自分のことを申し上げて何ですが、ゴウ先生は、中学校と小学校に通う3人の子供の父親です。それがあろうことか、2003年12月31日まで子供たちの前でタバコを吸い続け、彼らに受動喫煙の被害を与えてしまっていたのです。いまから思えば、何とひどいことをしていたダメ親父だったのでしょう。子供たちに謝っても謝れるものではありません。大反省です。
とにかく、日本人はすべからく受動喫煙の実態を知らなければなりません。受動喫煙とは、隣で実際に吸う人の煙からばかり起こるわけではないのです。タバコを吸わない時でもスモーカーが吐く息や衣服さらには喫煙された部屋の壁などについた化学物質から、周囲の人は受動喫煙を余儀なくされるのです。
つまり、喫煙者がその部屋でタバコを吸った事実が過去にあるとしましょう。そうすると、多かれ少なかれ、その部屋に入った人は、自動的に受動喫煙をしている可能性があるのです。怖い話だと思いませんか。
こんな大切な事実を、恥ずかしいことに、タバコを止めて知りました。猛省するしかありません。
でも頭ばかり下げていても仕方ありません。子供たちの健康は、我が家の重点目標であり、国家の重点目標です。そうなれば、気になるのは、家庭の次に多くの時間を過ごす学校の受動喫煙対策です。
高校時代、喫煙検査をする教員たちがヤニ臭いのには抵抗がありました。「タバコを止めろと言うのなら、自分がまず止めろ」という青臭い論理です。それから20年以上もタバコを吸い続けたのですから、身勝手極まりない話だとは分かっていますが、それが不当に取締りを受けていると感じていた若輩者の本心でした。
それから時代が変わり、ヤニ臭い先生もだいぶ減っているようです。昨日の新聞では、各紙、文科省が調査した全国の学校の実態が報道されました。まずは、見出しからご覧ください。
日経:学校の受動喫煙防止策、95%が実施済み・文科省初調査
産経(共同):全面禁煙、学校内は45% 文科省調査
朝日:児童・生徒の受動喫煙、小中高校の1%は防止策とらず
読売:全国の小中高400校、禁煙・分煙対策全く行わず
面白いですね。見出しだけでも、日経・産経は学校の受動喫煙対策がかなり進んでいると好意的な見方をしているのが分かります。それに対して、普段は犬猿の仲である朝日と読売がまだまだ対策は不十分であると一緒に肩を並べて主張しているのです。
その立場の違いを踏まえつつ、各紙の情報から、現在の日本における受動喫煙対策の実態を読み取ってみましょう。
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日経:学校の受動喫煙防止策、95%が実施済み・文科省初調査
全国の幼稚園や小中高校の95.3%が教員の喫煙による児童生徒らの受動喫煙の防止策を講じていることが26日、文部科学省がまとめた初の調査結果で分かった。半数近くは敷地内を全面禁煙にしている。同省は「対策の実施率は思ったより良好で、受動喫煙の防止に積極的な姿勢がうかがえる」(学校健康教育課)と話している。
調査は国公私立の幼稚園・小中高校全約5万3000校と教育委員会を対象に実施。調査結果によると、敷地内の全面禁煙は全体の45.4%、建物内の全面禁煙は23.6%が実施。建物内に喫煙場所を設けて分煙の措置を講じているのは26.3%で、対策実施校が95.3%を占めた。
対策を講じていないのは4.7%、2485校。文科省は「8割強が幼稚園で、喫煙する教員がいない学校が多いのではないか」(同)としているが、今後、都道府県などに対策の徹底を促す方針。 (22:36)
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太字箇所を見てもらえれば分かるように、日経は4紙の中で一番好意的に学校の取り組みを捉えています。日経記者はスモーカーなのでしょうか。ゴウ先生には、対策はまだまだ甘いと思うのですが・・・。
次に産経です。
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産経(共同):全面禁煙、学校内は45% 文科省調査
全国の小中高校などの45%が建物と敷地内を全面禁煙にしていることが26日、文部科学省の調査で分かった。建物内だけ禁煙も24%で実施、分煙を含めると95%が受動喫煙への対策を取っていた。
文科省は「かなり高い割合で対策がなされているが、さらに進めてほしい」としている。
調査は4月時点で、全国5万3039の国公私立の小中高校、幼稚園などを対象に実施した。
禁煙以外では、建物内で分煙をしているのは26%、何も対策をしていないのは5%だった。
「建物と敷地内の全面禁煙」は幼稚園が52%、小学校44%、中学39%、高校44%。
「建物内だけ禁煙」は小28%、中24%、高12%。分煙は小26%、中37%、高44%だった。
公立の全面禁煙実施の割合は静岡県がほぼ100%で、和歌山県99%、秋田県96%の順。
また、禁煙や分煙などの対策を取っていないのは国立がゼロ。公立が2%だったのに対し私立は16%で、うち幼稚園が19%と高い割合だった。文科省は「幼稚園は園内で喫煙する人が少なく、対策を取る必要のない所が多いため数字が大きくなった。私立の数字が大きいのも幼稚園の割合が高いため」としている。(共同)(08/26 18:30)
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最初の太字箇所に注目してください。産経(共同)は、学校側の取り組みをそれなりに評価しつつも、もう一段の努力を求めているのが分かります。日経の記者と違う文科省関係者から話を聴いたのだろうかと訝るほどです。どちらが本当のコメントやら、読み比べをすると「藪の中」に入ってしまいます。(これだから、新聞の読み比べをやめられないのですが・・・。)
それにしても、静岡はすごいです。これで国立静岡大学付属の小・中学校へ子供たちを通わせたら、きっとタバコの臭い一つしない、きれいな空気で勉強をさせてあげられるのでしょう。うらやましい限りです。お茶も美味しいし、ゴウ先生の大好きな日本酒も磯自慢はじめ名酒ばかりなのは、タバコを吸わない人が多いからなのかと想像したほどです。
もっとキツイ要求をしているのが、朝日と読売です。面白いので2紙続けて読んでみてください。
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朝日:児童・生徒の受動喫煙、小中高校の1%は防止策とらず
2005年08月26日20時22分
全国の小中高校全体の1%にあたる計400校で、受動喫煙防止対策が全く講じられていないことがわかった。一方、ほぼ半分は学校敷地内そのものを全面禁煙にしていた。文部科学省が26日、公表した。
この調査は、受動喫煙防止をうたった「たばこ規制枠組み条約」が今年2月に発効したことを受けて初めて実施した。国公私立すべての幼稚園から高校まで5万3039校を対象に今年4月1日現在で調べた。
文科省によると、全く対策をとっていないのは、小学校が276校(全体の1.2%)、中学校が88校(同0.8%)、高校36校(同0.7%)だった。
全体の約45%の学校は、建物内だけでなく敷地内を全面禁煙としており、文科省は「予想以上に取り組みが進んでいる」と話している。
都道府県別で、公立学校について受動喫煙対策のない学校が残っているのは34都道府県。これに対して、茨城、静岡、和歌山、徳島の各県教委は、学校敷地内を全面禁煙にするよう県内に通知している。
読売:全国の小中高400校、禁煙・分煙対策全く行わず
教職員らが吸うたばこにより生徒・児童らが受動喫煙するのを防ぐための禁煙や分煙の対策を、全国の小中高校の1%にあたる400校が全く行っていないことが26日、文部科学省の初の調査で分かった。
一方、すでに43%が学校敷地内を全面禁煙にしており、文科省では「少なくとも分煙措置は講じるべきだ」と指摘している。
調査は国公私立の小中高校や幼稚園など計5万3039校・園を対象に今年4月1日現在の状況を聞いた。それによると、受動喫煙の防止策をとっていない小学校は全体の1・2%にあたる276校。中学は88校(0・8%)、高校は36校(0・7%)に上った。
これに対し、小中高校(計3万8563校)の43%にあたる計1万6491校は、すでに学校敷地内を全面禁煙にしていた。建物内に限って禁煙にしている小中高校は計9552校(25%)、建物内に喫煙場所を設置し分煙措置をとっているところは計1万2120校(31%)だった。
幼稚園については2083園(15・4%)が「対策を取っていない」と回答したが、文科省は「若い女性の先生が多いなど、喫煙する人が全くいないケースが大半とみられる」と分析している。
2003年5月に施行された健康増進法では、学校など公共の場所の管理者に受動喫煙の防止措置をとるよう努力義務を定めている。
(2005年8月26日20時49分 読売新聞)
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興味深いのは、朝日も読売もこの結果に満足していないらしく、受動喫煙対策を施していない学校の数とパーセンテージを引用していることです。まるで同一の記者が書いているように見えるほどです。そんなはずはないのですが・・・。
それでも、読売を読むと、朝日の方が穏当に見えます。喫煙に関しては、読売こそが真の革新派なのでした。
対策を講じていない400校、早くやらないと読売新聞が怒ってますぞ。そしてゴウ先生も怒っています。
この問題、今回の総選挙の争点になってもよさそうだと思うのです。各党、各候補者、いかがなものでしょう。まずは政治家から喫煙者ゼロ、受動喫煙加害者ゼロを目指してもらいたいのです。
受動喫煙の被害による医療費の問題を考えたら、これは冗談ではありません。大幅な国民負担が減るはずなのです。厚労省も真剣に考えるべき問題であります。
タバコの臭いのしない日本、受動喫煙に苦しめられる日本人ゼロをめざしていきましょう!
とにかく、日本人はすべからく受動喫煙の実態を知らなければなりません。受動喫煙とは、隣で実際に吸う人の煙からばかり起こるわけではないのです。タバコを吸わない時でもスモーカーが吐く息や衣服さらには喫煙された部屋の壁などについた化学物質から、周囲の人は受動喫煙を余儀なくされるのです。
つまり、喫煙者がその部屋でタバコを吸った事実が過去にあるとしましょう。そうすると、多かれ少なかれ、その部屋に入った人は、自動的に受動喫煙をしている可能性があるのです。怖い話だと思いませんか。
こんな大切な事実を、恥ずかしいことに、タバコを止めて知りました。猛省するしかありません。
でも頭ばかり下げていても仕方ありません。子供たちの健康は、我が家の重点目標であり、国家の重点目標です。そうなれば、気になるのは、家庭の次に多くの時間を過ごす学校の受動喫煙対策です。
高校時代、喫煙検査をする教員たちがヤニ臭いのには抵抗がありました。「タバコを止めろと言うのなら、自分がまず止めろ」という青臭い論理です。それから20年以上もタバコを吸い続けたのですから、身勝手極まりない話だとは分かっていますが、それが不当に取締りを受けていると感じていた若輩者の本心でした。
それから時代が変わり、ヤニ臭い先生もだいぶ減っているようです。昨日の新聞では、各紙、文科省が調査した全国の学校の実態が報道されました。まずは、見出しからご覧ください。
日経:学校の受動喫煙防止策、95%が実施済み・文科省初調査
産経(共同):全面禁煙、学校内は45% 文科省調査
朝日:児童・生徒の受動喫煙、小中高校の1%は防止策とらず
読売:全国の小中高400校、禁煙・分煙対策全く行わず
面白いですね。見出しだけでも、日経・産経は学校の受動喫煙対策がかなり進んでいると好意的な見方をしているのが分かります。それに対して、普段は犬猿の仲である朝日と読売がまだまだ対策は不十分であると一緒に肩を並べて主張しているのです。
その立場の違いを踏まえつつ、各紙の情報から、現在の日本における受動喫煙対策の実態を読み取ってみましょう。
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日経:学校の受動喫煙防止策、95%が実施済み・文科省初調査
全国の幼稚園や小中高校の95.3%が教員の喫煙による児童生徒らの受動喫煙の防止策を講じていることが26日、文部科学省がまとめた初の調査結果で分かった。半数近くは敷地内を全面禁煙にしている。同省は「対策の実施率は思ったより良好で、受動喫煙の防止に積極的な姿勢がうかがえる」(学校健康教育課)と話している。
調査は国公私立の幼稚園・小中高校全約5万3000校と教育委員会を対象に実施。調査結果によると、敷地内の全面禁煙は全体の45.4%、建物内の全面禁煙は23.6%が実施。建物内に喫煙場所を設けて分煙の措置を講じているのは26.3%で、対策実施校が95.3%を占めた。
対策を講じていないのは4.7%、2485校。文科省は「8割強が幼稚園で、喫煙する教員がいない学校が多いのではないか」(同)としているが、今後、都道府県などに対策の徹底を促す方針。 (22:36)
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太字箇所を見てもらえれば分かるように、日経は4紙の中で一番好意的に学校の取り組みを捉えています。日経記者はスモーカーなのでしょうか。ゴウ先生には、対策はまだまだ甘いと思うのですが・・・。
次に産経です。
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産経(共同):全面禁煙、学校内は45% 文科省調査
全国の小中高校などの45%が建物と敷地内を全面禁煙にしていることが26日、文部科学省の調査で分かった。建物内だけ禁煙も24%で実施、分煙を含めると95%が受動喫煙への対策を取っていた。
文科省は「かなり高い割合で対策がなされているが、さらに進めてほしい」としている。
調査は4月時点で、全国5万3039の国公私立の小中高校、幼稚園などを対象に実施した。
禁煙以外では、建物内で分煙をしているのは26%、何も対策をしていないのは5%だった。
「建物と敷地内の全面禁煙」は幼稚園が52%、小学校44%、中学39%、高校44%。
「建物内だけ禁煙」は小28%、中24%、高12%。分煙は小26%、中37%、高44%だった。
公立の全面禁煙実施の割合は静岡県がほぼ100%で、和歌山県99%、秋田県96%の順。
また、禁煙や分煙などの対策を取っていないのは国立がゼロ。公立が2%だったのに対し私立は16%で、うち幼稚園が19%と高い割合だった。文科省は「幼稚園は園内で喫煙する人が少なく、対策を取る必要のない所が多いため数字が大きくなった。私立の数字が大きいのも幼稚園の割合が高いため」としている。(共同)(08/26 18:30)
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最初の太字箇所に注目してください。産経(共同)は、学校側の取り組みをそれなりに評価しつつも、もう一段の努力を求めているのが分かります。日経の記者と違う文科省関係者から話を聴いたのだろうかと訝るほどです。どちらが本当のコメントやら、読み比べをすると「藪の中」に入ってしまいます。(これだから、新聞の読み比べをやめられないのですが・・・。)
それにしても、静岡はすごいです。これで国立静岡大学付属の小・中学校へ子供たちを通わせたら、きっとタバコの臭い一つしない、きれいな空気で勉強をさせてあげられるのでしょう。うらやましい限りです。お茶も美味しいし、ゴウ先生の大好きな日本酒も磯自慢はじめ名酒ばかりなのは、タバコを吸わない人が多いからなのかと想像したほどです。
もっとキツイ要求をしているのが、朝日と読売です。面白いので2紙続けて読んでみてください。
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朝日:児童・生徒の受動喫煙、小中高校の1%は防止策とらず
2005年08月26日20時22分
全国の小中高校全体の1%にあたる計400校で、受動喫煙防止対策が全く講じられていないことがわかった。一方、ほぼ半分は学校敷地内そのものを全面禁煙にしていた。文部科学省が26日、公表した。
この調査は、受動喫煙防止をうたった「たばこ規制枠組み条約」が今年2月に発効したことを受けて初めて実施した。国公私立すべての幼稚園から高校まで5万3039校を対象に今年4月1日現在で調べた。
文科省によると、全く対策をとっていないのは、小学校が276校(全体の1.2%)、中学校が88校(同0.8%)、高校36校(同0.7%)だった。
全体の約45%の学校は、建物内だけでなく敷地内を全面禁煙としており、文科省は「予想以上に取り組みが進んでいる」と話している。
都道府県別で、公立学校について受動喫煙対策のない学校が残っているのは34都道府県。これに対して、茨城、静岡、和歌山、徳島の各県教委は、学校敷地内を全面禁煙にするよう県内に通知している。
読売:全国の小中高400校、禁煙・分煙対策全く行わず
教職員らが吸うたばこにより生徒・児童らが受動喫煙するのを防ぐための禁煙や分煙の対策を、全国の小中高校の1%にあたる400校が全く行っていないことが26日、文部科学省の初の調査で分かった。
一方、すでに43%が学校敷地内を全面禁煙にしており、文科省では「少なくとも分煙措置は講じるべきだ」と指摘している。
調査は国公私立の小中高校や幼稚園など計5万3039校・園を対象に今年4月1日現在の状況を聞いた。それによると、受動喫煙の防止策をとっていない小学校は全体の1・2%にあたる276校。中学は88校(0・8%)、高校は36校(0・7%)に上った。
これに対し、小中高校(計3万8563校)の43%にあたる計1万6491校は、すでに学校敷地内を全面禁煙にしていた。建物内に限って禁煙にしている小中高校は計9552校(25%)、建物内に喫煙場所を設置し分煙措置をとっているところは計1万2120校(31%)だった。
幼稚園については2083園(15・4%)が「対策を取っていない」と回答したが、文科省は「若い女性の先生が多いなど、喫煙する人が全くいないケースが大半とみられる」と分析している。
2003年5月に施行された健康増進法では、学校など公共の場所の管理者に受動喫煙の防止措置をとるよう努力義務を定めている。
(2005年8月26日20時49分 読売新聞)
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興味深いのは、朝日も読売もこの結果に満足していないらしく、受動喫煙対策を施していない学校の数とパーセンテージを引用していることです。まるで同一の記者が書いているように見えるほどです。そんなはずはないのですが・・・。
それでも、読売を読むと、朝日の方が穏当に見えます。喫煙に関しては、読売こそが真の革新派なのでした。
対策を講じていない400校、早くやらないと読売新聞が怒ってますぞ。そしてゴウ先生も怒っています。
この問題、今回の総選挙の争点になってもよさそうだと思うのです。各党、各候補者、いかがなものでしょう。まずは政治家から喫煙者ゼロ、受動喫煙加害者ゼロを目指してもらいたいのです。
受動喫煙の被害による医療費の問題を考えたら、これは冗談ではありません。大幅な国民負担が減るはずなのです。厚労省も真剣に考えるべき問題であります。
タバコの臭いのしない日本、受動喫煙に苦しめられる日本人ゼロをめざしていきましょう!