こんにちは
【翻訳商社】マンです
「翻訳なんてどこでやっても同じでしょ?」
「だからおたくより安い他社で…」
「だからおたくらより安い機械翻訳で…」
よく聞きます
ほんとよく聞きます
直接言われることがなくとも
相見積もりをとり終えると音信不通になる
The Silent Purchaserの方々も
きっと同じご意見なのでしょう
でもそれって
「外国語に翻訳したあとの」
「翻訳品質の良し悪しなんて」
「どうせ自分にはわからないし…」
と
思ってらっしゃるから
ではないでしょうか
たとえばこれが逆に
外国語から日本語に翻訳したもの
つまり和訳だったら
同じように思われるでしょうか
外国語で書かれた元の文章
たとえその意味がわからなくても
日本語になった文章を読めば
それがおかしいかどうかには
すぐ気付くのではないでしょうか
とはいえ
翻訳方法や翻訳サービス提供者によって
どれくらい翻訳品質の差が出るのか
そもそも
翻訳品質の違いとはどんなものなのか
わかり辛いと思いますので
簡単な例をひとつ
たとえば次の文章
"This quitting thing, it’s a hard habit to break once you start."
※洋画「The Bad News Bears(がんばれ!ベアーズ)」より
これを翻訳した結果をみてみましょう
■世界的検索大手のAI(ニューラル機械)翻訳
「これはやめるべきことです。いったん始めたら壊れるのは難しい習慣です。」
"何かを壊す"という習慣があって
壊しにくい何か頑丈なもの
壊そうとチャレンジするかどうか
迷ってる人の台詞なのかな…
と思わせる迷訳ですね
とりあえず
何が言いたいのか
さっぱりわかりません
■噂のドイツ企業のAI(ニューラル機械)翻訳
「この辞めること、一度始めるとなかなか破れない習慣です。」
なんとなく
ニュアンスはさっきと同じですが
"壊す"から"破る"に変わったことで
約束?誓い?
なんかそれっぽい話なのかな…
くらいには思いますが
何のことを言ってるのか
やっぱりわかりません
■プロじゃない「人(※)」が翻訳した場合
「やめること、それは一度始めるとやめるのが難しい癖だ」
これはいわゆる
"直訳(ちょくやく)"
というものなのですが
ようやく元の文章の趣旨の片鱗
見えたというかなんというか
間違ってはいないのですがやっぱり
何が言いたいのかわかりません
※「英語ができる知人」や「翻訳"専業"ではない会社」
■プロ翻訳者
「諦めるな。一度諦めたらそれが癖になる」
これは"意訳"といって
元の文章の趣旨をくみ取り
読み手に正確に伝えるための表現
なのですがどうでしょうか
おそらく
ご説明の必要はないかと思います
これら結果の違いを十把一絡げにして
料金だけで依頼先を選び
翻訳した結果(外国語)を
ホームページやパンフレット、チラシ
製品案内、マニュアルなどにして
世界に向けて公開している
悲しいかな
それが現実です
そしてAI(ニューラル機械)翻訳への
注目とその普及によって
このような状況はさらに拡大の一途
辿っていると思われます
(このトレンドによる小規模な爆発は従来から発生していますが、個人的にはいずれどこかで大爆発を起こし、"揺り戻し"がくると思っています)
不肖私【翻訳商社】マン
毎日必ずどこかでお伝えしていますが
翻訳に於いては特に
品質とコストが正比例
します
どれが良くてどれが悪い
ではなく
何のために翻訳するのか
翻訳して何がしたいのか
その目的に合った翻訳が得られるのか
そこのところを是非
熟考いただきたいと切に思います
「これはやめるべきことです。いったん始めたら壊れるのは難しい習慣です。」
「この辞めること、一度始めるとなかなか破れない習慣です。」
と言われても
ベアーズの選手たちも
頑張り辛いでしょうし
そんな風に翻訳されたものを
読んだ人たちの心には
何も残らないと思いますので