陸上男子走り高跳びの戸辺直人(26)=つくばツインピークス=が、今月2日にドイツで行われた室内競技会で2メートル35をマークして優勝し、日本記録を13年ぶりに塗り替えた昨年の屋外世界ランキングで5位に相当し、2016年リオデジャネイロ五輪では銅メダルを獲得できる好記録。一躍、20年東京五輪のメダル候補に名乗りを上げた。

 今季初戦で壁を越えた。2メートル35を3回目で成功。小躍りするようにくるくる回り、喜びを全身で表現した。筑波大大学院生で、1月に博士論文の最終審査を終えたばかり。「現状の確認を目標としていた。ここまで跳べるとは思っていなかった」と驚きを隠さなかった。

 銅メダルを獲得したジャカルタ・アジア大会後の昨秋、踏み切る直前に体が浮いてしまう課題を克服するため、両腕ではなく右腕だけを振り上げて踏み切るフォームに変えた。ドイツの室内大会では2メートル37にも挑み、惜しくも失敗したが「体力も技術も良い形にまとまっている。まだまだ高く跳べる感触がある」と頼もしい言葉を並べた。

 日本陸連によると、室内、屋外にかかわらず条件を満たしていれば日本記録として公認されるため、醍醐直幸が06年7月に出した従来の日本記録を2センチ更新。国際陸連が各種目の記録を点数化して価値を示す表では1224点となり、100メートルで9秒95に値する。

 戸辺が掲げる東京五輪での目標は、2メートル40を跳んで金メダル獲得。「実現に向けて一歩近づけた」。プレシーズンを最高の形でスタートさせた。

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日本人で2m35㎝を跳べるハイジャンパーが現れるとはおもってもいませんでした。しかも、名前が「とべ(戸辺)」というのが泣かせるではありませんか。運命を感じます。

「とべ」選手には、ぜひとも、2m40㎝を跳んで、東京五輪で金メダルを獲得してもらいたいと願います。