たぶん「そんな馬鹿な!」「ばかばかしい」と言われると思うけど、格別確かな根拠があるわけでもないのに、「それ、何かおかしい」と思うことがよくある。そして、その後「当たっていた」ということが少なからずある。原発の安全性についての議論もその一つだった。
以前見た「京都地検の女」というテレビドラマで名取裕子演じる検事が「これ主婦の勘」というお決まり文句を言って、周りから辟易される場面を思い出すが、似たような勘というか、もしかしたらただの疑問かもしれないが、「何かおかしい」「ほんとうかしら?」と思うことがある。確とした根拠を示せと言われても、そんなものはないから、思っても口にすることはないし、それ以上追及したりもしない。うっかり口にして、誰かに追及されても「これ私の勘」と言うしかないから、失笑されるのがオチだ。
原発には「安全神話」というのがあった。各原子力発電所は「原子力発電は安全です」とさかんに宣伝していた。パンフレットなどで説明されても、原子力発電についてのしくみすら知らないから、「ふーん、そうですか」というしかなかったが、「でも、何かおかしい」と思っていた。どこがと聞かれても、それも答えられない。
3,11の福島原発事故が起こった後でも、今またあちこちの原発が再稼働した、あるいはしようとしている今、そして南海トラフ巨大地震が予測されている今でも、「福島原発事故は不幸にして偶然に偶然が重なって起きた事故であり、安全性に問題はない」と言う人々がいる。「ホントかしら?」と思った私は、是非ともその根拠を知りたくて、この講演を聞きたいと思った次第。
講師の樋口英明さんは、元福井地裁裁判長、今は退官されていますが、関西電力大飯原発3・4号機の運転差し止めと高浜原発3,4号機の再稼働差し止めの仮処分決定を出したということで知られている。講演では、難しい原発や原子力について、わかりやすく説明され、原発がいかに危険か、地震国の日本、最悪の場合日本列島を破滅に陥れかねないということがわかった。
本当は、何故原発が危険なのか、もっともっと書きたいけれど、長くなるので残念だけどこのへんで止める。
あとひと言だけ。今年1月の能登半島の地震の震源となった地域は、以前原発が建てられる予定があった所で、住民の皆さんの反対で別の場所に替えられたことは知らなかった。もし、予定通り建てられていたら、またまた福島原発の二の舞となっていたかもしれない。無知でいてはいけないとつくづく思った。
このブログは、絵に関することを中心に書くことにしているけれど、この問題は書かずにはいられないと思った。