以前にも書きましたが、『世界の中心で、愛をさけぶ』はTVドラマ版が映画よりも遥かに良いと思っているゴウ先生です。今回またもや再放送が行われていたのを見直して、思いの正しさを再確認しました。
脚本に無理がない、客観的に見て綾瀬はるかの方が白血病患者のように見えて違和感がない、など色々長所はあるのでありますが、それよりも何よりも脇役の働きが素晴らしいのです。
まずは、朔太郎の母役の大島さと子。こんなに田舎っぺの母親役をやれる演技力をもっていたとは、嬉しい誤算でした。アイドル時代からの隠れ大島ファンとしては熟成された演技の充実にジーンときました。特に朔太郎が亜紀を連れてオーストラリアに行こうとする日の早朝にパジャマ姿でお守りを渡すシーンでは、母親の力強さと思いやりが両方出せていて胸が詰まりました。
次に朔太郎の父役の高橋克実。テレ朝の『Mathew’s Best Hit』でマシューの隣でバカみたいに座っていたり、『トリビアの泉』で軽い駄洒落を飛ばす司会のイメージが強い中、朔太郎の父親をシリアスに演じています。亜紀の葬式がすんだ後「なせ死んだ人を送ってやれない!」と朔太郎を張り倒すシーンには、遅れてやってきた高橋のさらなる可能性を感ぜずにはいられませんでした。
なくてはならないのが、高校の古文教師役の松下由樹。『ココリコミラクル』で芸達者なところを見せつけてくれる、巧さではいまや日本で一、二を争う女優さんです。がっしりとした体をフルに使ったリアリティのある演技はゴウ先生を唸らせ続けます。亜紀を「廣瀬!」、朔太郎を「松本!」と呼ぶところだけで、しびれます。その上、「えーと、今日は13日だから、出席番号31番の人に読んでもらおうかな」という授業中のシーンでは、脚本の緻密さと彼女の演技力がシンクロして、懐かしさにゴウ先生の涙腺をウルウル状態にしてしまったのでした(こんなことを言う高校の先生がゴウ先生の高校にもいたんですよ)。
最後に、亜紀の父親役の三浦友和。昨秋のテレ朝ドラマ『弟』の石原裕次郎役には鼻白んだゴウ先生でありましたが、このドラマの三浦には驚かされ続けました。病院の外の休憩所で娘を亡くす父親の複雑な心境をきつい言葉で朔太郎にぶつけるシーンなど、三浦なしでは考えられないほどしっくりいっていました。さらに最終話で自宅を訪ねてきた朔太郎がに対し、「人に会ったら、まずは挨拶をするものだ」と説教を垂れるところは、もはや三浦を百恵ちゃんの夫などと呼んではならなくなったことを痛感させられました。
TVドラマであろうが、映画であろうが、脇役が支えなければ主役は冴えません。脇役が光るドラマ・映画をさらに期待したい限りです。
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脚本に無理がない、客観的に見て綾瀬はるかの方が白血病患者のように見えて違和感がない、など色々長所はあるのでありますが、それよりも何よりも脇役の働きが素晴らしいのです。
まずは、朔太郎の母役の大島さと子。こんなに田舎っぺの母親役をやれる演技力をもっていたとは、嬉しい誤算でした。アイドル時代からの隠れ大島ファンとしては熟成された演技の充実にジーンときました。特に朔太郎が亜紀を連れてオーストラリアに行こうとする日の早朝にパジャマ姿でお守りを渡すシーンでは、母親の力強さと思いやりが両方出せていて胸が詰まりました。
次に朔太郎の父役の高橋克実。テレ朝の『Mathew’s Best Hit』でマシューの隣でバカみたいに座っていたり、『トリビアの泉』で軽い駄洒落を飛ばす司会のイメージが強い中、朔太郎の父親をシリアスに演じています。亜紀の葬式がすんだ後「なせ死んだ人を送ってやれない!」と朔太郎を張り倒すシーンには、遅れてやってきた高橋のさらなる可能性を感ぜずにはいられませんでした。
なくてはならないのが、高校の古文教師役の松下由樹。『ココリコミラクル』で芸達者なところを見せつけてくれる、巧さではいまや日本で一、二を争う女優さんです。がっしりとした体をフルに使ったリアリティのある演技はゴウ先生を唸らせ続けます。亜紀を「廣瀬!」、朔太郎を「松本!」と呼ぶところだけで、しびれます。その上、「えーと、今日は13日だから、出席番号31番の人に読んでもらおうかな」という授業中のシーンでは、脚本の緻密さと彼女の演技力がシンクロして、懐かしさにゴウ先生の涙腺をウルウル状態にしてしまったのでした(こんなことを言う高校の先生がゴウ先生の高校にもいたんですよ)。
最後に、亜紀の父親役の三浦友和。昨秋のテレ朝ドラマ『弟』の石原裕次郎役には鼻白んだゴウ先生でありましたが、このドラマの三浦には驚かされ続けました。病院の外の休憩所で娘を亡くす父親の複雑な心境をきつい言葉で朔太郎にぶつけるシーンなど、三浦なしでは考えられないほどしっくりいっていました。さらに最終話で自宅を訪ねてきた朔太郎がに対し、「人に会ったら、まずは挨拶をするものだ」と説教を垂れるところは、もはや三浦を百恵ちゃんの夫などと呼んではならなくなったことを痛感させられました。
TVドラマであろうが、映画であろうが、脇役が支えなければ主役は冴えません。脇役が光るドラマ・映画をさらに期待したい限りです。
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自分もこのような文章が書けるように訓練します。
これからは主役ばかりに目を当てるのではなく、脇役の存在感にも注目してドラマ、映画を観ていきたいです。