劇評サイトWonderlandに拙稿掲載されました(週刊マガジン・ワンダーランド175号)
昨年11月に上演されたelePHANTMoon『ブロークン・セッション』について書かせていただきました。自分にしては珍しく、みおわって一週間後にひといきで第一稿をあげたのですが、因幡屋通信、えびす組劇場見聞録の原稿が押し寄せて年内に仕上げられず。締切前日、観劇2本の空き時間に手直しをしていたら、書きかえたいところが出るわ出るわ、提出の2時間前まで迷い続けました。あの舞台のことを伝えるための言葉が足らない、言葉が違う。これまでは入稿する時点で「書けた」というある程度の満足感があったのですが、昨年の夏あたりから「これで良し、終わりだ」というさっぱりした気持ちになれず、もっと書き方があったのではないか、もしかしたら自分は全然違う感じ方をしていたのではないかとぐずぐずと未練がましく考え込むようになりました。
永井愛作・演出の『ら抜きの殺意』に主演した安原義人が、NHK衛星放送で同作が放映されたときのインタビューにおいて、稽古中に永井愛から「いま自分が言っているダメ出しは、この芝居だけのことだと思わず、もっと長いスパンで捉えてほしい」と言われたことを語っていたのを思い出します。自分は広い視野や深い思想をもって論考することができず、いま目の前の舞台にかかりきりになってしまうタイプです。けれどずっと以前にみた別の舞台や、これから出会うであろう新しい舞台に繋がっていく可能性がある、そう思いながらひとつひとつの文章をもっと大切に記していきたいと思っています。
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