AKB48の旅

AKB48の旅

「内と外を結ぶもの」

2016年07月15日 | AKB
「存在する理由 DOCUMENTARY of AKB48」のパンフレットが、これまた素晴らしい。以下、気づいた部分から適宜ご紹介。

まずは冒頭の"From the director"から引用

しかし、既にAKB48は「村」とは言えない。発展を続け町となり市となり、一つの「国」となっている。メンバー、ファン、メディアの状況などを見ても「AKB48国」と呼ぶべきで、そこで繰り広げられるのは「AKB48国の興亡」という物語である。

ということは、「AKB48国の国民」にも満足してもらえる作品にしながら、「外の人」にも興味を持ってもらえる作品にするという・・・・・・

ある意味二兎を追わざるを得ないということである。


AKBを熟知する石原監督だけに、まさにごもっともと言うしかない。というか、もう何年も前から石原氏は、AKBのことを「サーガ」に準えていたように思う。ならば今回めでたく近代国民国家へと進化したのかなとか、いらぬことも考えてしまったり。

本作がハイコンテクストな「AKB物語」をあらかた排除したのも、そういうことなんだろうというのは分かってるつもり。けれども、ローコンテクストからAKBの本質に迫るのは、実際には不可能なのも確かなことかと思う。

それでもAKBの草創期から関与してきた、NHKエグゼクティブ・プロデューサーという肩書きを持つ身として、敢えて自身をローコンテクストのプローブであるかの如くに描き、AKB現象を構造主義的手法で読み解して見せる、そんなわがままをやってみたかったのかも知れないし、そういう「ワガママ」を許容する秋元氏でもあるのだろう。