女流将棋5冠の里見香奈女流名人(27)=女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=が4日、大阪・関西将棋会館での第13回朝日杯将棋オープン戦1次予選で、有森浩三七段(56)と畠山鎮七段(50)に連勝した。

 男性棋士(プロ)に1日2勝で、公式戦は通算17勝27敗(テレビ未放送分含む)。ここ14戦は9勝5敗次の公式戦に勝てば「最近の成績が10勝以上かつ勝率6割5分以上」というプロ編入試験の受験条件を満たす

 昨年3月、26歳の年齢制限のため奨励会を退会した最強女流が、女性初のプロへの再挑戦権に近づいた。

 午前の有森との斬り合いを制し、午後からは研究会での恩人・畠山と初の公式戦で恩返しを果たした。受験資格に王手をかけたが「まったく意識していなかったです」。次戦の重圧も「意識していないので、そういったプレッシャーはないです。のびのびと指せれば」と平常心を強調した。

 プロ編入試験は2006年に規定が定められた。資格を得てから1か月以内に申請でき、受験料は50万円。同年にアマチュアの今泉健司四段(45)が受け、当時の四段を相手に3勝1敗で勝ち越して合格。15年4月付でプロ入りした。以降、受験者はいないが、里見女流名人が2人目の挑戦者になれるか注目される。

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里見香奈女流五冠は、並みの四段なら絶対に勝ち越せるはずです。この人をきっかけに「女流棋士」から「女性棋士」、そして単なる「棋士」と呼ばれる強い女性の棋士が生まれることを望みます。その意味で、次の対男性公式戦の結果が気になってたまりません。