栗の花 辺(あた)りを払(はら)ひ 匂(にお)ひたつ
雲(くも)低(ひく)く行き 雨の兆(きざ)せり
夢 蔡
栗の木は、10尺(3m)の三脚があれば、充分に手入れができる
高さにしておくのが、常識なのでしょうがーー。
我が家の栗は、伸び放題で、2階の屋根を超してしまった。
栗の花の時期には、滝のごとくに、しだれ咲きます。
圧巻である。(決して自慢できませんが・・)
薄黄色にしだれ咲く花は、全部が雄花であります。
雄花は、各枝の先に5~6本が一塊りに咲きますが・・。
長々と花粉を伸ばしております。
しかし・・・
その奥には・・・・
雌花が、鎮座しております。
写真は、拡大してありますが、実寸は2~3ミリほどです。
艶ややかではありませんか。
彼女が、秋には、3~4個の”実”を持った“イガグリ”になります。
神秘性を感じます。
匂いに誘われた【ヒョウモンチョウ】が、「おまかせください」と
たちまちやってきました。
白・黄 菜の花・タンポポ好きな”モンシロチョウ”は来ません。
もちろん、紫好きのアゲハも来ません。
「ケッコウ」です。
わが【ヒョウモンチョウ】一族が、秋には立派な”イガグリ”を
実らせてみせます。
小さいながらもお手伝いいたします。
どなたか存じませんが、
やがては、ハナムグリ、カナブンもやってきます。
こうして、普段は、細かく見ることもない生物の世界が、
縄文以来、2万年もの長きにわたって、日本列島の人々を
飢えから救ってきたのであります。
~ 栗の実を煮てます囲炉裏端~#
栗が実った「 里の秋 」のころ現物の写真にて
また別のご報告できればと、思っております。
われわれと、地獄または天国のあいだには、
この世で最ももろいものである生命が、
介在しているだけである。(パスカル・『パンセ』)
-------<了>-------
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