<本日の一言>
大谷翔平選手の11号ホームランが衝撃的でした。
同じ人間のやることとは思えませんね。
</本日の一言>
皆様こんばんは。
現在、三星火災杯の予選が行われています。
三星火災杯は韓国主催の国際棋戦で、予選は各国のプロや一部アマにも参加資格があります。
日本の棋士たちも毎年参加していますが、予選は対局料が出ないため、枠抜けできない限り大赤字になります。
それでも、本戦進出の夢や勉強のために積極的に参加する棋士もいます。
さて、今回は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された、金起用八段(33)と平田智也七段(25)の対局をご紹介しましょう。
金八段は韓国の棋士で、世界戦でも実績があります。
1図(実戦)
金八段の黒番です。
黒△の2間締まりに対して、いきなり白1とツケるのはAI流ですね。
さらに、黒6に対して隅を生きずに、白7とハネ出していきました。
隅を生きようとしているのか捨てようとしているのか、さっぱり分かりませんよね。
実際、本人もはっきり決めているわけではないでしょう。
捨て石の技術の上達プロセスは、大雑把に分ければ2段階あります。
最初の段階は、石を捨てる発想が自然と浮かぶようになることです。
その次の段階は、相手の打ち方に応じて、捨てるか助けるかの方針を柔軟に変化させられるようになることです。
後者の段階に達していないと、本図のような打ち方はできません。
2図(実戦)
白△とカケた場面です。
下辺黒を低位にしつつ、隅の白がなかなか死なくなっているので、白が上手く立ち回ったのではないでしょうか。
ただ、問題となるのは黒×白×の力関係で・・・。
3図(実戦)
その後黒1、3と迫られ、右辺白が逃げ回るようでは苦しくなりそうです。
ところが、実戦はこの後・・・。
4図(実戦)
白1、3の反撃!
これで一方的に攻められる展開を避けました。
白×は場合によっては助け、場合によっては捨てるつもりです。
最終的には白×と黒×の振り替わりになりました。
捨て石を巡る攻防は、プロの対局の中でも最も分かりにくい場面の1つでしょうが、碁の奥深さ、楽しさを感じやすい場面でもあります。
細かい理屈は分からなくても、わくわくしながら観戦して頂けたら嬉しいですね。
☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。