胃液が食道に逆流することで起こる胸焼けなどの症状「胃食道逆流症」の改善に、禁煙治療が有効との研究を大阪市立大の藤原靖弘准教授らがまとめ、5日に論文を米科学誌プロスワンに掲載した。これまでも、喫煙や飲酒により胃食道逆流症が悪化することは知られていたが、日本人患者を対象に禁煙による治療効果を実証したのは初めて。

 胃食道逆流症は重症化すると潰瘍や出血、狭窄(きょうさく)を起こすこともあり、一般には「逆流性食道炎」の名称で知られる。胃酸分泌を抑制する薬物治療が行われているが、長期使用により骨折などのリスクが高まる

 藤原准教授らは、禁煙外来を受診した患者のうち、12週間の禁煙治療を実施できた患者を対象に、1年後の禁煙の成否と症状改善の有無を調査し、191人から回答を得た。禁煙に成功した141人では、胃食道逆流症と診断された人が初診時の51人から1年後は29人に減ったのに対し、禁煙に失敗した50人では、初診時の22人に対し1年後は18人と、微減にとどまったという。

<逆流性食道炎>胃酸逆流、禁煙が効果 大阪市立大発表
02月04日 23:24 毎日新聞

 胃酸が逆流して食道に炎症が起きる「逆流性食道炎」について、禁煙で症状が改善したとする研究成果を大阪市立大の研究グループが発表した。治療に胃酸の分泌を抑える薬が使われるが、禁煙だけで治る可能性があるという。5日付の米電子科学誌プロスワンに論文が掲載される。

 逆流性食道炎は成人の10〜20%が発症するとされる。胃酸で食道の粘膜が傷つき、胸焼けなどの症状が出る。悪化すると出血の恐れがあり、まれにがんを発症する。喫煙、飲酒などの生活習慣や肥満が一因とされる。

 大阪市立大医学研究科の藤原靖弘准教授(消化器内科学)らは、もともと逆流性食道炎を発症し、禁煙外来で約3カ月の禁煙治療を受けた73人について、1年後の追跡調査で症状を検証した。

 その結果、禁煙を続けていた51人のうち22人(43%)は逆流性食道炎が治っていた。一方、喫煙を再開した22人では、逆流性食道炎が治ったのは4人(18%)に過ぎなかった。

 逆流性食道炎は薬で逆流そのものを抑えられず、服用を続ける必要がある。骨折しやすくなるなどの副作用の報告もあるという。藤原准教授は「禁煙だけで治療できれば、薬の副作用を心配しなくてよくなる」と話している。【吉田卓矢】

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まだタバコと縁を切る11年以上前のことです。1日60本から100本吸っていた貧乏英語塾長、しばしば逆流性食道炎を起こし、ひどい胸やけに苦しんでいました。

それが、タバコをやめて11年。逆流性食道炎を一度も起こしたことがなく、そういう病気があったことすら忘れていました。

喫煙は、ある意味、あらゆる病気の源なのです。タバコと縁を切って本当によかったと胸をなでおろしています。

タバコと縁が切れない人は、それがタバコの恐ろしさだと思うべきです。覚せい剤使用ほどひどくはなくても、喫煙も同じ薬物中毒行為なのですから。