人生の日の出Ⅱ「Hero's りんくう校」編

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そして、はじまった・・・

2011-05-20 18:21:47 | 日記・エッセイ・コラム

Photo  (昨日のつづき・・・)

食堂を出るとき、「おつりは、取っておいてください。」・・・レジで少し多めに支払った。・・・

食堂の大将が断って来たが、「親父なら、こうしただろうから~」と、首から下げている骨壺の入ったカバンを握った。・・・

食堂を出て、大変な事に気付く。・・・「くっ、くるしい~」・・・

食べ過ぎ、飲み過ぎ~・・・それでなくても、これからとんでもない事をしないといけないのに~・・・

身延の大きな門をくぐると、そこには・・・天空にでも繋がっているかのような、長い階段がそびえ立つ。(写真)・・・一段が30㎝以上あり、それが200段以上。・・・しまった!、後で食えばよかった~・・・後悔先に立たず。・・・

とにかく、行かないと何も出来ない。・・・一段づつ、ゆっくりと、手すりを持ちながら上がって行く。・・・三男は、さすがどんどん上がって行く。途中、私を待とうとしていたので、「先に行っていいから、気にするな~」と、言うとスウ~と上がって行く。・・・若い~・・・

始めは、そんなに辛くなかったが、次第に体が重くなっていく。・・・足が上に上がらない。・・・途中何回も休む。・・・汗が流れる。・・・「気を付けて上がろう、落ちたら大変だ~」・・・

一歩づつ、ゆっくりと上がって行く。・・・どうやら、おとんを背負ってるようだ。・・・「背負わせてもらいます。」・・・一段づつ、ゆっくりと登って行く。・・・「大丈夫、大丈夫」・・・きっと、大丈夫!必ず上がりきるから・・・ここまで来たら、降りる事も出来ない。・・・下を見ると、人が米粒くらいになっている。・・・まだまだ、先は長い。・・・一段づつ、ゆっくりと・・・ゆっくりと・・・

・・・ようやく、後5段、3段、1段・・・「やったぁ~」・・・着いた~・・・「おとん!着いたぞぉ~」・・・

しばらく、動けない!・・・ベンチに座って、落ち着かせる。・・・

目の前には、身延山久遠寺。・・・

そして、納骨する受付を探す。境内は、広い。・・・お札やお守りを売っている方に聞く。・・・「本堂の中の~」・・・Ok、本堂へ入った。・・・

「すみません、納骨したいのですが~」・・・受付のお坊さんと話す。・・・手続きをし、骨壺を渡した。・・・「おとん!長い事ほったらかしで、悪かった~」・・・

今日の夕方に、本堂でおとんのおつとめ業をしてくれるらしい。・・・16時30分に、本堂に来て下さいとのこと。・・・Ok!・・・時間があるので、奥之院へ行く事にした。・・・

奥之院は、ここから更に、ロープーウェイに乗って天空の天空を目指したとこにある。・・・

日蓮上人が、最初に庵を構えたところが奥之院。・・・眼下に雲海が流れ、その上に裏富士がそびえる。海に目をやると、遠くに自分の生まれ故郷で父母がいる小湊(現・千葉県鴨川市)を望める。・・・ここに庵を構えた理由である。・・・

小湊(鴨川市)には、以前、嫁さんのお義父さんに連れられて、誕生寺に参拝したことがある。・・・木更津から車で、内房から外房に抜けた。海岸近くで、うまい魚をごちそうになった。・・・この話は、いつか機会があれば・・・

三男とロープーウェイに乗るべく、身延駅へ・・・(久遠寺の敷地内にある。)・・・

切符を買って、待つ事にした。・・・ベンチに座り、たばこを吸って、待つ。・・・

そろそろ時間だけど・・・「呼んでくれるだろう!」・・・更に、たばこに火をつける。・・・

でも、遅いし、おつとめの時間からすると、上って降りたら間に合わん?・・・係員に聞いてみた。・・・「あのぉ~」・・・「?もう出てますよ~今のが最終です。」・・・えっ?・・・やられた!・・・

以前も、一回あったのに、迂闊!・・・かつて、その頃の同僚と一緒に来たことがあって、その時もボ~っとしていたら、乗り過ごした。ちゃんと受付の横で待っていないと行けなかったのだ。喫煙所は、少し離れているから・・・仕方ない、おつとめが始まるまで、本堂の待合所で待たせて貰おう・・・本堂へ戻る。・・・

しばらくして、お坊さんが呼びに来てくれた。・・・本堂に入って、・・・お題目、(お経)が始まった。手を合わせ、おとんの成仏を祈る。・・・

長い、長い時間が、ゆっくりと流れて行く。・・・本堂に鳴り響く、お題目と鐘の音。・・・

ゆっくりと、ゆっくりと・・・我々のいる、この場所が、空間が、止まっている。・・・

「ご苦労様でした。お焼香をお願い致します。」・・・お上人が、勧める。順番に、三男と焼香する。・・・手を合わせ・・・合掌・・・

無事終わり、本堂を出る。・・・お守りを買うため、先ほど場所を聞いた売り場へ・・・

嫁さん、長男夫婦とお孫ちゃん、次男、お母ん、それぞれのお守りを買う。・・・最近のお守りは、とてもカラフルだったり、女の子向けだったり、多種多様。・・・当然、自分にも買う。・・・

帰りに、何枚か携帯で写真を撮った。(フォトアルバムにて)・・・

「さて、降りるかぁ~」・・・あの恐怖の階段の所へ・・・三男が、降りようとした。・・・

「別の道があるから、ここから降りなくても良いぞ~」と、三男に言う。階段を下りずに違うルートで降りられる。そうでなければ、この山頂まで食料や物資を運べないから・・・

初めから、その楽な道を上ったら、なんの御利益もない。・・・修行僧の方々は、毎朝夕、この階段を全速力で駆け上がる。・・・身延町には、身延山大学、身延山高校があり、出家して仏法を学んでいる若い修行僧が日々鍛錬している。・・・

久遠寺から降りて、参道にあるお店へ行く。・・・ここには、参道の両脇にびっしりとお店が立ち並ぶ。・・・饅頭屋、薬屋、水晶貴金属屋、グッツ屋、お土産屋、など、など・・・

饅頭屋に入る。・・・ここには有名?な、みのぶ饅頭がある。・・・薄皮で甘すぎないこしあんが特徴。・・・実家のお母ん、嫁さんの実家の木更津、会社のお土産用として買い求め、宅配で送って貰う。・・・その後、あちこちぶらぶらしてから、宿坊へ・・・

宿坊は、身延山の門の前にある。・・・

あくまで、宿坊なので食事や設備は期待してはいけない。元々は、他県から来る修行僧の為に運営されている処。・・・ここへは、今回で3回目。前回は、15年前。・・・

「こんにちは~」・・・「は~い!」・・・部屋に案内される。・・・たたずまいや部屋の状態は、以前と変わりない。・・・

部屋は、寝室とコタツ部屋の二部屋を用意してくれていた。・・・荷物を置き、上着を脱いでいると、間違いなく高校生らしき女の子が作務衣を着て現れた。・・・「お疲れ様でした。お茶をどうぞ」・・・「娘さん?」と聞くと・・・「いえ、お世話になっているものです。」・・・修行しているんだぁ~!・・・すごい!・・・さすがだと、なるほどと、思った。・・・

宗派に依れば、女人禁制だったりするが(尼さんは、頭を丸めて女を捨てる)、日蓮宗では、関係なく女性でも男性でも、誰でも受け入れる。誰でも、生きながら仏になれるから・・・(本堂は無理かも?)・・・

彼女から説明を受けて、避難ドア、お風呂、トイレ、食事場所、を教えて貰った。・・・以前と場所が変わってなければ、勝手知ったる何とかで大体わかる。・・・

早速、お風呂。・・・以前では、近くのみのぶ温泉からお湯を引いていたのだが、みのぶ温泉が改修中だったため、今回は普通のお湯。・・・でも、疲れに効きそうな薬草湯にしてくれている。ありがたい。・・・三男と交代で入る。・・・

その後は、夕飯・・・食堂に案内されて・・・

「何じゃ~!」・・・すごい御馳走!・・・てっきり、精進料理だと思っていたが、・・・おまけに、アルコールも頂ける、ありがたい。・・・三男と舌鼓を打ちながら食べていたら、この宿坊のお上人が現れた。・・・

お上人と、お爺の話やおとんの話、身延の思い出を話した。・・・そして、最近の身延の話や気候や自然等の楽しい話を聞くことが出来た。・・・ありがたい。・・・

翌朝、朝食も豪勢で、釜のご飯が全部なくなった。・・・そして、帰りの支度をして、精算して貰おうと女将を呼んだ。・・・「それでは、¥~です。」・・・通常の値段。食事も豪勢だったし、アルコールも飲んだのに・・・「これで!」と倍近くのお金を渡した。・・・「少し、多いように思われますが~」・・・「良いんです!親父がいれば、同じことをしたと思いますから~」・・・「そうですか、では仏様のお花代として、お供え致します。」・・・笑顔で宿坊を出た。・・・ありがとう!・・・

帰りに、参道の薬屋に依った。・・・おとん御用達の目薬を買う。・・・ここにしかない目薬。・・・

おとんは、子供のころから独眼。だから、よく目が疲れた。ここの目薬が良く効くらしい。仏壇に供えよう。・・・

「帰りは、バスで駅まで行くか~」・・・「おう!」・・・三男と身延駅行のバスに乗る。・・・

10分ほどで、身延駅。窓口で自宅に近い駅までの全線の切符を買う。・・・ホームに入り、電車を待つ。・・・

「ぴぃ~~ひょろぉ~~」・・・?・・・鳶だ!・・・たくさんの鳶が、駅の前を流れる富士川の上空で回っている。・・・「ぴぃ~~ひょろぉ~~」・・・

一羽が我々が座って待っている、ベンチの目の前の電車の電線にとまる。・・・

「でっかーい!」・・・カラスよりも何倍かでかい。・・・羽を広げたりしている。・・・

「おとん!だ。」・・・おとんが駅まで見送りに来たのかもしれない。・・・まるで、・・・

「ありがとう!気を付けて帰れよ!」と、行っているように感じた。・・・

せめて、ケイタイの写真に撮って生涯の待ち受けにしようと思って立ち上がると、「ばさっ!ばさっ!」と、飛んで行ってしまった。・・・「ごめん、おとん!長い間ごめん!」・・・

涙があふれて・・・ ・・・ ・・・ ・・・

・・・・・その日から、8か月後。私は、会社を、退職した。・・・・・

新たな出発のために・・・・・

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