朝の冷たい雨がやんで、午後から暖かく晴れ上がった。雨上がりの空気は優しげで気持ちがよい。特に冬から春に移りゆくこの季節は格別である。
*チェルフィッチュ『わたしたちは無傷な別人であるのか?』
wonderlandクロスレヴューのお題です。チェルフィッチュ、および岡田利規演出作品の記事はこちら(1,2,3,4) 苦手科目の様相ありありだが、お題を与えられたのは幸い。
*東京デスロック『LOVE 2010 Yokohama ver.』
多田淳之介演出作品の記事はこちら(1,2,3)
*世田谷パブリックシアター『マクベス』 野村萬斎構成・演出 マクベス夫妻を含め、出演俳優は5人!
*中野成樹+フランケンズ『スピードの中身』ブレヒトの『折り合うことについてのバーデンの教育劇』より 外部も含め中野成樹演出作品の記事はこちら(1,2,3,4,5 6,7,8,9)
*劇団掘出者 第7回公演『まなざし』(1,2,3,4) 短いスパンで新作を発表し続ける若い劇団のタフなことが嬉しい。今度はどんな舞台をみせてくれるのか。
*アル☆カンパニー(1,2,3) 第6回公演『罪~ある温泉旅館の一夜~』 蓬莱竜太作・演出(1,2)引き続き蓬莱作品は課題である。
*パラドックス定数 第21項『ブロウクン・コンソート』(1,2,3,4,5,6) この劇団に対する自分の気持ちは、やみつきという言葉がぴったりである。ほとんど毎回全身前のめり。なのにその感覚を満足に表現できたためしがないのだ。もどかしくはがゆく、悔しくてならない。何とかできないか。やめられない。もはや中毒である。
*ハイリンドvol.9『泣き虫なまいき石川啄木』(1,2,3,4,5,6,7,8) 旗揚げから大好きな劇団である。子どもっぽくて単純な表現だが、素直にそう言いたい。昨年あたりから、少しカラーを変えたいのかなと気になっているが、演出家を信頼し、劇作家に敬意を払い、戯曲に対して誠実に取り組むハイリンドが井上ひさし作品に挑む。
『坂の上の雲』は第6巻を読み終わったところでひとやすみ。いまは『戦争の世紀を超えて』(姜尚中、森達也の対談集 集英社文庫)と劇作家協会編の『優秀新人戯曲賞2010』(ブロンズ新社)を並行して読んでいる。後者は第15回劇作家協会新人戯曲賞に応募された161作品のなかから、最終候補として選ばれた5作品が掲載されたもの。自分が上演をみたのは劇団掘出者の田川啓介『誰』のみだが、他の4作品もとてもおもしろく、舞台をみるのと同じように、いや作品によってはそれ以上にぞくぞくしながら読んでしまった。ぞくぞく度が最高だったのは、最優秀賞に選ばれた『エダニク』(横山拓也)であったが、3月のひとことには次のことばをご紹介します。
中澤日菜子の『石灯る夜』は、東京郊外のとある神社で、大きな石を掘り起こすために集まる人々を描いた作品である。なぜそんなことをするのか、事情や背景はさまざまで容易に解決できるものではない。黙々と、あるいは賑やかに土を掘りながら束の間心の安らぎを得ようとする。その中で、失踪した幼い娘を探し続けるナカタと、病いの母親との同居に疲れた雪が次第に心を通わせる。2人の目が合う。ト書きにはこうあった。「ナカタ、苦労して目を逸らす」。前後関係の説明が不十分だが、このト書きを俳優はどう演じるのだろう。自分は戯曲を先に読んでしまったから、舞台でこの場面をみるとき、必要以上に気合いが入ってしまうだろう。願わくは読んでしまったことを忘れて俳優の表情を自然に受け止めたい。
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