*デイビッド・オバーン脚本 谷賢一(DULL-COLORED POP)翻訳 黒澤世莉(時間堂)演出 公式サイトはこちら 王子小劇場 29日まで
「コロブチカ」とは、柿喰う客の所属俳優であるコロが「やりたい演劇を待っているのではなく、やりたい演劇は自分で企画すればいいんじゃないか」と気づいて立ち上げた企画団体とのこと。旗揚げ公演に『Proof』という手堅くも手強い戯曲を選んだとは、その心意気にまず拍手である。
本作は6月にハイリンドの公演をみたのが記憶に新しい。そのときと同じような印象を感じる箇所が多かったが、今回気になったのは登場人物の女性の言葉づかいであった。舞台に登場する女性が「~だよ」と言った途端に耳が騒ぐのである。「~よ」「~だわ」という女言葉でないことに違和感があったのだ。「~だよ」なんて、男言葉というより「中性言葉」とでも言おうか、日常生活では何とも思わないのに、自分でも不思議な感覚である。
キャサリンを演じたコロの表情が目をひいた。冒頭は顔色が悪く髪も乱れているが、ハル(小谷真一)と心が通い合うようになると、みるみる美しく、瑞々しい表情になっていく。と同時に神経がピリピリして痛ましく見える場面もあって、ふとこの人が演じるエレクトラやマクベス夫人をみたいと思った。
1年で『Proof』を2度も見られるとは予想外であったが、「斬新な演出」「意外な表現方法」というものが出来にくい作品ではないかと思う。きっちり丁寧に作れば相当高レベルの舞台に仕上がるだろう。しかし自分たちの持ち味、自分たちの読み方を大きく打ち出そうとした場合、うまく言えないが戯曲に拒否されそうな感じがする。ハイリンドの公演をみたときに、「猛烈に戯曲が読みたい」と書いておきながらそれぎりになっていた。年明けからひとつひとつ宿題をやり遂げましょう。映画版もみることにする。今日みた舞台は今日だけのものではなく、以前から続き、これからもどこかに繋がっていくのだから。
「コロブチカ」とは、柿喰う客の所属俳優であるコロが「やりたい演劇を待っているのではなく、やりたい演劇は自分で企画すればいいんじゃないか」と気づいて立ち上げた企画団体とのこと。旗揚げ公演に『Proof』という手堅くも手強い戯曲を選んだとは、その心意気にまず拍手である。
本作は6月にハイリンドの公演をみたのが記憶に新しい。そのときと同じような印象を感じる箇所が多かったが、今回気になったのは登場人物の女性の言葉づかいであった。舞台に登場する女性が「~だよ」と言った途端に耳が騒ぐのである。「~よ」「~だわ」という女言葉でないことに違和感があったのだ。「~だよ」なんて、男言葉というより「中性言葉」とでも言おうか、日常生活では何とも思わないのに、自分でも不思議な感覚である。
キャサリンを演じたコロの表情が目をひいた。冒頭は顔色が悪く髪も乱れているが、ハル(小谷真一)と心が通い合うようになると、みるみる美しく、瑞々しい表情になっていく。と同時に神経がピリピリして痛ましく見える場面もあって、ふとこの人が演じるエレクトラやマクベス夫人をみたいと思った。
1年で『Proof』を2度も見られるとは予想外であったが、「斬新な演出」「意外な表現方法」というものが出来にくい作品ではないかと思う。きっちり丁寧に作れば相当高レベルの舞台に仕上がるだろう。しかし自分たちの持ち味、自分たちの読み方を大きく打ち出そうとした場合、うまく言えないが戯曲に拒否されそうな感じがする。ハイリンドの公演をみたときに、「猛烈に戯曲が読みたい」と書いておきながらそれぎりになっていた。年明けからひとつひとつ宿題をやり遂げましょう。映画版もみることにする。今日みた舞台は今日だけのものではなく、以前から続き、これからもどこかに繋がっていくのだから。
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