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スペース・ラム~宇宙船におけるラーメンの問題。宇宙服の問題再び~

2006-11-19 23:13:23 | 川上のひとりごと日記
「宇宙船の中ではラーメンをどうやって食べるのか」

それは、金曜日の夕方のお迎えの車の中で、
4年生の男の子が出した疑問でした。

そのことがずっと気になってました。


---

むむむ、難しそうだなぁ。

2005年7月から8月、野口宇宙飛行士が
スペースシャトルに乗って宇宙に行きましたが、
その時、ラーメンを持っていったのが話題に
なったのを記憶していました。

でも、どうやって食べたかは映像を見たような
気もすれば、見なかったような気もします。

どんな状態になっているものを、どうやって
食べたのか、それは果たしておいしいのか、
車の中で話していても結論が出ませんでした。

宇宙船の中で水(スープ)があちこち飛び散るのは
迷惑だし、機械にも良くない。

じゃぁ、チュルチュルってストローで食べたとか?
しかし、熱いものをストローで食べるとか飲むってのは、
ヤケドしてしまいます。一人暮らしの学生時代、
なんとなく熱いお茶をストローで飲んでみたら、
茶碗の中の熱いままのお茶が、温度を下げること無く
喉の奥に飛び込んで来たので、とんでもなく熱い
思いをしました。

それはともかく。

---

本日、たまたまタイミング良く、チケットを入手し、
新潟市の「県立自然科学館」で
開催中の開館25周年記念特別展
宇宙へ飛び出せ!-君が未来の宇宙飛行士だ-
というのに行って来ました。


なんでも本物?の宇宙服の展示があるというのです。

宇宙服といえば、昨年夏の野口さんの宇宙飛行の際に
話題にしたもの
です。むむむ、たまりません。

そう、宇宙食の話題が出ていたことなどは、すっかり
きれいに忘れていたのでした。

ところが、会場で目にしたものは、なんとその
宇宙に持っていったというラーメンそのものだったのです。

素晴らしい。念ずれば花開く。違うか。
思いは通じるのですね。

かくして、たった2日前に話題にした宇宙食に
タイミング良く出会ったわけです。

こんな感じです。



透明なウィダー・イン・ゼリーのパックに入った
ような感じとでも言いましょうか、お薬ゼリーの
パックに入った感じとでも言いましょうか。
点滴の薬の入ったパックのような感じにも見えます。

それとまぁ率直に感じたのは、「へー、少ない」って
ことでした。

写真だとわからないかもですが、一パックに入っている
麺の量は、わずかに35~43g。通常のカップヌードルの
一カップが77gですから、約半分。少ないですね。

まぁ、これだけを食べて栄養を摂取していたわけでは
ないでしょうからね。


さて、解説コメントによると、このラーメンは
日清食品のカップヌードル開発者安藤百福氏95歳(!)の
宇宙食ラーメンを開発したいという熱意の元に
JAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同開発で
作られたものだそうです。

(解説コメントです。)
    ↓



宇宙空間で食べられるように、こんな工夫がされていた。

1.微少重力(無重力)空間でもスープが飛び散らないよう
 粘度を高めた

2.宇宙船内で給湯可能な温度70度のお湯でも
 戻せる麺を開発。
 (登山用でも「麺」ではなく「ご飯」で、気圧が低いところで
  低音で沸騰する湯で戻せるこんなのがあったのではなかったか)

3.チキンラーメンと同じく、「瞬間油熱乾燥法」で
作られた。

4.またスープ同様に麺が飛び散らないように
一本一本が湯戻し後も一口大の塊状麺を採用。(特許取得)
 (これは通常のカップ麺とは逆。通常は
 湯戻し後にはほぐれるようにできている。)

5.塊状麺の大きさは、野口宇宙飛行士が試作段階で口にした際
最もフィットするサイズを具体化したもの。
 (一口サイズで作ったということか。
  一口で食べないと不都合があるってことですかね。)


だがしかし、お湯を飛び出した「口」のところから
注入したとしても、野口さんがどうやってこの麺を
食べたのか、この展示・解説ではわかりませんでした。

これが最大の関心だったのに。


---

しかし、またもやツイているのですね。

午後1時20分からのプラネタリウムを見て、
その答えがわかりました。

今のプラネタリウムってのは、星座の解説だけではなく、
いろんなお話しをビデオで見せてくれるのです。
しかも、この開館25周年記念の特別番組で
宇宙へ飛び出せ! ~君が未来の宇宙飛行士だ~」を
やっていたのでした。

ISS宇宙ステーションの中での野口さんや
スペースシャトルでの様子や、船外活動をする
様子が上映されました。

その中でなんと野口さんが宇宙食のラーメン、
その名も「スペース・ラム(Space Ram)」を食べる
映像が流れたのです。

果たして、ストローか、パックの口に口を付けて
食べるのか。


答えはすべて違いました。









正解は、「パックを開いて、食べる」でした。

えー。ショック。


スープは粘度を高めているので、パックを開いても
宇宙船の中に四方八方おいしい汁が飛び散ることは
無いようです。

そして、麺が散り散りになるとこれまた困るじゃんと
思っていたのも、よく解説を見れば「塊状麺」に
してあると書いてあるので、一口サイズになっていたので
問題がないようです。

最初の写真にある通り、一パックに入っている麺の
量はわずか35gほどで、しかも3玉に分けてあります。
それらを塊のままパックの上から手で抑えておけば、
一つずつ食べていくのに飛んでったりという困難は
クリアされそうです。

イメージとしては、お湯で戻しても絡み合っている
麺ですから、普通のラーメン屋でやると
「おやっさん、これほぐれてねぇんですけど」
というところですが、散らばらない塊状の
ベビースター・ラーメン丸のような感じでも
あるのです。

ちなみに、まったく蛇足ですが、かたまりのまま
ラーメンを食べようという発想は
「ベビースター・ラーメン丸」の方が先のようです。
(99年2月発売と書いてありました。)



---

ということで、このラーメンを食べての野口宇宙飛行士の
コメントは別サイトでいろいろ発見できます。

また、宇宙食ラーメン「スペース・ラム」の開発の話題も
いろいろあります。

みんなが注目していたということですね。

勝手にリンクを張っておきますので、ヒマな方は
見てみてくださいね。


離陸待つ「宇宙食ラーメン」。オドロキの麺!


世界初の宇宙食ラーメン「スペース・ラム」
野口宇宙飛行士がスペースシャトルに搭載し宇宙へ出発



日清、野口聡一宇宙飛行士の宇宙食ラーメンを公開



野口宇宙飛行士が帰国 - 宇宙から見た日本…宇宙で食べたラーメンのお味も



野口宇宙飛行士訓練レポート 第4回「宇宙食について」



宇宙ひろば ~野口宇宙飛行士と学ぶ宇宙~


---

ところで、宇宙服の展示。

あったのは数種類の「レプリカ」でした。
でも必見です。

素材は本物と同じとか、同等という話ですから、
高額なのは間違いなし。



船外活動用の宇宙服は1着と思うと
「数億円もして高いよ~」と思ってしまいますよね。

でも実際に見てみると、こんなもの程度で空気も
気圧もなんもない真っ暗な空間に身一つで出てしまう
のですから、小型宇宙船と思えば2億円だか
20億円だか知りませんが、そのくらいしても
安い気がしてきます。



ためしに、もしもみなさん
「絶対安全だからこれを来て宇宙に出て」って
言われたら、あなた飛べますか?

たかだか80kgくらいの宇宙服を着て。

見ればやっぱり布だし。何か宇宙船の部品や
小さな隕石や宇宙のゴミ?なんかに引っかかれば
すぐに切れてしまいそうで、相当に怖いです。

それはこの前、映画「アルマゲドン」を見たから
余計に怖いんでしょうねぇ。



胸にあるいろいろな計器?が、すべて鏡文字です。
そうです。これは、宇宙でヘルメット?をかぶった
状態ではとても胸元・おなかあたりを覗き込むことなど
できないので、左手の手首にある鏡を使って映して
見るためなんですね。

どこぞの大学教授のミラーマン○草氏とは違います。
鏡はこう使うんですね。


---

こちらはジェミニ計画のときの
船内用の宇宙服だそうです。
    ↓


これはさすがに、ペラペラです。

靴なんか、布だし。ひえー。



ナイキのとか、アディダスとか、コンバースとか、
キャラバンシューズでもいいから、そこら辺の
靴流通センターの靴でいいから、そんな靴の方が
まだマシです。



およそ40年ほど前のものです。
それにしても、時代が時代だったからって、
これではあんまりです。

もう少し良い運動靴はなかったのでしょうかね。




そして、前面中央下部には、つまり股間には
大きなジッパーが。

なんのためかといえば、恐らく排泄用?でしょうか。


うぅ。つらいです。
宇宙がまた遠のいたと感じた瞬間です。
こんな粗いジッパー越しに、一体何を排泄しようと
いうのでしょう。挟んだらひどく痛そうです。


まさか大の方もここから?


めまいがします。

この服を着て、普通車ほどの狭さの宇宙船に
何日も滞在したという宇宙飛行士の皆さんの
表沙汰にできない苦労には頭が下がります。


---


  ↑
こちらは、旧ソ連の宇宙船ソユーズ17号
ジョージ・グレシコ宇宙飛行士が着ていたもので、
現物だそうです。リアル!

が、恐ろしく質素に見えます。

いや、多分本当に質素です。
今じゃ普通の車屋さんのつなぎの方が立派です。

まるでこれでは、しまむらあたりに売ってる
紳士もんのパジャマのようです。
マネキンのせいでしょうかね。

ちなみに、ソユーズ17号が宇宙へ飛んだのは
1975年のことですから、およそ30年前のものです。

ということは、かなり飛躍ですが、30年後には
ユニクロのフリースが宇宙に飛ぶんでしょうか


これら宇宙服のデザインには、工学的な設計が
最優先されているとは思うのですが、美的センス
とかはどうなんでしょうね。おざなりなんだろうなぁ。

ドン小西あたりがチェックすると、股間のジッパーや
パジャマチックな感じはなんて言うんでしょうね。


---

この他にも、楽しい展示がいっぱいの
県立自然科学館の特別展示「宇宙へ飛び出せ」は
次週11月26日(日)まで開催中です。


面白そうなものに、火星の土と月の土を再現したもの
などもあり、我が娘やよその見学の子ども達は
んもう、めったやたら触りまくっていました。

火星の土は、真っ赤です。触るとそこら辺でぬぐうと
汚れが落ちないから、「そこら辺でぬぐわないように」
とわざわざ貼り紙もあったりで、たまりません。

「おいおい、そんなに触らない!」とか言いっぱなし。

間違って火星に不時着したら、洗濯が大変そうです。
転びたくないし、娘にも転んでほしくないです。
もう、一体なんの話でしょうか。

それと花粉症の自分にはほこりっぽいところはつらいです。

月の土はさらっとしていて、手にあまりつかなくて
これならまだいいかなと思いました。

土で選ぶわけじゃないですが、行くなら月ですね。(笑



また、太陽を3mちょっとの大きさで自然科学館の
中に置くと、太陽系の惑星はどこら辺にどのくらいの
大きさにあるのかを、北陸自動車道沿いに順を追って
説明した展示「4億2千万分の1太陽系モデル」も
かなり面白かったです。

水星は隣の鳥屋野球場前、金星は女池の道路端?
だったか、そのビデオ映像の作りがかなりウケます。

ぜひネットで公開してほしいくらい。



科学的な好奇心を養うには絶好のチャンスです。
あと1週間ですが、おすすめです。

---
Change!! IKUEI!!
 by 川上


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