
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