画室の壁
県立美術館にモディリアーニの「おさげ髪の少女」に会いに行きました。父がモディリアーニが好きだった影響もあるとは思うけれど、私も子どものころから好きでした。
父は絵描きになりたかったのです。けれど、当時絵描きなどと言うと極道になるというのと同じだと思っていた祖父は絶対に許さず、京都の欄間屋に丁稚奉公に出されました。絵描きにもなりたかったが、勉強も好きだった父は、厳しい丁稚奉公の中でも、夜布団の中に電気を入れて勉強をしていたため、とうとう当時でいうノイローゼになり家に帰されました。そんなに好きならばと言っても絵描きは絶対に許されず、勉強を続けるならと大阪外国語大学に行きました。ドイツ語を勉強して、ドイツ人の会社に就職したけれど第二次世界大戦が始まり退職せざるを得ませんでした。
自分の思うような人生を送れる人は、きっと少数でしょう。父も不本意な人生だったと思いますが、会社に勤めながら休みには、釣りをしたり絵を描いていました。父が写生に出かけるときは、私も画板とクレパスを持ってついていくこともありました。私が絵が好きになったのは、父の影響が大きいと思います。
ところで、この展覧会は、岡山県立美術館で3月12日まで開催しています。チケットが1枚余っています。ご希望の方がありましたら、差し上げます。手渡しか郵送が出来る方に限りますけど。