Takekida's log

千里の道も一歩から

脱皮できない蛇は滅びる 

2010-07-10 23:05:21 | Books
梅雨ながら天気も良く気温もさほど上がらなかったので過ごしやすい一日でした。
来週の徳島での大会に向けて最後の追い込み。

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)
酒井穣
光文社

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今の仕事を始めて4年目になり7月から1つ職位が上がりました。実質上の仕事は今のところほとんど変わりませんが今後は責任が増すのと同時に仕事の進め方も変えていくことが求められます。そしてチームとしてのパフォーマンスを考える上では自身の能力を上げるだけでなく人材の育成ということを考えていかねばなりません。ということで目に入ったこんな本を読んでみました。

会社は人が作るというのはよく言われることですが高度経済成長期を過ぎて閉塞感を感じつつある今こそ自ら考えて動ける人間の能力こそがモノ、カネ以上に重要なポイントになってくるのかと思います。
日本はこれまでガラパゴス的に雇用を守ってきたというのみありますが今後は同一スキル=同一賃金の人材のグローバル化が進んで行くことが予想され、ますます主体的に動き、問題を解決もしくは何かを生み出すという知的労働が重要な役割をになっていくことが予想されます。

この本での提言は従来のような研修のデザインやOJTでなく経験のデザイン。今こそ開発すべきものは人というわけです。研修の目的、育成対象、時期、方法だけでなくとかく曖昧になりがちな効果測定について書かれています。

●ターゲット人材の資質
・ロールモデルの意識をしている
・明るくて社交的であるが孤独にも耐えられ自立している
・失敗は自分のせい、成功は運と考える
・人を見る目を持ち活用できること
・問題意識を持ち自分で調べることができること
・完璧すぎず人からつっこみを入れられることのできる隙のあること
・評判のできる自分ブランドが確立されている
◆育成プログラムの設計
・教えずに学ばせる 自発的な経験を目標とする
・規律と動機付けの2軸にFitした育成を行う
・学ぶ気風を作り、学びの情熱へのパンデミックを起こす
・小さな成功を積み上げさせ自信をつける(バックワードチェイニング)
・修羅場の経験を評価する

能楽の世界では守破離というのが成長の形式であるとされています。
師である人の型を守り、それを打ち破る成長をして、師のもとを離れるということで
まさに今の人材育成に対しても通じる言葉だと思います。
個人的にも成長にはロールモデルとなるターゲットの設定と効果測定からフィードバックをかけるPDCAサイクルをまわすことが重要と考えてます。ロールモデルになりそうな人はいそうなのですが仕事柄、社外の人間とあまりかかわりがないのが残念。忘れてはいけないのは何を通しても成長できない人はそこまでだということです。
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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (酒井穣)
2010-07-11 23:51:32
ご紹介いただいた本書の著者です。まずは本書のお買い上げ、ありがとうございました。また、嬉しい書評を頂戴し、ありがとうございます!

「ロールモデルとなるターゲットの設定と効果測定からフィードバックをかけるPDCAサイクルをまわすことが重要」とは、全くその通りと思います。難しいことですが、そこから逃げるわけにはいきませんよね。

今後とも、よろしくお願いします!
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Unknown (たけきだ)
2010-07-12 23:52:48
まさか著者の方からコメントをいただけるとは思ってもおらず大変光栄です。とても読みやすくあっという間に読み終えることができました。自分は直接人材開発に関わっているわけではありませんが上記のようにとても参考になる内容でした。
「教えることとは学ぶこと」とよく言いますが自分も同じチームの人材の育成を通じて成長して行きたいと思います。 

Blogも楽しみにしております。
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