記憶は決して温まることは無い
湖に浸したあなたの肢が いつかの母親と同じ色になるとき 水鳥は穏やかな声で鎮魂歌を歌う 水面のさざめきは最期の指先 ...
それだけが
羽虫が渦を巻く 屋根裏の寝床で産まれた 産声はか細く 皆がこの子は駄目だと思った けれど乗り越えた 四つになるまでは 臥せってばかりだったけど ...
ダウンフォース
空中にばら撒かれた葉脈のような物体が痙攣のように蠢いている、そんな幻を見つめているうちにいつの間にか数時間が経過していた...
狙いをつけるのは銃弾の役目じゃない
硝子細工の汚れが気になって仕方が無いが触れると壊してしまいそうな気がして手を出せないままでいる、世界は今日もそんな類の平穏で満ちていた、十五年は前の歌ばかりうたいながらシンク...
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