「地雷踏んじゃった」
「またですか」
「一平ちゃんチョコレート味。これが、いやぁ、まずい」
「おいしい訳ないですよね。わざと地雷踏みに行きましたよね」
「ここまで積極的に残したくなったカップ麺はちょっと記憶にないな」
「いつぞやのガリガリくんシチュー味とかもそうでしたけど、企画した人は一体何を考えてそういう食べ物を世に送り出してるんでしょうか」
「ガリガリくんはまだいいんだよ。あれが出る前に色んな味を出して成功していたから。勢いに乗って自爆したって事で納得できる。一平ちゃんは・・・何故これを出したのか理解不能だ。そば味だのニンニク味だの変化球出してきた実績のあるぺヤングならまだしも」
「だいたいチョコ味の一平ちゃんってなんですか。あ、もしかしてベビースターにチョコをコーティングした感じですか?それならちょっとおいしそうかも」
「普通のカップ焼きそばに普通にお湯を入れて普通にお湯を切った麺にチョコソースをかき混ぜました。以上」
「まずいってわかりますよねそれ」
「明星ずるいわ・・・。絶対酷い味だってのわかってるのにそんなの買うしかないじゃん」
「いいですか?ふつうの人は、『絶対酷い味』だとわかっている物は買いません」
「俺が普通の人じゃないと」
「わかりやすく言います。そういうのは、馬鹿が買うんです」
「ば、か?」
「はい」
「オレ、バカ?」
「なんで片言なんですか」
「ずい分ひどいこと言うじゃないか。さすがに傷つくぞ。せめて好奇心旺盛と言ってくれ」
「しかし買う方も買う方ですが売る方も売る方ですね」
「明らかに一部の人向けに売ってる感じ」
「バレンタインの便乗商法にしてもやっつけすぎますね」
「チョコ関連にすればいいってもんじゃねぇぞ」
「まぁ、実際こうやって物好きな人が買うんだから、これもひとつの商法としては成り立ってる訳ですかね」
「いや、成り立ってないと思うよ」
「なぜ?」
「スーパーの棚で隣に売っていた普通の一平ちゃんが140円なのに、これ107円だよ?ようは売れてない。バレンタイン待たずして在庫処理なんだね、あははざまぁみろ」
「」
「」
「でもあなたは買ったんですよね。在庫処理に一役も買ったと」
「気になっちゃったんだ・・・」
「・・・いいお客さんだと思います」
「さっき『地雷を踏んだ』って表現したけどさ、『まずい』と検討がつくものを実際に食べて『まずい』と確認する作業って、地雷原を歩くと言うより不毛地帯を歩く心持ちに近いんだな。ひとつ賢くなった」
「不毛地帯に近づかない賢さを手に入れましょうよ」
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