不定形な文字が空を這う路地裏

この世の船乗りはため息に言葉をギュウ詰めにする







永き日々の落とす憂いの形状、呆然とした目視の床に金平糖の様に四散して
死産の赤ん坊の死体が路地裏で概念上の泣声を上げる
資産数十億の会社の役員が女子高生を買って捕まる
誤算の体積の踏み心地は柔らかいけれど
欺かれそうで知らずの内に怖気づいている
渾然一体の感情は良いところばかり切り離すわけにもいかず
歓喜と憎悪と奮起と怠惰が
秒刻みで表情を左右する
心のままに生きたら気狂いと呼ばれることは必至だから
羅針盤とは真逆へ
羅針盤とは真逆へ今日も舵を取った、形而上学的な進行にカビが生える




なんて陰鬱な臭い、心臓のひだを裏返して表して見せたような
ただただ存在に磨耗した
運命の残滓の様ないたたまれない
腐食した涙の様な臭い
それはきっと秋口の木陰の様にささやかな死の予感を
風景の様にコラージュして佇ませている
力尽きた葉を拾って墓石に飾って
あの世まで連れて行ける友達が欲しい
心情の結合に落ち度があって
そんな言葉が不意に口元から洩れる
それが根源的な哀しみのせいだと身体が悟るのにあとどれだけの夜が必要なのだろう
ブランケットには埃が積もる
迷い込んだ記憶が刻まれた航海日誌、いつか




読み返した後にすべて破ろう
読み返した後にすべて破って
安堵と呪いを同時に吐いて
十字架を掲げて行こうじゃないか
広すぎる海で眼を凝らすことに
くたびれたことの証に
神様の前で涙を流そう
それが受け入れてはもらえなかったとしても




きっと
抱え込んだものはすべて処分出来るから

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