あともう少しだけ

日々の出来事綴ります。やらずに後悔よりやって後悔。

サイエンスノンフィクション

2015-05-11 20:57:07 | コラム

本の好きなジャンルのひとつにサイエンスノンフィクションがあります。具体的には「フェルマーの最終定理」とか「ケプラー予想」とか「素数の音楽」とかそんなの。先に言っておきます。理論に関するほとんどは理解できませんでした。えへ。曲がりなりにも理系なのに。微分とか線形とかの知識は遥か地の果てに置いてきた。もう取りに行くことは無いだろう。

んじゃ何を理解できたのかって話です。このジャンルの醍醐味は天才たちが織り成す人間ドラマにあります。これらの本に出てくる人物はいずれも数学史に名を残すような大天才ばかりなんです。しかし・・・なんというか、言葉を選びたいとこなんですが、ストレートに言えば、こいつ性格悪いんじゃねぇの?みたいのがちらほらいるんですよ。考えてもみてください。天才も人間です。聖人君子ではありません。権威や名声も欲します。で、それらを手に入れる為に行う権謀術数が卑劣。めっちゃ頭のいい人たちが知恵をふり絞って他人を蹴落としにかかるんですよね。

たとえば三次関数の解法を見つけたイタリアのタルタリア。彼はそれを公表せずに、解法から得られるであろう新たな発見を独り占めしようとします。彼から何とか解法を聞きだそうとしたのが同じくイタリアのカルダノ。日々の生活に困窮しているタルタリアに、国王と面会させて世話を取り計らってやると約束し、そのお返しとして解法を教えてもらいます。結論から言うと、タルタリアは王と会う事ができず、カルダノは弟子のフェッラーリとともに三次方程式どころか四次方程式の解法まで発見し、タルタリアに先立って発表。名声はカルダノ達のものとなり、後世には「カルダノの公式」として定着。タルタリアの名前、無し。完。

これだけ書くとなんかカルダノが凄い悪いやつに見えますが、ここに紹介してないだけでちゃんと筋は通してますし、学者としての功績もあります。詳細は「ポアンカレ予想」にて。

このジャンルは頭のいい人が全力で自分の欲望に忠実になるとどうなるかの見本市でもあります。「数学なんて知らんがな」って人でも楽しめるので、食わず嫌いせずにぜひどうぞ。


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