面白い!記録しておきましょう。
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米グーグルがスポンサーの月面探査レースに日本から唯一参加する民間チーム「HAKUTO(ハクト)」が29日、探査機のモデルを発表した。全長58センチ、高さ約36センチで、最新の航空機などに使われる炭素繊維を使って重さを4キロに抑えた。4輪それぞれの中にモーターをつけ、月面の凸凹もスムーズに乗り越えられるという。
レースは来年の予定で、探査機を月面で500メートル以上移動させ、撮った映像を通信で地球に送ることが課題だ。賞金は総額3千万ドル(約30億円)。探査機を月に送るには重さ1キロにつき約1・2億円かかるため、車輪の滑り止めの突起を減らすことなどで、7キロあった以前の試作機から大幅に軽量化した。
ハクトの袴田武史代表は「日本の得意な小型化で、世界の探査機に比べて軽量にできた」と話す。KDDI、スズキ、日本航空などが通信技術や車両造り、整備などの分野で支援している。
レースには16チームが参加予定。ハクトは9月下旬から月面の条件に近い鳥取県の砂丘で試験走行を重ね、米国チームと同じロケットに探査機を載せてレースに臨む。(藤崎麻里)
月面探査レースに出場の日本チーム、参加ロボットのデザイン公開 KDDIなど協力
KDDIなど大手企業の協力を得て、ロボットによる月面探査レースに日本から出場するチーム「HAKUTO(ハクト)」は29日、探査ロボット「ローバー フライトモデル」のデザインを発表した。コストを抑えつつ、性能を上げるために、小型軽量化と民生品活用を踏まえて設計。来年1月までに実機を製造し、来年内の月面走行の実現を目指す。
ハクトはアイスペース(東京)が運営し、KDDIや日本航空、スズキなど7社が資金面、技術面から支援。コスト減と、日本企業が得意とする小型化思想に基づき、総重量は4キロに設定した。素材や構造を工夫し、振動や熱、放射線などの過酷な環境に耐えるようにする。ハクトの袴田武史代表は「コストとパフォーマンスの最適解をコンセプトに設計した」と強調した。
また、KDDIの田中孝司社長は「3月の発表以来、『夢がある』と大きな反響をいただいている。壮大なチャレンジを応援し、日本中を元気にしたい」と述べた。
このレースは米グーグルが主催する「グーグル・ルナ・エックスプライズ」。日本のハクトを含め、世界各国から16チームが参戦予定。賞金は総額3千万ドル(約30億円)。着陸させ、その地点から500メートル以上移動することや、高解像度の動画や制止がデータを地球に送信するというミッションの実行を競う。
KDDIと、ispaceが運営する月面探査チーム「HAKUTO」は、月面を走行するローバーフライトモデルのデザインを発表した。
9月26日〜10月1日には鳥取砂丘でのフィールド走行試験が実施される。12月末〜2017年1月にはローバー フライトモデルの製造が完了し、2017年中には月面へ打ち上げる。
冒頭、挨拶をしたKDDI代表取締役社長の田中孝司氏は「来年いよいよ打ち上げだ。壮大なチャレンジになる。今回は1g減らすのに相当な努力をされたと思う。一人でも多くの皆さんに応援していただきたい」と語った。
■HAKUTOが挑む「Google Lunar XPRIZE」
HAKUTOは、米グーグルが主催する民間企業による月面ロボット探査コンテスト「Google Lunar XPRIZE(グーグルルナエックスプライズ)」にチャレンジするチーム。XPRIZEでは、民間が開発したロボットを月面へ送り込むこと、着陸地点から500m以上移動すること、高解像度の動画や静止画データを地球へ送信することという3つのミッションが課されており、最初にクリアしたチームには賞金が贈呈される。
■打ち上げ費用は「1kg/1.2億円」
ローバー開発時には、重さに比例する性能面の追求と、コスト面を踏まえた重さの追求という2つの側面から検討を重ねた。当初は10kg程度のものだったが、その一方で検討中には極限まで軽くした2輪モデルのアイデアも挙がった。ちなみにこの2輪モデルは、漫画「宇宙兄弟」にも登場したものだ。
こうした重さの追求は、宇宙開発に向けた障壁として最も大きな部分を占める“コスト面”に関わる。今回HAKUTOが利用する予定の打ち上げロケットでは、月面へ送るには、1kgあたり約1.2億円かかる。つまり10kgとなれば12億円かかる。ではとことん軽くしたものにすると、搭載できる機材が少なくなり、能力が限られてしまう。
ミッションを確実にクリアするには、2輪よりも4輪タイプにしたほうが良いと方針を固め、いくつかの試作を経て、4kgのものに決定した。
■放熱、軽量化対策
宇宙や月面は一体どんな環境なのか。大きな特徴として真空であること、そのため放熱が難しくなること、大量の放射線が降り注ぐこと、そしてレゴリス(堆積層のこと。ここでは月表面の砂礫を指す)の上で活動することが挙げられる。
たとえば放熱対策として、ボディ表面は銀テフロンという素材が蒸着技術でメッキされている。鏡と言えるほど光を反射するよう仕上げられており、これにより赤外線を反射して、内部に熱が入らないようにしている。4つの車輪はULTEM(ウルテム)という素材で作られた。これは眼鏡のフレームにも用いられる樹脂素材で、軽さと強度を兼ね備えている。アルミと比べて熱の伝導率は1/100程度とのことで、月表面からの熱をボディ内に伝えないという役割も果たす。月面での-40度〜100度という環境でも、電子回路に適した-25度〜60度に保たれる。
ボディ素材では炭素繊維強化プラスチック(CFRP)も採用しており、軽量化を図った。
タイヤにある刃は、当初1個あたり23枚だったが、15枚に減らした。重さと走行性能のもっとも効率的なバランスを検証してはじき出された。4つのホイールそれぞれにモーターが備わっており、レゴリスはもちろん、片方が岩など障害物に乗り上げても安定する。
また通信機能では、短距離で高速に通信できる2.4GHz帯と、長距離に届く900MHz帯に対応したアンテナを装備する。パケットロスや遅延なども考慮している。検討時には、バックアップ用に他の周波数への対応も考えたが、軽量化のため見送られた。
ローバーが走るのは月の北緯45度周辺とのこと。その周辺でもっとも効率的に太陽光を受けられるよう、側面には太陽光パネルが70度の角度で設置されている。
ローバーには、360度の視界を実現するため、前後左右に4台、カメラを設置している。360度で撮影することがXPRIZEの要件のひとつであり、そのためにも4台のカメラが搭載されたのだという。
■セガ・サターンのチップでモーターを制御
HAKUTOは、ローバーの設計にあたって、コストと重量、そして民生品を活用することを選んでいる。たとえば宇宙での使用実績があるモーターよりも、民生品を使えば、テストの手間はかかるものの、コストを抑え、納期を短縮できる。
今回は耐放射線性能などのテストをクリアした、スマートフォンや自動車で利用される電子機器などを採用。ローバーの部品点数のうち70%が民生品だという。そうした民生品の多くは産業用や自動車用など、物理的あるいは化学的に厳しい環境下で利用されるものを転用した。たとえば民生用のモーターを用いる場合も、真空空間に対応したグリスを用いている。
担当者によれば、モーター制御用のチップにはセガ・サターンのチップが利用されている。世代としては古いものだが、最新の集積回路では放射線が当たったときの負荷が大きくなるが、プロセスルールが古い32bitのセガ・サターンのチップは、ある程度の計算力が求められつつ、過酷な環境でも安定して動くことから採用されることになった。
■新たなアンバサダーに神田沙也加
HAKUTOをサポートするパートナー企業として、眼鏡チェーンの「Zoff」を展開する株式会社インターメスティック代表取締役会長兼社長の上野照博氏、日本航空(JAL)代表取締役社長の植木義晴氏らが登壇した。インターメスティックの上野氏は、ローバーの素材にも用いられているウルテムを使った同社の眼鏡の売上が300万本に達していることを紹介する。
JALの植木社長も炭素繊維が航空機に用いられており技術面で協力できることをアピール。
同じくパートナー企業のセメダイン代表取締役社長の岩切浩氏は、同社の「スーパーX」という商品は世界の電子部品設計において定番と言えるほど利用されているとして、接着技術でも月面ローバーの設計を支えると意気込む。
会場には、アンバサダーとしてHAKUTOを応援する篠原ともえに加えて今回より新たなアンバサダーになる神田沙也加が登場。さらにCMに出演するサカナクションの山口一郎も姿を見せて、篠原ともえと神田沙也加が“宇宙姉妹”としてユニットを組み、その2人に山口が楽曲提供を約束する、という場面もあった。
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夢もロマンもいっぱいの企画です。これで、このHAKUTOが無事月面を走り、優勝してくれたら、これに越したことはありません。日本の科学技術のすばらしさを世界にアピールできます。
成功を祈念します。
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