皆様こんばんは。
木曜日は棋士の手合日です。
毎週一部の対局が幽玄の間で中継されております。
本日もその中の数局を選び見所をご紹介してみましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/4c/c989dbc5a9dde5742de2c4eb1d1bc930.jpg)
1局目は王立誠九段(黒)対伊田篤史八段戦です。
左下での「アルファ碁流」が目を引きます。
以前、あり得ないと申し上げましたが意外に世界中で打たれています。
実戦のような進行になると黒Aと打ちづらくなるため、悪手になっていると思うのですが・・・。
それはともかく、次に白がどう打つかが問題です。
下辺と右辺の黒が繋がると巨大な模様が出来るので、それを防ぎたい所ですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/17/c4d3c4314ff6147edebbcfa226f645ac.jpg)
実戦は白1!
目一杯に進出しました。
この手でAやBなら手堅いです。
切られる心配がありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/8d/2440ba410a2799c9dbc158545b1deaaf.jpg)
黒1の反撃は当然です。
黒7までと切られ、白は弱い石を作ってしまったように見えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/07/c70c9170a91209b1de8f7021ad710929.jpg)
しかし白17までと進んでみると、中央が妙に白っぽくなってきました。
弱い石どころではありません。
腕力だけに注目されがちな伊田八段ですが、構想力も見せ付けた1局でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/6f/8fd0c3ac3bbe1247f14e66e1be3509d0.jpg)
2局目は蘇耀国九段(黒)対張豊猷八段戦です。
黒△と打たれた場面です。
右辺の白が弱いので、白Aとでも打てば手堅いですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/0f/f3ceb3f1f710da91a8191309e4250957.jpg)
実戦は白1、3のツケ切リ!
黒4子の形が悪いので、そこを睨んでのより良いサバキを求めています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/f4/fda4ca8ad9ac7271dc5e5beb63dc713e.jpg)
黒1に対して白2から6と進み、やはり左右を絡ませて行きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/21/2e82ad3cbe949bc02e41bd8b0129dc07.jpg)
ここから白6までと進んで一段落です。
この分かれの評価はどうでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/46/757bf46f68f2a030115cc0d2e4b68a2f.jpg)
一見すると5子を取られた黒が悪そうですが、予め黒△を利かしているのが地味ながら大きなポイントです。
白は無駄石が2つあり、総合的には良い勝負なのでしょう。
プロらしい鮮やかな振り替わりでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/4b/dbd980d1ccb9d40e2148c67c3fdd2c66.jpg)
最後は山田規三生九段(黒)対張栩九段戦です。
白1はとりあえず「2目の頭」のハネ、続いて白Aなら自然ですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/af/28eef1c3033a6dad1f8916a0381addc2.jpg)
実戦はいきなり白1と仕掛けていきました。
黒のダメ詰まりを衝く、いかにも張栩九段らしい着想です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/bb/bab0315e1a139f7480238495e7bf3d8f.jpg)
その後白△までと進み・・・どうなっているでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/cb/8b12f9a2af7f03c47c185ec31771513d.jpg)
黒1と遮りたくなりますが、白2と外を備えられて終わってしまいます。
黒3には白4となってこの形は「花六」、6目中手で黒死にです。
花六はうっかりしやすい形で、私もうっかり死んでしまった事があります![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_gaan.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/35/456c6df1fc1bd2d6a59927aaae7d7a67.jpg)
実戦は黒1、3、5と外側に活路を求めました。
白Aなら黒Bの逃げ出しが成立、外側の白が持ちません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/22/54a837e9f0492f89ed0d93934078f42e.jpg)
ということで実戦は白1でしたが、黒2がうまいダメ詰めです。
白Aなら黒Bで白が取られます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/4b/70b0787a56614f911a21a89fadcc1d74.jpg)
実戦は白1と備え、黒2と渡らせました。
詰碁作家として有名な両者の読み合いは、見事な分かれに落ち着きました。
形勢はというと、1線を渡らされた黒が若干苦しいでしょうか。
ここでポイントを挙げた白が、この後も緩まず押し切りました。
本日は多くの中継がありました。
他にもご紹介したい碁があるので、続きはまた明日!
木曜日は棋士の手合日です。
毎週一部の対局が幽玄の間で中継されております。
本日もその中の数局を選び見所をご紹介してみましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/4c/c989dbc5a9dde5742de2c4eb1d1bc930.jpg)
1局目は王立誠九段(黒)対伊田篤史八段戦です。
左下での「アルファ碁流」が目を引きます。
以前、あり得ないと申し上げましたが意外に世界中で打たれています。
実戦のような進行になると黒Aと打ちづらくなるため、悪手になっていると思うのですが・・・。
それはともかく、次に白がどう打つかが問題です。
下辺と右辺の黒が繋がると巨大な模様が出来るので、それを防ぎたい所ですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/17/c4d3c4314ff6147edebbcfa226f645ac.jpg)
実戦は白1!
目一杯に進出しました。
この手でAやBなら手堅いです。
切られる心配がありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/8d/2440ba410a2799c9dbc158545b1deaaf.jpg)
黒1の反撃は当然です。
黒7までと切られ、白は弱い石を作ってしまったように見えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/07/c70c9170a91209b1de8f7021ad710929.jpg)
しかし白17までと進んでみると、中央が妙に白っぽくなってきました。
弱い石どころではありません。
腕力だけに注目されがちな伊田八段ですが、構想力も見せ付けた1局でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/6f/8fd0c3ac3bbe1247f14e66e1be3509d0.jpg)
2局目は蘇耀国九段(黒)対張豊猷八段戦です。
黒△と打たれた場面です。
右辺の白が弱いので、白Aとでも打てば手堅いですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/0f/f3ceb3f1f710da91a8191309e4250957.jpg)
実戦は白1、3のツケ切リ!
黒4子の形が悪いので、そこを睨んでのより良いサバキを求めています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/f4/fda4ca8ad9ac7271dc5e5beb63dc713e.jpg)
黒1に対して白2から6と進み、やはり左右を絡ませて行きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/21/2e82ad3cbe949bc02e41bd8b0129dc07.jpg)
ここから白6までと進んで一段落です。
この分かれの評価はどうでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/46/757bf46f68f2a030115cc0d2e4b68a2f.jpg)
一見すると5子を取られた黒が悪そうですが、予め黒△を利かしているのが地味ながら大きなポイントです。
白は無駄石が2つあり、総合的には良い勝負なのでしょう。
プロらしい鮮やかな振り替わりでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/4b/dbd980d1ccb9d40e2148c67c3fdd2c66.jpg)
最後は山田規三生九段(黒)対張栩九段戦です。
白1はとりあえず「2目の頭」のハネ、続いて白Aなら自然ですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/af/28eef1c3033a6dad1f8916a0381addc2.jpg)
実戦はいきなり白1と仕掛けていきました。
黒のダメ詰まりを衝く、いかにも張栩九段らしい着想です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/bb/bab0315e1a139f7480238495e7bf3d8f.jpg)
その後白△までと進み・・・どうなっているでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/cb/8b12f9a2af7f03c47c185ec31771513d.jpg)
黒1と遮りたくなりますが、白2と外を備えられて終わってしまいます。
黒3には白4となってこの形は「花六」、6目中手で黒死にです。
花六はうっかりしやすい形で、私もうっかり死んでしまった事があります
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_gaan.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/35/456c6df1fc1bd2d6a59927aaae7d7a67.jpg)
実戦は黒1、3、5と外側に活路を求めました。
白Aなら黒Bの逃げ出しが成立、外側の白が持ちません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/22/54a837e9f0492f89ed0d93934078f42e.jpg)
ということで実戦は白1でしたが、黒2がうまいダメ詰めです。
白Aなら黒Bで白が取られます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/4b/70b0787a56614f911a21a89fadcc1d74.jpg)
実戦は白1と備え、黒2と渡らせました。
詰碁作家として有名な両者の読み合いは、見事な分かれに落ち着きました。
形勢はというと、1線を渡らされた黒が若干苦しいでしょうか。
ここでポイントを挙げた白が、この後も緩まず押し切りました。
本日は多くの中継がありました。
他にもご紹介したい碁があるので、続きはまた明日!