社会というものは、一人ひとりの人間に対して「位置」と「役割」を与え、重要な社会権力が「正統性」をもたなければ機能しない。
前者すなわち個人に対する位置と役割の付与は、社会の基本的枠組みを規定し、社会の目的と意味を規定する。
後者すなわち権力の正統性は、その枠組みの中の空間を規定し、社会を制度化し諸々の機関を生み出す。
一人ひとりの人間が社会的な位置と役割を与えられなければ、社会は成立せず、大量の分子が目的も目標もなく飛び回るばかりである。
他方、権力に正統性がなければ、絆としての社会はありえない。
すなわち奴隷制あるいは単に惰性の支配する真空が存在するだけとなる。
:「産業人の未来」
人は所属する組織と所属する社会の関係を意識する必要がある。
所属する組織が合わなければ、違う組織に移動することも選択肢となる。
所属する社会が合わなければ、違う社会に移動することも選択肢となる。
場合によっては、組織、社会を変えることに力を注ぐことも選択肢となる。
そして、成果をあげるためには成果をあげる仕組みを構築して運用する必要があるということにおいては、人間の世界において変わることはない。
「位置」と「役割」の明確化については何となく理解できるし、実践しようとしていると思う。
「正統性」の確立については、リーダーを含め多くの人が他力に頼っているように思う。
世の中のマネジメントシステムがうまく機能しないのが、「正統性」の確立ができないことが原因のように思う。
そうするとキーワードは「正統性」の確立である。
今まではカリスマ的リーダーが担った。
しかし、カリスマ的リーダーの出現は期待できない。
関係者がこれだけは必ず守るという意識合わせをしたルールを構築しなければならない。
すなわち、組織や社会には機能するISOの仕組みを導入しなければならない。