不定形な文字が空を這う路地裏

ゆるやかに動くためすべてそれとすぐに認識することが出来ない






放射状に繁殖するほころびまみれの心の軌跡、ショットガン自殺の後の脳漿みたいな花火
中心でおしべの様に頭を垂れて時間が落とす影を見つめている俺の水晶体の老朽化
あれとあれを切断したらきっと首尾は上々だったんだ、あの世でひとりごちる爆弾処理班

ねえ、この世のことはすべて取り返せるものばかりだなんてそんなこと本気で考えちゃいないよね
歩き過ぎた爪先の一番酷いところから薄めた絵の具のような血が滲む、それがもしも点々と今日訪れた場所にすべて落ちていたら
今日見つめたことをすべて思い出すことが出来るだろうか、犬のように鼻先を床にすりつけて何か気付くことがあるか試してみようか、サーキュレーターの
無駄に強靭な意志によって潜んでいた埃がレシーブされた、飛びついて喰らってやろうか、俺の生活の糞

雷雨の警報が出たからずっと窓を開けて稲光がこの世を照らすのをずっと待っているんだ、それはどこかおぼろげな自殺願望にも似ていて
焼け焦げながら裂けていく自分の肉体を夢想して震えた、この世で最強のウーファー
肛門から脳天までじんとするようなあの威圧を早く与えておくれよ、窓の外を見つめている己の
飢餓の度合いに気付いて苦笑した台風の夜、瞬間ほど魅惑的なものなんて何処にも無いんだね

何時ごろからだろう、現実とか運命とか宿命とか
そんなものを背中に鬼ごっこをしていた
逃げ切ったつもりだった、だだっ広い校庭を何処までも走って、誰も近寄ってこれない遠い巨木の後ろまで、得意満面の笑みで息を整えて振り返ると
みんなが長い爪で俺の喉元を締め上げようと目論んでいたのさ
強さではなく、威圧ではなく、逃げることが出来ないという類の加圧について考えてみたことがあるか?
あるいは、振りほどくことが出来ないという類の加圧について?
この首を差し出すことを勇気だと説くやつも中にはきっといるだろうさ、俺は何時まで経っても拙い河岸で生きているから
肯定も否定もしないまま喉仏が潰れる音を聞かなければならない

この上なく明るい日向から暗がりを覗き込んで、一言で片付けようとするなんて辞めなよ、見えない場所でこそ目を見開かなければ
抜け出した後で家族に届ける住所すら見つけられない、どれだけ鮮やかに終わるかということについて考えなければきっと
鮮やかに生きることなんて到底不可能というものさ、俺は痛みを受け
何時か受け止める温かさのことを思う、それを信じているかなんて問いかけには
肯定も否定もしようとは特別思わないけど

放射状に繁殖するほころびまみれの心の軌跡、ショットガン自殺の後の脳漿みたいな花火

放射状に繁殖するほころびまみれの心の軌跡、ショットガン自殺の後の脳漿みたいな花火

壊れたのは多分もう少しどこか他の部分だ、今夜の眠りは保証されそうも無い、もう少し窓を開けたままにしておこうか、それとも硬く閉ざして錠を下ろして
今夜の不良品をすべて汗にして溶かしてしまおうか

中心でおしべの様に頭を垂れて時間が落とす影を見つめている俺の水晶体の老朽化


あれとあれを切断したらきっと首尾は上々だったんだ


言っておけば
何か判ったような顔も出来るって寸法さ

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