十段戦は、短期決戦の五番勝負。ゆえに、第一局が七番勝負よりも重要なはず。それにしっかりと勝ってしまうのですから、井山六冠、半端ない強さです。
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囲碁の第54期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第1局が8日、大阪府東大阪市で行われた。
六冠を保持する井山裕太棋聖(26)が伊田篤史十段(21)に206手までで白番中押し勝ちし、囲碁界初の七冠に向けて白星発進した。
井山棋聖は、出身地である同市での今シリーズ開幕戦を制し、タイトル戦(七番勝負、五番勝負)の連勝記録を17に伸ばした。終局後、「星の上ではよいスタートだが、まだまだ先は長い。次局も精いっぱいやるだけ」と表情を引き締めた。
第2局は23日、三重県菰野町で行われる。
囲碁十段戦始まる 井山裕太名人、七冠への挑戦
朝日新聞 2016年3月8日11時28分
伊田篤史十段(21)に六冠王の井山裕太名人(26)=棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖=が挑戦する囲碁の第54期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第1局が8日午前9時半、大阪府東大阪市の大阪商業大学で始まった。挑戦者の井山名人は、この五番勝負を制すれば前人未到の七冠独占を達成する。囲碁界初の偉業がかかる注目のシリーズに、開幕戦としては異例の40人を超える報道陣らが詰めかけ、大勝負が始まった。
大学内に設けられた対局室に先に姿を見せたのは井山名人。続いてタイトル保持者の伊田十段が入室し、立会人の後藤俊午九段が対局開始を告げた。先番(黒番)に決まった伊田十段が第一着を打った後、白番の井山名人はハンカチで手の汗を拭ってから2手目(白番の初手)を打った。
対局は持ち時間各3時間で、8日夜までに勝敗が決まる。シリーズは4月下旬の第5局まで用意されていて、一方が3勝した時点で決着する。伊田十段には初防衛がかかっている。
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7日には東大阪市で前夜祭があり、両対局者が決意表明をした。
伊田十段は「昨年十段のタイトルを取れて、ここに来られてうれしい。気分的には挑戦者です。僕が最後の砦(とりで)になってしまった。同じ棋士として、七冠を取られるわけにはいかない。全力で阻止したい」。
井山名人は「伊田さんは若く何度も七冠のチャンスがあるが、私に残されたチャンスは少ない。第1局は私の地元(東大阪市)。伊田さんはそのことを頭に置いてほしい。注目のシリーズなので頑張りたい」。(大村治郎、伊藤衆生)
井山裕太六冠の七冠独占が実現するか注目のタイトル戦とあって、対局場にはテレビカメラ6台を含む約50人の報道陣が詰めかけた。
あるテレビ局のスタッフは「日ごろ囲碁を扱うことはないが、歴史的な出来事になる可能性がある」と取材を続け、日本棋院の関係者は「決着が想定される戦いではない第1局で、これほど大勢が集まるとは」と驚きの声を上げた。
控室には、大阪での対局を控えた将棋の深浦康市九段(44)や、囲碁愛好家の作家、百田尚樹さん(60)の姿も。井山六冠と親交のある百田さんは「プロ棋士の解説をじかにきくことができ、勉強になった。井山さんの迫力に、伊田さんがたじろいだのでしょうか」と話していた。
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その積極果敢かつ自由自在の打ちまわしには、素人目から見ても、井山流全開という印象です。さすがの伊田十段も翻弄された感があります。井山ファンとしては、3連勝で七冠達成となるのではないかとうれしくなりました。
次は、23日。プレッシャーが両者にのしかかるでしょうが、少なくとも井山六冠にはそれを楽しむ余裕すら感じられます。ファンとして、伊田十段には申し訳ありませんが、六冠の連勝を期待します。
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