本の帯だけを見て買っちゃったパターンです。帯ほどのインパクトは無かったが、最後まで楽しく読めました。
<あらすじ(抜粋)>
賢人は幼い頃に海岸で一人の少女と出会う。彼女の名は、はるか。鮮烈な印象を残した彼女を、賢人はいつしか好きになっていた。長じて人工知能の研究者となった賢人は、あるAIを生み出す。AIの名は「HAL-CA」。それは、世界を変えるほどの発明だった――。話題沸騰のデビュー作を凌駕する、究極のアイの物語。
なんだか東野圭吾さんが考えそうな題材で、話の構成もそれっぽかったが、最後の結末については東野作品とは違う味を出せていたように感じました。
自分の最愛の人を亡くして、もう一度会って話したいという気持ちは誰しも思うことであろう。まだ死に直面したことがない人にとっても、生きていく上では絶対に避けられないことになる。
内容としてはフィクションだとしても、近い将来この作品のようにAIでも人に近い感情を持つことも現実的になるかもしれない。賢人のように、二次元と三次元の境目がわからなくなることも十分に考えられる。
最後のオチは読者によって判断が分かれるのかなと思っている。誰がプログラムを作ったのか、そして賢人の結末をどう迎えていくのか。そこまでの描写があればハッピーエンドでもバッドエンドでもスッキリとできたのだが、どこか不完全燃焼感が否めない。最後は読者の判断に委ねるという終わり方は決して嫌いではないが、あまりにも選択肢が多すぎると印象に残らなくなる。結局は電源を切れば、ハイ終わり、で片付けられるんだろうけど。
同じく帯を見て買った「ルビンの壺が割れた」のほうも読みました。こちらは既にGW期間中には読み終えていましたが、ブログに書くのを忘れていました。今更感があるし、内容自体も帯ほどのインパクトは無かったと思っているので、宿野さんの作品は今回だけの紹介とさせていただきます。
書店に「ルビンの壺が割れた」と「はるか」が置かれていたら、個人的には「はるか」のほうを読んでもらいたいです。
じゃこの辺で
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