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*公式サイトはこちら 歌舞伎座 26日まで
十八代目中村勘三郎の十三回忌の記念興行。1階ロビーには遺影と花、香が焚かれ、画像を撮るより先に、まずは手を合わせた。中村屋一門を中心に所縁の演目がずらりと並び、初役に挑む役者をベテランが支え、素晴らしい公演となった。若手の活躍はもちろんだが、昼夜ともに中村歌六が滋味深く、「この方がいれば大丈夫」と思わせる。
【昼の部】
☆「新版歌祭文 野崎村」・・・十八代目が「三番目の息子」と愛しみ育んだ中村鶴松がお光をつとめた。許婚久松(七之助)との祝言を前に浮き浮きと大根を膾に刻む鮮やかな手つき、久松が奉公先で恋仲となったお染(中村児太郎)へ嫉妬する場面も可愛らしい。それだけに恋を諦めて尼となった姿は壮絶ですらあり、久松とお染を気丈に見送りながらも、ぱたりと数珠を落し、「ととさん」と久作(坂東彌十郎)に縋りついて泣き伏す終幕には涙を誘われた。
☆「釣女」(つりおんな)・・・女性を「釣る」など、不適切な内容であるが野暮は言わず。太郎冠者の中村獅童は、後半の場面で釣竿がなかなか整わなかったのはアドリブなのか、たまたまアクシデントだったのか、上手に間を持たせて客席を和ませた。
☆「籠釣瓶花街酔醒」序幕 吉原仲之町見染の場より 大詰 立花屋二階の場まで・・・この演目については、えびす組劇場見聞録2016年5月号に一度書いたことがあり(こちら)、このたびも冒頭、舞台が明るくなった瞬間、「中村屋!」の大向う。皆が勘九郎の次郎左衛門を、七之助の八ッ橋を待っている。胸が熱くなった。片岡仁左衛門の繁山栄之丞には、どんな二枚目も金持ちも叶わない。まさに間夫のなかの間夫。
【夜の部】
☆「猿若江戸の初櫓」・・・中村勘太郎が猿若をつとめる。踊りも台詞も堂々たるもの。
☆「猿若江戸の初櫓」・・・中村勘太郎が猿若をつとめる。踊りも台詞も堂々たるもの。
☆「義経千本桜」より「すし屋」・・・いがみの権太を中村芝翫が初役で演じる。この演目はやはり「木の実」から観たい。せがれの小さな手を握り、思わず「冷てえ手をしてるな」を確と聴いたのち、「すし屋」の壮絶な「モドリ」を受け止めたいのである。
☆「連獅子」・・・勘太郎が子獅子をつとめてから、もう3年も経ったのか。今度は弟の長三郎が父・勘九郎と踊る。親獅子と並ぶと背丈が半分くらいに見えるのだが、長三郎には不思議な度胸というか、大胆なところがある。後半獅子の精となって花道から登場したときの客席の拍手の凄いことといったら!親獅子の毛振りに、少々動きが乱れても「ちきしょう、負けるもんか」とばかり振り続けるほどの体力や体格ができるにはまだ数年かかるが(昨年の尾上松緑、左近親子の「連獅子」はここが凄かった)、伸び伸びと明るい長三郎の子獅子は今だけのもの。
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