INDECの定期上映会は、いま現在戦争映画特集を行っています。『プライベート・ライアン』から『スターリングラード』と上映してきました。(今週の上映作品もすでに決めてはいるのですが、INDECの会員諸君へのアナウンスは金曜日配信のINDEC Newsletterまでお預けとなります。)
もともと戦争映画特集という企画を思いついたのは、『セカチュー』や『イマアイ』という映画に代表される、いまの日本に蔓延する薄っぺらな死生観に喝を入れるためのものでありました。人は死んだら、絶対に生き返らないんだぞ、と言いたくて・・・。
ところが2本ほど最近の戦争映画を上映してみると、INDECの会員諸君の中にもそこらへんの小学生と変わらない戦争観しかもっていない者がいることが分かってきたんです。驚くやら、呆れはてるやら。
確かに、戦争はいかんです。やらずにすむものならば、やるべきではありません。
しかし、国家という共同体が別の国家によって被害を与えられ、それが話し合いではどうにもならなくなった時、戦争は一外交手段として実行されるべきものなのであります。それが国際的常識というものでありましょう。
ゆえに、戦争=悲惨という図式でのみ戦争を考えていれば、そこで活躍する兵士やひいてはその戦争の当事国の国民たちの懸命な努力をすべてないがしろにしてしまう可能性があるわけです。
実際、過去の大東亜戦争における先達たちのかけがえのない努力をすべて無視してしまおうとする動きが相当数の国民にあるのが日本ではないでしょうか。
そんな思いでいた時に、いい本が出ました。
(画像はありませんが、例の紺色のカバーの文春新書ですから、見るまでもないでしょう。先週末出たばかりのものです。)
ゴウ先生、一気に読みました。
ゴウ先生のように、国際政治・外交・軍事問題に相当詳しいと自負している人間でも、「ああ、そうか」と思わせる見事なまとめぶりです。戦争――というよりも軍事――ハンドブックとして手元に置いておくと、平和ボケした友達をギャフンと言わせることができるでありましょう。
冒頭、「国防の常識」という章のもと、なぜアメリカやロシアはアフガニスタンを狙うのかという刺激的な問いかけから本書は始まります。ここで本書に述べられていることが「当たり前じゃん」と思えるならば、読む必要はありません。
でも、誓って言えます。いまの日本の若者の95%が「知らなかったあああ」とため息つくでしょう。そのくらい国際情勢に疎い若者が多いというのが、日々若者たちと面と向かっている一英語塾塾頭の実感です。
その上で本書は「軍隊の常識」、「兵隊の常識」、「陸軍の常識」、「海軍の常識」、「空軍の常識」、「現代戦の常識」、「自衛隊の常識」と続きます。
その中でもよくぞ書いてくれたと著者に拍手を送りたいのは、徴兵制に関する論考です。
日本では、徴兵制のために無理やり兵隊にならされたという論調を無数の本や映画が語ります。ところが、徴兵制がなければ軍隊が貴族や王族のものになってしまうと考えたフランス流の発想が紹介されています。
そうなのです。国のために命を投げ出すというのは、日本以外の国ではいまだに立派な行為であるわけです。にもかかわらず、日本では憲法9条の問題も含めて、すべてが中途半端なまま国民から「お国のために」という概念が希薄になっているのです。
何でも武力によって解決を求めるというのは、愚の骨頂です。しかし、必要とあらばお国のために我が身を投げ出して、という覚悟は国民すべての中にあってしかるべきものだと思います。
どうかまずはこのような本を手元に取って、戦争というものをもう一度ニュートラルに(つまり右でも左でもなく)考えてほしいと思うゴウ先生でありました。
値段も税込み735円です。お薦め度:100%であります。どうぞ「常識」家になってくださいね。
INDEC新入会員募集中!INDEC公式ホームページへどうぞ!
もともと戦争映画特集という企画を思いついたのは、『セカチュー』や『イマアイ』という映画に代表される、いまの日本に蔓延する薄っぺらな死生観に喝を入れるためのものでありました。人は死んだら、絶対に生き返らないんだぞ、と言いたくて・・・。
ところが2本ほど最近の戦争映画を上映してみると、INDECの会員諸君の中にもそこらへんの小学生と変わらない戦争観しかもっていない者がいることが分かってきたんです。驚くやら、呆れはてるやら。
確かに、戦争はいかんです。やらずにすむものならば、やるべきではありません。
しかし、国家という共同体が別の国家によって被害を与えられ、それが話し合いではどうにもならなくなった時、戦争は一外交手段として実行されるべきものなのであります。それが国際的常識というものでありましょう。
ゆえに、戦争=悲惨という図式でのみ戦争を考えていれば、そこで活躍する兵士やひいてはその戦争の当事国の国民たちの懸命な努力をすべてないがしろにしてしまう可能性があるわけです。
実際、過去の大東亜戦争における先達たちのかけがえのない努力をすべて無視してしまおうとする動きが相当数の国民にあるのが日本ではないでしょうか。
そんな思いでいた時に、いい本が出ました。
戦争の常識文芸春秋このアイテムの詳細を見る |
(画像はありませんが、例の紺色のカバーの文春新書ですから、見るまでもないでしょう。先週末出たばかりのものです。)
ゴウ先生、一気に読みました。
ゴウ先生のように、国際政治・外交・軍事問題に相当詳しいと自負している人間でも、「ああ、そうか」と思わせる見事なまとめぶりです。戦争――というよりも軍事――ハンドブックとして手元に置いておくと、平和ボケした友達をギャフンと言わせることができるでありましょう。
冒頭、「国防の常識」という章のもと、なぜアメリカやロシアはアフガニスタンを狙うのかという刺激的な問いかけから本書は始まります。ここで本書に述べられていることが「当たり前じゃん」と思えるならば、読む必要はありません。
でも、誓って言えます。いまの日本の若者の95%が「知らなかったあああ」とため息つくでしょう。そのくらい国際情勢に疎い若者が多いというのが、日々若者たちと面と向かっている一英語塾塾頭の実感です。
その上で本書は「軍隊の常識」、「兵隊の常識」、「陸軍の常識」、「海軍の常識」、「空軍の常識」、「現代戦の常識」、「自衛隊の常識」と続きます。
その中でもよくぞ書いてくれたと著者に拍手を送りたいのは、徴兵制に関する論考です。
日本では、徴兵制のために無理やり兵隊にならされたという論調を無数の本や映画が語ります。ところが、徴兵制がなければ軍隊が貴族や王族のものになってしまうと考えたフランス流の発想が紹介されています。
そうなのです。国のために命を投げ出すというのは、日本以外の国ではいまだに立派な行為であるわけです。にもかかわらず、日本では憲法9条の問題も含めて、すべてが中途半端なまま国民から「お国のために」という概念が希薄になっているのです。
何でも武力によって解決を求めるというのは、愚の骨頂です。しかし、必要とあらばお国のために我が身を投げ出して、という覚悟は国民すべての中にあってしかるべきものだと思います。
どうかまずはこのような本を手元に取って、戦争というものをもう一度ニュートラルに(つまり右でも左でもなく)考えてほしいと思うゴウ先生でありました。
値段も税込み735円です。お薦め度:100%であります。どうぞ「常識」家になってくださいね。
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2,3日かかるそうですので、週末に読んでみることにします。
早速本屋で購入させていただきました。
電車内で少し読ませていただきましたが、「アフガニスタンを何故狙うのか」という最初の項から、なるほどとうなずいておりました。
パラパラとめくってみて、「兵卒とは」「下士官とは」等、何となくは判っているつもりでも、実は何にも判っていない事が題目だけでも沢山載っていて大変勉強になりそうです。
週末に纏めて読ませていただきたいと思います。
「軍事を防衛と言い換えたのは第一次世界大戦後」であるなどを読むと、ふだん気に止めずにいたことが大問題が分かります。
この本を読んで、自分や自国の置かれている状況をまじめに考えたいと思います。
今までなんとなくわからないままになっていたことが、はっきりと理解することができ痛快でした。
戦争についてもっと知りたいし、知らなければならないと思います。