高校生の時にあった出来事、母の無理解と私の母への不信感、この未解決な問題は未だに関係性に横たわっている。
近所に買い物に出かけた母が血相を変えて帰宅した、私へ鋭く「胸に手を当ててよく考えなさい」「わかってるでしょう」と詰め寄った。夕飯の支度前のひと時、のんびりチラシを眺めつつボンヤリしていた私は何のことかよくわからなかった。怒り心頭で喚く詰問調の母から聞き出せたことは、私は不純異性交遊で男と逢引きしているらしい。近所の人が母に注意したようなのだが、母の中では私の言葉を聞くまでもなく、それはもう真実で、私は噓つきと決定していた。
私は正義は正しいと教わった、正直さが身を助けると教わった、そうでなくてはならぬと教わっていたのだ、今思うとそれは戦争時に後妻で嫁ぎ苦労した祖母の信条だったのだろうと想像できるが。「そんなことあるはずもない」「それは私ではない」と正直に対応して済む話だと最初は安易に考えていた。しかしそうではないと直ぐに思い知った、正直に言っても母は引き下がらないのだ、「嘘を付くなんて」「本当の事を話せ」と。正直に答えても信じてもらえない場合、子供である弱者はどう対処するべきなのか、母の思い込みを信じることができたなら、しかし今回の事例は私に害がある内容なのだ、この嘘は飲み干せない、どうあっても。
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