諸葛菜草叢記

 "窓前の草を除かず“ 草深き(草叢)中で過ごす日々の記

匂いたつ花栗

2020-06-05 20:18:21 | 日記・エッセイ・コラム

 

  栗の花 辺(あた)りを払(はら)ひ 匂(にお)ひたつ

       雲(くも)低(ひく)く行き  雨の兆(きざ)せり

                                   夢 蔡

 

 栗の木は、10尺(3m)の三脚があれば、充分に手入れができる

 高さにしておくのが、常識なのでしょうがーー

 我が家の栗は、伸び放題で、2階の屋根を超してしまった。

 栗の花の時期には、滝のごとくに、しだれ咲きます。

 圧巻である。(決して自慢できませんが・・

 

 薄黄色にしだれ咲く花は、全部が雄花であります。

 雄花は、各枝の先に5~6本が一塊りに咲きますが・・。

 長々と花粉を伸ばしております。

 しかし・・・

 その奥には・・・・

 雌花が、鎮座しております。

 写真は、拡大してありますが、実寸は2~3ミリほどです。

 艶ややかではありませんか。

 彼女が、秋には、3~4個の”実”を持った“イガグリ”になります。

 神秘性を感じます。

 匂いに誘われた【ヒョウモンチョウ】が、「おまかせください」と

 たちまちやってきました。

 

 白・黄 菜の花・タンポポ好きな”モンシロチョウ”は来ません。

 もちろん、紫好きのアゲハも来ません。

 

 「ケッコウ」です。

 わが【ヒョウモンチョウ】一族が、秋には立派な”イガグリ”を

 実らせてみせます。

 

   

 小さいながらもお手伝いいたします。

 どなたか存じませんが、

 やがては、ハナムグリ、カナブンもやってきます。

 

 こうして、普段は、細かく見ることもない生物の世界が、

 縄文以来、2万年もの長きにわたって、日本列島の人々を

 飢えから救ってきたのであります。

 

  ~ 栗の実を煮てます囲炉裏端~#

  栗が実った「 里の秋 」のころ現物の写真にて

  また別のご報告できればと、思っております。

 

    

    われわれと、地獄または天国のあいだには、

    この世で最ももろいものである生命が、

    介在しているだけである。(パスカル・『パンセ』)

 

 

           -------<了>-------

 

 

 

 

 

 

 

 

  


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