藤井聡太四段の躍進で将棋界が盛り上がっている。五郎丸しかり錦織しかりメディアが急に持ち上げた試合では調子を落とす風潮があるようで、フジテレビが都選挙と同時進行した本日の試合で、連勝は29で止まった。でも偉大な記録には違いない。今後将棋ブームがさらに広がってくれればうれしいけれど、「3月のライオン」が映画化する前にこの流れが来てほしかったなーとも思わなくはなかったり。我が岩手県の県庁所在地盛岡がロケ地になっていたことだし。
対局の内容については将棋の素人の私には何も言えないけど、番組内で面白かったのは将棋AIによる局面評価を用いた解説だ。ごく最近将棋AIが名人を打ち負かすようになって、AIの発展は人が指す将棋の未来を潰すかもしれないなんて一部言われていたけど、フタを開けてみれば素人にも局面の状況をわかりやすくする為のいいツールとなっていた。考えてみれば野球やサッカーと違って試合の優劣が点数で表れない将棋は、駒の動きもわからない人が楽しむにはハードルが高すぎる。AIによってわかりやすくなれば、プロと観客の溝が埋まるかもしれない。結果将棋の間口を広げることに貢献しそうだ。塞翁が馬とはこの事だ。これはとても示唆に富む状況なのだと思う。一見その業界を危ぶませるようなものが、結局業界の停滞を打ち破ることにつながる。これは将棋やAIだけに限った話ではない。期せずして起こったであろうひとつのイノベーションだ。新しい価値観に対して知らずと壁を作っていないか、自省したくなる出来事でした。
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