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関空の混乱は、台風への「想定外」を許した人為的ミスだ

2018年09月06日 08時36分52秒 | 時事放談: 国内編

また「想定外」ですか。この国は、あまりに「想定外」が多すぎます!

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連絡橋の長期間不通、関空はBCPで想定せず 備え後手

連絡橋の長期間不通、関空はBCPで想定せず 備え後手

冠水から一夜明け、まだ誘導路付近に水が残る関西空港=2018年9月5日午前、大阪府泉佐野市、水野義則撮影

(朝日新聞)

 24時間運用可能な関西空港が、滑走路閉鎖から1日以上たっても再開できなくなった。取り残された利用客らは一夜明けた5日朝から順次救出されたが、対応の遅れにいらだちを募らせた。運営会社の業務継続計画(BCP)で想定していた災害は地震・津波台風の備えについて、「甘かった」と認めた

 「(台風を)やり過ごそうと思ったが、高潮にさらわれてしまった」

 関西空港を運営する「関西エアポート」(本社・大阪府泉佐野市)は5日夜、西尾裕・専務執行役員が報道陣の取材に応じ、今回の事態についてこう述べた。

 非常に強い台風21号の接近に、関西の鉄道各社は3日から警戒を強めていた。関空と対岸を結ぶ関空連絡橋の鉄道路線を担うJR西日本と南海電鉄は、4日正午をめどに全線を運休すると事前に発表していた。

 ただ、航空会社の関係者によると、関空では「夕方には再開できる」との見通しが伝えられていた。

 現実には、関空が想定してきた1961年の第2室戸台風を上回る過去最高の329センチの潮位を記録し、第1滑走路は冠水した。連絡橋はタンカーの衝突で激しく損壊し、片側の道路しか走れなくなった。

 一方、関西エアポートの関係者によると、この日の職員の出勤は必要最小限でよいとの連絡があり、出社職員は少なめだった。応援も得られず、取り残された利用客への情報提供は後手に回った

 「最初から最後まで何が起こっているかわからなかった」。関空で1日半以上足止めされた京都市の男性会社員(33)は憤る。

 4日午前の便でソウルへ向かう予定だった。「(4日)夜なら飛ぶ」と航空会社に言われ、便を変更して妻と待ったが、同日午後に滑走路が閉鎖された。「5日朝から高速船が出ることも情報提供がなかった

 関西エアポートの業務継続計画(BCP)で想定される災害は、南海トラフ地震のような地震・津波。「津波で浸水する可能性は極めて低い」「ライフラインは短期間で復旧する」と記され、連絡橋が長期間不通になるような事態は想定されていなかった。

 外国人観光客の急増で、今年度の利用客数は1日あたり8万人を超えるが、食料や水などの備蓄は1万人3日分だった。ある航空会社の担当者は「危機意識が追いついていなかったのではないか」と指摘する。

地盤沈下に悩んできた関空 想定外の冠水・タンカー衝突
朝日新聞 2018年9月4日23時22分

 台風21号の高潮で大規模に冠水した関西空港は大阪湾に浮かぶ人工島で、1994年の開港以来、地盤沈下に悩まされてきた津波や高潮の高さを下回らないよう護岸のかさ上げ工事を繰り返してきたが、「想定を上回る潮位」に襲われた上、タンカーが連絡橋に衝突し、孤立状態に陥った。

 関西空港は、2本ある滑走路のうち第1ターミナルビル南側にある第1滑走路(全長約3500メートル)が全面的に浸水した。国土交通省などによると、滑走路は海面から高さ5メートル地点にあるが、最大50センチ冠水した。

 運営会社の関西エアポートによると、4日の日没までに浸水被害の全体状況を確認することができず、運航再開の見通しについて、広報担当者は「まったく未定」と繰り返した。

 関空島は大阪湾の泉州沖約5キロの海上に造成された。同社によると、地盤沈下はいまも続き、94年の開港以来、昨年までに約3~4メートル沈んでいる。2004年には台風による高潮と高波で護岸が崩れ、浸水被害が出たこともあった。

 地盤沈下の影響で護岸が高潮や津波を下回らないよう、これまで護岸のかさ上げ工事を順次進めてきた。大阪湾で過去最高の293センチの潮位を記録した1961年の第2室戸台風と同じレベルの潮位の際に、50年に1度の高波が来ても護岸を超える波を抑えられるような高さに継ぎ足した。

 だが、気象庁によると、大阪の潮位は4日午後2時18分に329センチとなり、過去最高を更新した。同社は「想定を上回る潮位になったということではないか」と話す。

 さらに、関空と対岸を結ぶ関空連絡橋も通行止めになった。連絡橋は全長3・75キロ。片側3車線の高速道路の下にJRや南海電鉄が通る線路が敷設された二重構造で、空港開港と同時に供用が始まった。

 タンカーの衝突で橋桁が大きくずれた。関西エアポートによると、「桁は大地震でもずれない設計になっていた」という。土木設計の専門家は「船がぶつかるといった事態は想定していなかっただろう」と話す。

 連絡橋の中心付近は海面から25メートルの高さが確保され、通常なら大型船が下を航行することも可能になっている。関空で勤務経験がある国交省職員は「衝突したのは空港島寄りで橋が低くなっている場所のようだが、タンカーが衝突するなんて想像もできなかった。よほど潮位が高かったのか」との見方を示した。

「西の玄関口」の今後は?

 1994年に日本初の24時間空港として開港した関空は近年、格安航空会社(LCC)を積極的に誘致し、訪日客の「西の玄関口」として存在感を高めてきた。

 2017年度の国際線旅客数は前年度比14%増の2190万人となり、4年連続で過去最高を更新。訪日客の消費は関西経済の一番の押し上げ要素となっていた。滑走路や連絡橋の全面復旧が遅れれば、一時的にでも「関空離れ」が起きる懸念もある。「旅行者への影響が心配」(南海電鉄)、「他の地域に訪日客が流れるのでは」(百貨店関係者)との声も出る。

 関空は日本有数の貿易拠点としての顔も持つ。半導体や光学機器などの輸出、医薬品などの輸入拠点となっており、17年度の国際貨物量は前年度比13%増の83万2千トンと好調だった。

 半導体メーカーのロームは「現時点では影響が出るか分からない」(広報)といい、情報収集を急ぐ。航空貨物を取り扱う阪急阪神エクスプレスは、関空の復旧が長引けば成田空港などへの振り替えも検討するという。一方、スイスの製薬大手ノバルティスは「輸入は船便も多く、在庫も十分。すぐに影響は出ないはず」(広報)としている。

近畿の国際線まひ状態=関空に機能集約で―外国人客問い合わせ相次ぐ・台風21号

 関西国際空港(大阪府泉佐野市)が台風21号による高潮の影響で閉鎖されたことで、近畿の国際線はまひ状態となっている。近畿圏の国際線機能は関空に集約されており、他に運航できる空港がないためだ。現状では、羽田や成田、中部などの空港を発着する便を利用するしかなく、閉鎖期間が長引くほど影響は拡大する。

 関空の周辺には伊丹空港や神戸空港がある。ただ、伊丹の国際線機能は開港に伴い関空へ移されており、神戸は当初から国内線専用として整備された。

 全日空は台風直撃前の時点で、関空の国際線では1日14便が発着していた。同社によると、関空閉鎖以降、帰国を予定していた外国人観光客から「航空チケットを別の便に振り替えられないか」という問い合わせが相次いでいるという。

 日本航空も1日16便の国際線を運航していた。国際線の搭乗率は国内線よりも高くなるケースが多いといい、同社は現状では利用者の需要を満たせないと判断。5日から成田とホノルルなどを結ぶ路線の臨時便を運航することにした。ただ近畿と成田との間の国内移動は、国内線や新幹線など鉄道を使うしかない。

 国土交通省は「現時点では、国際線が運航されている他の空港へ行くか、関空の機能復旧を待つしかない。航空各社には利用者に対して丁寧に対応するようお願いしている」としている。 

関空に怒り直撃 台風21号8000人孤立「災害対応できてない」

 西日本を中心に広範囲で猛威を振るった台風21号による死者は11人となった。関西国際空港では5日、孤立した利用客らを早朝から高速船やバスで神戸空港や対岸へピストン輸送した。客からは「関空が災害に全く対応できていない」と、長引く停電や情報が行き届かなかったことに対し怒りの声が相次いだ

 この日早朝、関空から神戸空港への高速船に乗ることができた主婦(51)は「停電で災害時に使えるはずの自動販売機も無線LANも使えなかった。喉が渇いても、コンビニには2時間以上の列ができていた」と説明した。高速船が出ることは貼り紙による案内だったことから「職員もインフラも災害に全く対応できていない」と不満をあらわにした。

 関空から対岸の泉佐野市へバスで輸送された複数の客によると、空港内は空調が効かず蒸し暑く、館内放送もなし断水で使用できないトイレもあり、通信環境が悪くスマホで情報収集ができなかった。関空によると、空港には従業員を含め最大8000人が取り残された。

 夜になって関空の運営会社幹部が会見し、機能停止に陥った一因について言及。地下にある防災センターでアナウンス、モニターなど情報伝達機器や空調などをコントロールしているとし「水をかぶって全て電源が落ちた。なすすべがなかった」と明かした。今後は防災センターを高い場所へ移すことなどを検討していくという。

 11年東日本大震災で津波による被害を受けた仙台空港では、震災後、停電を防ぐために自家発電機の置いてある部屋の扉を水圧に耐えられるよう強化。配線も水に漬からない高い位置を通すようにするなど工夫している。

 航空評論家で危機管理に詳しい小林宏之氏は復旧のめどについて「滑走路は水はけがいいが、航空機を支援する車両が使えなければ運航できない」と指摘。「気象変動によって、今後も想定外のことは起こり得る。非常電源が影響を受けないようにするなどダメージを少なくする減災対策が必要だ」とした。

 関空は6日も閉鎖が続く見通し。被害が深刻な場合、滑走路やターミナルビルの運用を再開できるまで1週間程度はかかるとみられる。タンカーの衝突で数メートルずれた橋桁の補修は数カ月以上かかる可能性もある。航空物流の混乱や訪日外国人客の観光キャンセルなど幅広い産業への影響も深刻化。関空を通じた2017年の輸出額は約5兆6000億円に上り、閉鎖が長引けば国内経済への打撃も避けられない。
 
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東日本大震災では、「想定外」という言葉が為政者や担当者から多用されて、うんざりしました。少しは頭を使っておけよといいたくなりました。
 
にもかかわらず、地盤沈下が続いていた人工島・関空島にある関西国際空港で、東日本大震災の教訓が活かされなかったのです。
 
関西エアポートは、何をしていたのでしょう。取り残された8000名の人びとの憤懣も十分に理解できます。関西エアポートには、「想定外」という言葉は使ってほしくありません。は、もっときちんとした災害対策をしておいてほしいものでした。
 
洪水に台風、大阪は呪われているという意見もあるようですが、人為的に対応もできたはずです。
 
「想定外」という言い訳を使わないで済むように、日本中の担当各位には災害に対する徹底した措置を望みます。

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