研鑽に物怖じしない綾瀬嬢の天然ぶりは、凄いものです。
**********
〈高倉健撮影日誌:8〉綾瀬はるかさんとの会話に爆笑
朝日新聞 2012年8月1日03時00分
10月30日 長崎県平戸市・薄香港
英二の旅の最終目的地、薄香でのロケ2日目です。
翌日がハロウィーン。健さんがチョコやキャンディーの小袋を、撮影を見に来ていた子供たちにプレゼントすることになりました。子供たちを集めて小袋を配り、楽しそうに会話しています。子供たちはもちろんのこと、親御さんたちも大興奮でした。
雨がポツポツ降り出し、だんだん強くなっていく中で、健さんがたたずむという設定での芝居。台本にはなく、現場で作られたシーンです。ポツポツ感を出すためにまず、葉のたくさんついた枝に水滴をつけ、健さんの上で振ります。
雨脚が強くなった後は、ホースで水を浴びせていきます。健さんは水をかけていたスタッフに「ありがとうございました!」となぜかお礼。スタッフは恐縮することしきりでした。
この日はナイター撮影になりました。待ち時間に、ボウッと灯(とも)る街灯の下、独りで立っている健さんがいました。何やら考え事をしているかのようで、哀愁漂う後ろ姿。この街灯が「なんだか寂しそうだったので近づいていった」のだそうです。現場の喧噪(けんそう)の中、そこだけは健さんの領域という感じで静寂な空気が支配していました。
この日から、綾瀬はるかさんが参加しました。地元にある濱崎食堂の明るく活発な娘、奈緒子の役です。
健さんにあいさつにやって来た綾瀬さん。「耳が大きいですね」と、いきなりフランクな会話。健さんも「そう? でも、福耳じゃないんだ。耳が大きいと風がたくさん当たって冷たいんだよ」と返します。
「これからが大変だよ」と言う健さんに、綾瀬さんは「何がですか? 撮影? あ、人生ですか、これからの」。天然気味の綾瀬さんと健さんの会話にスタッフは大爆笑。
ただし、本番の綾瀬さんは普段のおっとりした姿からは想像できないものでした。激しい雨の中に勇ましく飛び込んでいきます。迫力ある九州弁で英二を圧倒する演技を披露しました。健さんも現場のスタッフをも圧倒するほどの演技でした。(東宝・中村仁美)
**********
このくらい天然だと、これからの大変さもどうということはなさそう。見習いたくなります。
高倉健『あなたへ』撮影日誌9へ
+++++健さんの著作集+++++
あなたに褒められたくて (集英社文庫) | |
高倉 健 | |
集英社 |
旅の途中で (新潮文庫) | |
高倉 健 | |
新潮社 |
南極のペンギン (集英社文庫) | |
高倉 健 | |
集英社 |
高倉健 想~sou~ 俳優生活五〇年 | |
高倉 健 | |
集英社 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます