一睡してもなお余韻は残ったままの熊本戦でした。30周年と銘打って様々な催しが行われた一戦は、30年間のうちでもここまで心に残る試合は過去にあるかないかだと思います。
見込みを大きく上回る28359人を来場することができたのはトリニータに関わる全ての人の努力あってのことで、亀祭は胸を張って大成功と言いたいところです。ただ運営面では努力や改善が必要だという点も見受けられましたので、詳しいことはイベントレポートにて語りたいと思います。
ちょくちょく進撃の巨人ネタを挟みますが、ほとんどマーレ編以前のネタがメインになりますのでご容赦ください。
「私はとうにトリニータの為なら心臓を捧げると誓った兵士」
「その信念に従った末に命が果てるのなら本望!!」
さすがに死なれたら困るが、トリニータの為に心臓を捧げるのは選手もサポーターも同じ気持ち。
「やれ」「やるしかねぇだろ」と野村兵長(キャプテン)から檄を送り込まれたかもしれない状態で迎えたキックオフ。前節のウィークポイントのイメージがあったのか、熊本はしきりにトリニータの最終ラインの裏を狙い続けていたが、なんとか苦しみながらも藤原とペレイラが冷静に対処してくれた。
そして、エアバトルで抜群の存在感を魅せてくれた安藤の存在が大きかった。これで空中戦では勝負できないと相手に知らしめることができ、熊本の攻撃の選択肢を減らすことができた。
攻撃面についてはすぐに改善ができるものではないが、ショートカウンターから素早くフィニッシュにいきたいという姿勢は感じることができた。最後の精度さえよければと悔やむシーンばかりであったが、やり続けることでどこかのタイミングで点と点が線で結ばれる瞬間が来る。気持ちを切らさずにやり続けるしかない。
普段来ない人には物足りない前半になったかもしれないが、山口戦と比べたら気持ちの入り方は全然変わってきていると伝わった。
後半に入ってもサポーターの後押しで積極的な姿勢を貫いていたが、オウンゴールで先制点を与えてしまい苦しくなってしまう。オウンゴール自体は仕方がないと思っていて、安藤もゴールに押し込みたいわけではないし、相手に触られるよりも先に触ってクリアをする姿勢にあれこれ言いたくない。
とはいえ、「またか・・・」とメンタル的に苦しくなったことは事実で、ここから得点を奪い取るために這い上がるのはここ10試合で3得点のチームには苦しいことだ。
それでもこのサポーターという名の12番目の調査兵団が声援や手拍子を送り続けることで、トリニータの背中を押してくれるし熊本のプレッシャーにもなる。鮎川が惜しいシュートを放った時も、これがラストチャンスではなくもっともっとチャンスを引き寄せられるといった空気すら感じることができた。
そして結果としてこじ開けたのが保田のコーナーキック。鮮やかな放物線を描かれたボールは、そのままゴールマウスへと吸い込まれた。保田のキックも素晴らしいが、エリア内で宇津元、デルラン、ペレイラ、安藤、伊佐が立体起動装置を使ったかのようにペナルティエリア内での主導権争いに負けることなく、保田のキックの花道を作ってあげたことも褒めてあげたいポイント。
ドームの空気は完全にトリニータのものへと変わっていった。
そして最大の見せ場はアディショナルタイムに訪れた。ムン→安藤に渡り競り勝ち、伊佐がバイシクルで中央に送り、ペレイラがゴールに背を向けた状態でヒールキックでゴールに流し込み、劇的な逆転を演出してくれた。この状況を進撃ネタで例えたかったが、候補が多すぎて選べませんでした笑
同点になってスタジアムが最高潮になり、選手側もイケイケムードになる反面冷静になりきれず普段やれていることができなくなることも想定されたが、決して魅せるわけではなくゴールへの最善策として、冷静に判断したペレイラのメンタルは素晴らしいものです。
このゴールで個人的に褒めてあげたいのは上記に挙げた選手もそうだが、ペレイラのヒールキックにしっかりと反応してセカンドボールを狙おうとしてる鮎川と髙橋大悟もちゃんと評価したい。特に髙橋大悟なんて、大分合同新聞の一面にもなっていたけどゴールが決まった瞬間に膝から抜け落ちるくらい喜んでくれるなんて、合流してから間もないけどもうこれで立派なトリニータの一員です。
そして興奮冷めやらぬ空気のまま試合終了!
言葉の通り、全員で掴みとった勝利。上述で取り上げられなかった選手も、今回はしっかりと取り上げたい。ムンは前半の好セーブもあって前半を無失点で折り返すことに貢献。中川は相手の狙いどころにされている印象ながらも決して逃げることなくボールを受け続け、良いリズムを呼び込むスイッチを入れることに貢献。吉田は惜しいシュートを数本放ってくれたが、それ以上に失点を覚悟したシーンで身体を投げ出してブロックしたシーンは大いに助けられたし、そして肝心のサイドの主導権争いで負けなかったことが何より頼もしかった。サイドの主導権争いと言う面では野嶽や宇津元も同じく貢献してくれた。キムはこの大観衆の中で初スタメンとなり誰よりもプレッシャーを感じたかもしれないが、それでも持てる力を出してくれて良い形で伊佐にスイッチしてくれた。野村は前回対戦時のイメージがあったのかかなりマークされていた印象だったが、逆に言えば野村にマークがいくことで他の選手がフリーになるので野村の存在こそがトリニータを助けることになる。あ、小酒井は短い時間ながら逆転への空気を作ってくれたと思います。
一緒に参戦してくれた職場の同僚は一気にペレイラに魅了されていました。ペレイラがずっといてくれたらそれだけで動員に貢献できます。大分に家を買ってください。
この逆転劇は2009年のホーム名古屋戦に通ずるものがあるけど、大々的にイベントを打って非日常感で行われた空間であることでより価値を高めることになる。進撃の巨人コラボシャツを見るたびにこの試合のことを思い出すであろう。きっと10年後もその先も、この試合は伝説として語り継がれることになるだろうし、この瞬間に立ち会えた選手たちは誇りを持ってもらいたい。
もうこのままシーズン終了したい気持ちであるが、それでもリーグ戦が終わってない以上はしっかりと締めていかないといけない。まだまだ下への追い上げを気にしないといけない状況は変わらないので、次の愛媛戦に向けて準備していただきたい。初の愛媛入りということで前もって計画を進めていましたが、昨今の状況を見て九州から脱出するのは避けた方がよいと判断したので見送ることにしました。DAZNから声援を送ることにします。
じゃこの辺で
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