11/28(土)、北海道大学高等教育推進機構科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)において、「吃音 伝えられないもどかしさ」(新潮社)の著者の近藤雄生さんと北海道言友会の会員が、吃音と吃音をめぐる問題についてお話する講義を行います。
CoSTEPは、科学技術コミュニケーションを学ぶ北海道大学の大学院生や一般の社会人を対象に、科学技術コミュニケーションについての理論や実践について学ぶ講座です。1年間を通して様々な講義や演習の授業が行われますが、今回の講義は、「モジュール5/多様な立場の理解」の中の1コマとして、「科学技術コミュニケーターが多様な立場の個人や組織と連携する際に理解しておくべき、科学技術コミュニケーションに関わる主要なステークホルダーの立場について学ぶ」ことを目的とした授業として、吃音と吃音をめぐる問題について、受講生にお話します。
授業の概要は以下のとおりです。
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モジュール5/多様な立場の理解
「吃音:伝えられないもどかしさ」 (近藤雄生(ノンフィクションライター)/藤井哲之進(北海道言友会))
話そうとしても思うように言葉がでてこない吃音。当事者は日常に大きな困難を抱えていますが、周囲には見過ごされがちで、困難を理解してもらうことは容易ではありません。なぜなら吃音は、それが生じる状況も人によってかなり異なり、またそもそも当事者自身が話す機会を回避することも多いからです。そのような点から、吃音は、単に言葉のやりとりがスムーズにいかないという身体的な問題にとどまらず、他者とのコミュニケーションの性質そのものを変え得ます。このように、吃音の問題は、その症状や特性を科学や医学のことばで語るだけでは不十分であり、吃音のある人が抱えるより複雑で個別の状況を通してみないとその実態はわかりません。この講義では、吃音当事者の自助グループ言友会の活動や、サイエンスライターとして当事者にインタビューした経験などから、この問題について皆さんと共有したいと思います。
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