不漁が続くサンマが今年、さらに深刻な漁獲不振に陥っている。北海道の漁港では、例年、漁獲が急増する8月後半の合計水揚げ量が前年の1割に届かず、値段も高い。回復の兆しもないことから、漁業関係者だけでなく、魚市場や小売り関係者からも嘆きの声が漏れ始め、秋の味覚が食卓から遠ざかっている。

 北海道根室市の花咲港など、サンマ主要港の8月16〜30日の水揚げ量は合計800トンに満たない不漁だった昨年でも同期間の合計が8000トンを超えていたが、今年は大幅に少ない。漁業関係者は「お盆すぎにこれだけ水揚げが少ないのは記憶にない」と肩を落とす。

 序盤の不漁に伴い、東京・豊洲市場(江東区)の8月下旬のサンマ相場は、主力の1匹130グラム型の中心値が、1キロ当たり1000〜2000円で推移。前年同時期に比べて2倍近い。高値に張り付いているものの「小ぶりな上に、漁場が遠いせいか鮮度も良くない」と同市場仲卸も険しい表情だ。

 はしりのサンマが売り込みにくいため、同市場の卸業者や仲卸業者は、豊漁のイワシのほか、養殖アユなどの扱いを増やしているが「限られた時期に大量に漁獲され、爆発的に売れるサンマにはかなわない」(卸業者)と話す。

 豊洲市場で取引する都内の鮮魚専門店は「季節物なので高値でもサンマを扱ったが、鮮度も悪く客の反応も鈍いため、仕入れを控えざるを得ない」という。生サンマの扱いを敬遠し、解凍品を並べている店も多い。

 サンマの旬はこれからだが、水揚げが回復するかは疑問視する向きが多い。水産庁は今後の漁について「漁場は沖合を中心に形成され、サンマの来遊量は昨年を下回る」と予想。水産関係者からは「もはやサンマは、秋の魚の主役でなくなるのでは」との声も上がっている。 

**********

庶民の味方であるサンマが食べられないとは、哀しい限り。サンマの乱獲防止策を日本政府は考えるべきです。