中学生・高校生の英語力は、指導する英語教員の実力次第なのだと痛感させられました。
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文部科学省は4日、全国の中高生らを対象にした2015年度の「英語教育実施状況調査」結果を発表した。高校3年生で「実用英語技能検定(英検)準2級程度」以上の英語力を持つ生徒は34・3%、中学3年生で「英検3級程度」以上の英語力を持つ生徒は36・6%で、いずれも前年度比で2ポイント以上増えた。
ただ、政府が17年度までに達成を目指す50%の目標には現時点では及んでいない。
英検によると、英検準2級は「日常生活に必要な英語を理解し、使用することができる」(高校生レベル)、3級は「身近な英語を理解し、使用することができる」(中学卒業レベル)とされている。
調査は昨年12月、全公立中学、高校計約1万3000校の中3生、高3生について、各都道府県教委などを通じて実施。「英検準2級程度」「英検3級程度」については、試験で資格を取得した生徒に加え、教員が普段の授業などから同等の力があると判断したケースを含めて集計した。
文部科学省は4日、公立の小中高校での英語教育の状況について調査した結果を発表した。中学卒業時の目標とされる英検3級以上の英語力を持つ中学3年生は、全体の37%だった。国は2017年度までに50%をめざしている。今回は初めて都道府県別のデータを公表した。
文科省の「英語教育実施状況調査」は、生徒や教員の英語力向上のため、英語教育の実態を把握するのが目的。昨年12月、中学9522校、高校3409校などを対象に実施された。
「中学卒業時に英検3級程度以上が50%」「高校卒業時に英検準2級〜2級程度以上が50%」を2017年度までに達成するのが国の目標だ。中学では、英検3級以上(同レベルの民間試験を含む)を取得した生徒数と、学校ごとに英語教員が判断した「英検3級以上相当の力があると思われる生徒数」を合算。英検3級以上の英語力を持つ中学3年は36・6%となり、前年度を2ポイント上回った。
最も割合が高かったのは千葉県の52・1%。秋田県48・6%、東京都47・9%と続いた。最低は高知県の25・8%だった。
英検3級以上を取得した生徒だけでみると、秋田県の39・7%が最高で、和歌山県31・8%、東京都30・2%の順だった。最低は大阪府の9・7%だった。
高校生では、英検準2級以上の英語力を持つ高校3年生は34・3%で、前年度より2・4ポイント上がった。
一方、中学の英語教員の英語力を見ると、英検準1級を取得したのは30・2%で、前年度から1・4ポイント上がった。最高は福井県の51・7%、最低は岩手県の14・6%だった。高校の英語教員で英検準1級を取ったのは57・3%だった。国は英検準1級を持つ中学教員の割合を17年度までに50%にすることをめざしている。
文科省の担当者は「生徒の英語力が高い県の共通点は、まず教員に指導や評価の力をつけようとしていること。英語の授業を英語で行うことにも積極的な教員が多い」と分析する。(片山健志)
英語教育状況調査
中学は千葉1位 国、英検などで初評価
毎日新聞 2016年4月4日 20時46分(最終更新 4月4日 23時21分)
文部科学省は4日、全国の公立小中高校を対象にした2015年度の「英語教育実施状況調査」の結果を公表した。今回初めて、中学3年と高校3年の英語力を都道府県別に公表し、千葉県が中学で1位、高校でも2位だった。高校1位は群馬県。上位には、英検などの外部試験の受験を積極的に勧めたり、指導法に関する教員研修を増やしたりしている自治体が目立った。
調査は、中3は「英検3級以上を取得、または3級以上相当の英語力がある生徒の割合」、高3は「英検準2級以上を取得、または英検準2級以上相当の英語力がある生徒の割合」を各学校に聞いた。
この基準に達する生徒の割合は、中3が(1)千葉52.1%(2)秋田48.6%(3)東京47.9%−−の順。高3(英語教育を主とする学科の生徒は別集計)は(1)群馬49.4%(2)千葉45.5%(3)福井42.5%。中3の全国平均は36.6%(前年度比2ポイント増)、高3は同34.3%(同2.4ポイント増)だった。
ただ、英検資格がない生徒は、教員が普段のテストや授業の状況から「3級相当」などと判断する方式のため、評価にばらつきがある可能性もある。
英語担当教員の英語力も14年度に続き公表した。英検準1級を取得した教員の割合は、中学が全国平均30.2%(前年度比1.4ポイント増)、高校が同57.3%(同1.9ポイント増)。中学では宮城と滋賀が前年度比約10ポイント上昇し、高校は熊本が同約19ポイントアップした。
政府が13年度に定めた「第2期教育振興基本計画」は、17年度までに50%の生徒が「高校卒業段階で英検準2級程度〜2級程度以上」、「中学卒業段階で英検3級程度以上」に達するよう目標を設定している。
文科省によると、英語力が高い生徒が多い自治体は各学校が「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能ごとに学習到達目標を設けたり、教員研修を重ねたりしているところが多い。全学校が目標を設定する県がある一方、1割以下の自治体もあるなど、取り組みに大きな開きがあるという。
文科省は都道府県別のデータを公表した理由について「生徒の英語力を伸ばすためにどんな取り組みをするか、各教委や学校が考える参考にしてほしい」と説明している。【佐々木洋】
「読む」「聞く」の試験を積極利用
生徒の英語力が上位になった自治体は英語教育に独自の工夫をしている。
中3が1位、高3が2位だった千葉県は、県教委が2015年度から、日本英語検定協会が開発した「読む」「聞く」2技能の判定テスト「英検IBA」の受験を勧め、公立中学、全日制高校のほとんどが参加している。テスト時間が45分で授業時間内に実施できる。生徒の学力を把握し、指導する指標になっている。
また、県教委は指導力向上のため教員の研修を重視している。中高教員は15〜18年度のいずれかに年4日、神田外語大(千葉市美浜区)の教授らが講師を務める研修を受講するよう義務付けられている。
中3が5位、高3が3位の福井県は、県内のほぼ全ての中学、高校が定期試験などにリスニングテストを取り入れるなど会話を重視した授業をしている。教員が授業方法や教材について議論する自主的な研究会もある。
外国語指導助手(ALT)は中高合わせて82人(昨年4月現在)。生徒1000人当たり1.7人と全国平均(0.2人)より高い。
県教委も会話を重視した独自の副教材を作り、現場を後押ししている。【渡辺暢、岸川弘明】
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英語によるコミュニケーションもできないような先生が、いまでも「英語教師でござい」と現場にマイナス要素をまき散らしている可能性が高い一方、熱心な先生たちは自分の英語力を強化し、積極的に生徒の英語力向上を図る努力をしています。この差が、生徒の実力の差になっていることが、今回の調査で如実に明らかにされました。
生徒の英語力を伸ばしたかったら、まずは自分の英語力を伸ばす。
英語教員として、肝に銘じなければならない大切な事実です。
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