いやあ、強かった。この調子なら、一気に七冠達成も夢ではありません。
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井山名人、4連勝で防衛 囲碁名人戦第4局
朝日新聞 伊藤衆生 2015年10月6日20時18分
第40期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局は2日目の6日、三重県志摩市のホテル「賢島宝生苑(ほうじょうえん)」で打ち継がれ、午後7時57分、井山裕太名人(26)=棋聖、本因坊、碁聖をあわせ四冠=が挑戦者の高尾紳路天元(38)に227手までで黒番中押し勝ちし、開幕戦からの4連勝で名人防衛を果たした。3連覇で、通算では5期目の名人獲得となる。
今シリーズはタイトル保持者同士による頂上対決。井山名人は9期ぶりの名人返り咲きをめざした高尾挑戦者を寄せ付けず、ストレートでタイトルを守った。
第一人者の井山名人は今年、保持する四つのタイトルすべてを防衛した。まもなく開幕する王座戦と天元戦の二つの五番勝負の挑戦者となっており、年内にあと二つタイトルを増やす可能性を残している。
井山名人は大阪府東大阪市出身。2002年、12歳で日本棋院関西総本部のプロ棋士になった。05年、16歳4カ月で一般公式戦の史上最年少優勝記録をつくった。09年、七大タイトル戦史上最年少となる20歳4カ月で名人に。一昨年、史上最多となる六冠となり、生涯に七大タイトルすべてを一度は獲得する「グランドスラム」も達成した。(伊藤衆生)
井山名人の話 ぎりぎりの勝負ばかり。結果的に踏ん張れてよかった。3連覇は非常にうれしい。名人は重みのあるタイトル。少しでもふさわしい棋士になりたい。今後もいままで通り、目の前の一局を精いっぱい戦うだけです。
高尾挑戦者の話 1勝もできなかったのは情けないですけれど、これがいまの実力。勝てるチャンスがあったのは2局目しかなかった。その碁を負けたのが残念だった。
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下辺白58が封じ手。1日目から続いていた碁盤の下方一帯の競り合いは白78でようやく落ち着いた。戦場が移って、上辺黒97、99が、大乱戦の発端となった名人の仕掛け。大石同士の攻め合いの絡む難解な攻防は、下辺にまで及ぶ壮絶な戦いとなった。最後は名人が、上辺から中央にわたる白の大石を仕留めて激闘を締めくくった。持ち時間各8時間のうち、残り時間は黒番の名人が2分、白番の挑戦者が1分だった。
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高尾天元にしても、タイトルホルダーなのですから、強豪です。その挑戦者に4連勝というのですから、井山名人の強さが光ります。しかも、戦いを恐れずに圧倒するところに、読みの深さと大胆な発想が表れ、この人に勝つのは容易ではなかろうと素人にさえ思わせてくれる凄さでした。
王座戦と天元戦を奪取することになれば、十段戦の挑戦者を狙いながら、棋聖の防衛戦を戦うことになります。過酷なスケジュールであることは間違いありません。しかし、26歳の充実期にあるいましかできないことでもあります。ぜひとも「年間グランドスラム」の七冠達成を成し遂げてもらいたいものです。
戦士に休息なし。大変でしょうが、名人、いや四冠、七冠めざしてがんばってください。
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