北海道言友会 公式ブログ

吃音者(どもる人)でつくるセルフ・ヘルプ・グループ 北海道言友会

「ことばの教室経験者は語る」マンデーナイト吃音カフェ

2021-02-18 16:25:11 | 活動報告

 偶然が重なる事を単なる偶然とは言わないそうです。人間はバラバラに見える事柄でも何らかの共通事項を見いだそうとするそうです。それは、良い事かも知れません。些細な違いに目くじらを立てないで、共通している事を基にして話し合う。 今回も、南が編集をした話の流れです。さらなる詳細は、どうぞカフェにいらしてください。

・僕はことばの教室に行きました。どこだったかは覚えていません。
・通っていた小学校はどこでしたか?
・〇〇小学校です。
・そこでしたら、□□小学校ですね。どんなことをしていましたか?
・遊んいました。楽しかった事だけ覚えています。
・私は、吃音を治したいから、どこ連れて行ってくれって、自分から言いました。こんなに苦しいんだから。
・そこには通いましたか?吃音について先生と何か話しましたか?
・いや。なにも教えてくれなかったし、親も特になにも言わない。自分からやめました。
・私は親とは相談しましたね。で、自分で何とかするしかないのかという結論に達しましたね。
・私は親には相談しませんでした。今でも話さない。自分の子どもには吃音はありませんが、私の吃音の事は話はしません。私自身が、話してはいけないものだと思っているのかも知れません。
・私はことばの教室には行きませんでした。親とも話していません。吃音について話したのは、言友会に来てからです。
・そこは私も同じです。吃音のことについてまともに話せるようになったのは、言友会で自分以外の吃音のある人達と出会ってからです。

・ところで、あなたはことばの教室では何をしていましたか?
・遊んでいました。
・皆さんそうですか?
・そう。何かを教えてくれた訳でもないし、親子で吃音の事を話し合うように薦められた訳でもないですね。どうしてでしょうね。

・これは歴史的な話になります。日本からアメリカに吃音の勉強に行った人が持ち帰った理論では、「子どもと吃音のことについて話すと吃音がひどくなる。だから、直接吃音のことについては触れない方が良い。あなたには吃音があると言ってしまうと、本当の吃音者になってしまう」と、考えられていたのです。『診断起因説』と言います。ものすごく簡単に言ってしまいましたので、省略があると思って聞いてください。
・すると、吃音の事は教えない?
・そうです。吃音については一切触れないで、吃音を治すんです。と、言うとマジックですよね。そうではなくて、吃音はなおらないから、治さない。吃音よりも良く生きる方に力を注がせる。あなたにはとても素晴らしい力がある。でも、私たちは吃音の事をちゃんと教えて欲しかったし、誰かと話したかった。
・自分の親も、私が吃音について話しかけない限り、気づきませんでした。そして「まだ吃音で悩んでいるの?そんなこととっくに卒業していると思っていた。」と驚かれました。

*奇しくも今夜集まった人達は、ことばの教室に通ったけど、吃音は治らなかった人達が主でした。そして、親と吃音について話す機会を持った人はお一人だけ。あとは、親や他人と吃音について話すなんて想像もしなかった。話してはいけないとさえ思っていた人も今した。
*南は積極的に吃音については、相談に来られた方が何歳でも吃音について話します。その方が求めて来られる事に応じようと努力します。
*それでも、できれば親子で吃音についてタブーなしで話せたらどれだけ当事者の励ましになるでしょうかと、思ってしまいます。話し合えたら一緒に解決方法を探せると思います。言友会のような当事者を中心にして作っている集まりにも参加しやすかったかも知れません。

*最近言友会にいらっしゃる若者の中には、一切の支援を受けずに20代、30代になった方々が続けていらっしゃってます。どこかに相談に行った経験もなければ、親兄弟とも話したことが無いと言うのです。こんな孤独ってあるでしょうか?どなたがそのような指導助言をしたのでしょうか?SNSやHP,ブログなどを通じて言友会に繋がるまで時間がかかっているのは、「誰かと吃音について話してもいいんだ」と、思えなかったからだと思います。
*これをお読みになった皆さん。吃音に関する正しい知識を広めましょう。
*ことばの教室の先生方にお願いします。タブーの無い吃音の話を、相手の年齢に応じてしてあげてください。言友会は取り組んでくださる先生方、保護者の方々も応援したします。体験談を話したり、学習会の講師派遣も致します。

◎吃音当事者の皆さん。ユニークな提案があります。
 今週のマンデーナイト吃音カフェに集まった者同士で、勝手に提案しています。「○亀製麺」の注文の取り方に、メニューを見ながら指差すか、「これ!」で済むような方法を取り入れてくださいと要求してみませんか?
 やり方ですが、誰か吃らない人と一緒にいくか、お一人でも構わないのですが、食べた後に一言アンケートに要求を書いて来ましょう。

例「私には吃音があるため、御社の注文方法ではとても苦労しています。本当は食べたいメニューではないものを注文することもあります。メニューを見て『これ』とか、単に指差すだけで注文が完了するようにしてもらえるとありがたいです。」
ご賛同いただける方、やってみませんか?私は今夜試してみようかな。みなさん、よろしくお願いいたします。試してみましょう。


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