不定形な文字が空を這う路地裏

極端な間隔のリ・インカーネーション








静かにつたう汗、じっとりと
肌に張り付いてゆくシャツ 睡魔の前に悪あがきする俺のそばで
あぁ、煮ても焼いても喰えない夜がただぼそぼそと燃えている
なにを流し込んでもすぐに喉が渇く 冷蔵庫にはもう何も見つからなかったので
水道の水を雑に流し込んだ 薬品の幻想が 密かに怖がりの俺の脳裏でにやりと笑う
飲んでしまうと汗がまた蟻のように ざわざわとくまなく這い回るのみだ
それらすべてのことをなんでもないと感じている振りをしていた、そんな強がり
誰に見せるあても別に無いというのに 往生際の悪い水滴がぽちゃんと一粒
どこかどうしようもない異世界まで落ちて湿地帯になる 俺が嫌な記憶をわざわざ拾いに行くときに 足跡が点々と主張するところさ
デジタルに変換された音楽を鳴らすプレイヤーのスイッチをいま切ったところで
表通りを仲間を探すように走る車の音が良く聞こえる 週末だからって
何をそんなにムキになる必要があるんだろうな、それともそれは俺が忘れてしまっているだけの無邪気さといった類のものだろうか
身体は疲弊していて、だけど、そんなときほど ああ、自分の身体なんだななんて
不思議なくらい存在の実感が感じられたり
今日、明日の中で 生きるか死ぬかなんて選択をしてるやつなんて滅多に居ない、そんなことが許されてるやつらと言えばきっと
よっぽど生きる価値のないやつらなんだろうさ
明かりを消してから描き始める詩は 誰に伝える必要も無い決意に似ていて
俺はそうさ、何にもせずに眠るのが嫌なだけなんだ これが届こうが届くまいが
本当はなんとも、思っちゃいないのかもしれないな だけど明日にはこんな実感も
有ったような無かったような何かになっちまうんだぜ
細胞のレベルで言や
俺たちは零,何秒みたいな生と死を繰り返しているんだよ、君 そんな激しさの中で
いったいこの指先に何が出来るっていうの?
自問自答の数だけたぶん余分に死亡していくんだ、細胞の世界の葬祭業者は過労死だ
そんな死を見取るものはきっと感触のみなんだろうな 網膜のずっとずっと奥のほうで
神経の網を潜ってそれを見ている何かが居るんだ
欠伸
だけど声は出さなかった それは言っちまえば張る必要の無い意地だ
だけど
必要ないからといって無意味とは限らない、現に 俺はこの結果に結構満足している
これが面白いところでね
人間なんて
無駄に生きているときのほうがずっと何かを汲み取っているものなんだ それを



君に見せてあげることが出来たらいいんだけどな

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