想田和弘監督の講演が聞きたくて、久し振りに「私たちのまち岡山を考える市民のつどい」に参加しました。毎年この時期は日展制作の追い込みにかかっているときでもあり、月初めの日曜日は日本画教室と重なる場合が多く、参加出来なかったので、本当に何年ぶり、いや何十年ぶりか(?)の参加でした。参加の顔ぶれもほとんど知らない方ばかり、存じ上げている方も、私の方から声をかけない限り気づいてもらえない(涙)、年月の流れを痛感したことでした。
それはさておき、想田監督の「観察から始まる幸福論 -なぜ僕らはニューヨークから牛窓に移住したのかー」というお話には感動しました。ユーモアたっぷりでわかりやすく、監督のドキュメントを撮るコンセプトが理解できました。
観察とは、「よく見て」「よく聴く」、つまり作り手が先入観を捨て、よく見てよく聞いて、その結果を映画にする。観客に自分の目と耳で、良く見てよく聴いてもらうということ。
テレビなどのドキュメンタリー番組などをついついそのまま真実と思って見てしまいがちなのだけれど、そこには制作者の意図なども含まれていることを知っておかなければならないと思いました。意図がいいものであればいいけれど、そうでない場合もあるわけで、想田監督は「十戒」と表現されて、ご自分の制作に向かう考えを語られていました。
もう少し詳しく書きたいけれど、長くなるのでこのへんにして、帰りに監督の著書を買い、サインをして頂きました(写真の真ん中、猫のイラストがかわいい)。そしてお邪魔にならないように、少しだけ「息子がアイルランドでお会いしたと言っていました」とお伝えしましたら、ちょっとびっくりされたお顔をされ、「あ、彼の友だちが僕の精神という映画に出演してくれているんですよ」と。覚えていてくださったのだなとうれしく思いました。
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