不定形な文字が空を這う路地裏

願わくばそれが混ぜ物なしの原罪であらんことを








些事に塗れ、気もやらぬうちに、死んで消えていくやつら、生まれるそばから、溢れかえるそばから、滅多矢鱈に回転数を上げていく、運命の歯車は煙なぞ上げない、そいつの頑丈さはヒトの及ぶものではない、俺は眠る直前に目を覚ます、環境と感情の理由、一日が死ぬときに仇花、それは攻撃か、退避か?定義はどうだっていい、選択肢は有意義なほうがいい、ただ眠りに落ちるよりは悪足掻きのほうがずっといい、悪ければその分見世物として秀逸なことだってある、カテゴリを設けない感情と感覚のすべて、打算なしに投げ出して見せよう、気づかいは要らない、受け取れるだけ受け取ったら捨て置いてくれればいい、新聞紙みたいなものだ、いろいろなものが詰め込まれていて、あるものにとっては無意味だし、あるものにとっては重要なテキストだ、多様性はジャンルに押し込められるべきではない、堅苦しい話をするために筆を取るのならやめておけ、それはマネキンのコーディネイトをコピーするようなものだ、上っ面の美学は世界を窮屈にする、それをこだわりと呼んで恍惚としているような、浅はかな連中の枠にはまるで興味がない、イデオロギーは盛大なストッパー、タイトルは最後に記されなければ、動機はチアノーゼを起こしてしまう、納得も追及もない場所で書き始めなければならない、どんな制約もない、イメージを瞬間的にディスプレイに落とし込めるところで、客観性?自分の顔を正面から眺めろというのか?鏡を覗き込むことがクールな行為とは思わない、いつだってそんな行為はただの自己満足だ、加速したらどこまで速くなるのか見極めてみることだ、スタイルはない、ということが言うならばスタイルということなのかもしれない、すでに知っていることを連ねるよりも、まだ知らないことを引き摺り出すことが重要なんだ、それは繰り返すごとに深くなる、どこにあるのかもわからないようなところから、長い長い意識の産道を蠢きながらやって来る、地獄がどこにあるか知ってるか?地球をまっすぐ掘り進んで突き抜けた先ぐらいにあるらしいぜ、それと同じようなものさ、概念には限界がないということだ、それを潜った先にあるものが、地獄なのか天国なのかわからないけれどね…それはもうどっちでもいいことだ、気に入らない結果だからといって降りることはもう出来ない、そんなことが出来る瞬間なんて一度だってなかったけれどね、だって、そうさ、手をつけたものはどこまでもやらなくっちゃ、やめられないことはもうわかっているんだから、タイプしているとき俺はどこにいるのか、ずっと上にいるような気もするし下のような気もする、表にいる気もするし裏にいる気もする、あるいはそのどこでもない次元の中で静かな目を見開いているような気さえする、ある作家は原稿用紙に書いている真っ最中に、そんな自分の姿を後ろから眺めていたことがあるらしいよ、動脈と静脈、血管と心臓の宿命だ、生きている限り繰り返される、血管を流れる血液は、いつだって血液のままだが、同じものではない、新しく生成されるものだ、それと同じだ、循環を成り立たせるためには、生成され送り出されなければならない、よどみない循環こそが魂をクリアにする、きれいな、という意味ではない、剥き出しになるという意味だ、美も醜悪も、善も悪もすべてないまぜになった、形容し難い色味のそれがはっきりと見えるようになるということだ、だからこそそれは受け継がれてきたのだ、たったひとりで行う儀式だ、もはや理由ではない、それに名前をつけることはもう必要じゃなくなった、的にピントを合わせることは重要ではない、矢をつがえた弓をいつ放すかということがなによりも重要なのだ、それは意識を超越したところで行われなければならない、見失わなければ矢は的を射抜くだろう、そこに至るにはたくさんの矢を打たなければならない、無駄な力が抜け、必要な力だけが残り、肉体を自由自在に操る精神の場、そういった境地に至らなければならない、そしてそれは、知れば知るほど難しくなる、けれどなにひとつ減らすべきではない、シンプル・イズ・ベストだと人は言う、けれどそこへ至るまでに、どれだけの項目を越えなければならないのかは決して気にしない、太いひとつの柱を手に入れるまでに、どれだけの柱にすがり折らなければならないのを知らない、それはひとつのラインを超えた証として手に入れる感覚であって、初めから知った顔で口にする言葉ではない、単純さとは正直さでもある、俺にとってはもっとも単純な形がこれだということさ、もちろん、これは循環の過程に過ぎない、あとどれだけ続けられるのか?それはある日突然途切れるかもしれない、もしかしたら誰かが、あとを繋げてくれるかもしれないけれどね、まぁ、そんな事態になったらあとは知らない、はいさよならってなもんさ、もう少し続けられるぜ、俺は馬鹿みたいに血眼になって、わからないものに動かされながら、新しい血液を流し込んでいく、運命の歯車は煙なぞ上げない、面倒臭い手続きはそいつに任せておくさ…。

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