Takekida's log

千里の道も一歩から

サンゴ×サンゴ

2008-07-26 13:41:33 | Books
とろけるような暑さ。本気で涼しい時間に練習しようと思えば5時くらいに起きなくてはと思いますがそこまでは達成できず練習スタートは6時半ぐらいです。
それでもすでに30度。とにかく熱中症だけには要注意です。

そんな日には涼しい話を。

サンゴとサンゴ礁のはなし―南の海のふしぎな生態系 (中公新書 1953)
本川 達雄
中央公論新社

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2年前に卒業旅行でサイパンへ行きダイビングのライセンスを取るためにもぐった海にも綺麗なサンゴがあり魅了されたのは記憶に新しいところです。

サンゴは認知度が高い割には生態などはよく分かっていない人も多いのではと思います、ダイバーは確かライセンスを取る際に触ると危険なサンゴがある、サンゴは動物なので触らない等等、習った気がしますが…
自分も興味がありながらよくわかっていなかったサンゴについて分かりやすく、詳しく解説をしてくれる本です。

珊瑚礁の海は陸で言えば熱帯雨林に匹敵するほど多様な生物が暮らしているそうです。その理由は暖かく食べ物が豊富であること、気候が安定していること。
魚も透明度が高いために「見てもらえる」ようにカラフルに進化したのだとか。
実はこの透明度と多様性というのはトレードオフの関係にあります。透明度が高い=プランクトンが少ないわけで元来、食べ物が少ないわけなんです。
その矛盾を解決しているのがサンゴで行われている「共生」。

サンゴの体内には褐虫藻という植物プランクトンが住んでいてサンゴに光合成で作り出した食べ物を与える。サンゴは石でできた家を作りプランクトンを保護するのと同時に窒素や燐、二酸化炭素などの排泄物を肥料としてプランクトンに提供するという相利共生がうまくいってます。さらにはサンゴの作る粘液は定期的に張り替えられるためにバクテリア等のえさになり動物プランクトンを養います。 まさにサンゴ礁は海の森みたいな存在なわけです。

サンゴが存在できるのは水温が18度以下にならず水が透明で光が届く水深40mぐらいまでの海です。

なんと沖縄はサンゴの多様性では世界で第3位の種が存在しているとのこと。

サンゴはれっきとした動物でくらげやイソギンチャクの刺胞動物。くらげをひっくり返した状態でいるのがイソギンチャクやサンゴとのこと。刺胞と呼ばれるもりでプランクトンを捕まえて食べています。この触手の付いた部分をポリブとよんでます。

最近海水温の上昇に伴って問題となっているのがサンゴが死んでしまう白化。これは褐虫藻との共生ができず珊瑚が褐虫藻を吐き出してしまう現象で植物プランクトンがサンゴからいなくなると体が白くなって見えるため白化といいます。
そうでなくとも開発などで海が濁ったりして光合成が出来なくなったり海水面が上昇して光が届かなくなったり、台風で破壊されたり、オニヒトデのようなサンゴを食べ物とする生物が大量発生してもサンゴはいなくなってしまいます。

サンゴもある程度の自然淘汰は必要かと思いますが生物の多様性を支えるために無くなってはならない存在のようです。

その他にもサンゴの縄張り争いの話やサンゴと共生している様々な生き物、「ニモ」で有名になったカクレクマノミの話などとても興味深い本でおススメです。

鹿児島県坊津のダイビングサービスBLUE WHALEさんの公開している写真集がありました。 ⇒ コチラ
 
写真はミドリイシのテーブル上になった群体

また潜りたくなってきました。
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